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【完結済】へなちょこリリーの惚れ薬  作者: 水樹みねあ
第四章 黒百合の女神
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第16話 黒百合の女神

 また調べてみるね、とトレニアは帰っていった。

 私は、久しぶりにちゃんと寝ようと思って、枕カバーとシーツを換えた。

 黒百合の女神のことが何故か気になり、とても練習に手がつかなかったから。


(おばあちゃんに聞いたら早いんだろうけど)


 どうして知ってるか、まず話さないといけないし、そうすると、ノア様の話も全部しないといけない。


 私の心を重くしてる理由は、きっとそこなんだ。


 ノア様はおばあちゃんの元カレ。

 100歳をとっくに越えているうちのおばあちゃん。


 ノア様と結ばれることはなかったから、私が生まれた。


 ……私がどうこういえることでは、ないけど……。


 おばあちゃんは、きっとノア様が死を選ぶのを最後まで反対したに違いない。

 好きな人ならそうする。


 ……黒百合の女神とやらは、どうしておばあちゃんの説得を聞いてくれなかったのだろう。

 本人に聞かなきゃわからないだろうけど。


「出てきてくれないものかしら」


 無理無理。

 灯りを消して、布団を頭まで被った。


 もう寝よう。




 ……ギシ。

 ベッドの端に、重みがかかった。


(……?)


 いつの間にか寝てしまったらしい。

 目を開けると、ベッドに腰掛けている、女の姿があった。


「あなた……誰?」

「こんばんは、リリー・ロック」

「……あなたは……」


 白い肌が闇に浮かんで見える。


「ノアから話は聞いたわ。魔法が使えるようになりたいんでしょう?」

「……ええ」

「力の使い方を教えてあげましょう。あなたが望めばだけど」


 人間じゃない。

 間違いない。

 長い長い黒髪、アメジストの瞳。 


「ついていらっしゃい。私を見つけられたら、あなたの力になりましょう」


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