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夏生詩集3

揺らめく人差し指

作者: 夏生

スマートホンを左手に持ち

右手の人差し指で一語一語触れる

言葉はあっという間に連なって

ひとつの文章ができあがる


音なく増える言葉たち

私の頭と心と人差し指が同時に

動く

何かに急き立てられるように

間のない勢いで


手はもうひとつの口である

と思ったのは手話で

指は一語であって動くたびに

言葉が生まれる


それはなまめかしく激しく

伝えたい気持ちが具現化されたような

畏れを抱くほどのもので

手のふり、指先の行方のひとつひとつに

血の流れを感じた


私の人差し指から生まれた言葉は

どうだろうか


つまらない、と一言残してくれた人がいた

痛みを感じたけれど

突き詰めて練り上げた言葉ではなかったから

この「つまらない」は的を射ていた


あかさたなはまやらわ、の上を人差し指は

迷いながら揺らめく

それでいい

迷いに迷って、やめてしまって、また

あかさたなはまやらわ、の上を揺らめいて


ためらい、迷い、突き詰めて放たれた言葉には

僅かでも真実が光っているのだから















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