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女装男子とお見合い前のお嬢様とブラコンの妹。  作者: 岬ツカサ
二、女装男子と嘘とお見合い
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階段

「夕貴、こんな所で何をしているのだ?」

 花音さんの声が後ろから聞こえた。

「いや、これはそのなんと言うか……」

「ん? どうした呆けたような顔をして、ボケたのか?」

 ボケてなどいない。僕はただ目の前にいる花音さんの変貌ぶりに驚いていたんだ。

「お嬢様、お綺麗でございます!」

「とても綺麗で、可愛いよ」

「フフ、やはりそうか! この衣装とメイク、私は今、完全体となったのだ! これならば見合い相手もイチコロ!」

 花音さんの言っていることに間違いは無いと思った。洋服は昨日見た物なのに、花音さんのメイクが加わって可愛いと格好良いの完璧なコラボレーションを生み出していた。それはまるで苺とケーキが出会って苺ショートになるような。そんな必然性すらも感じさせる組み合わせだ。こんな容姿の女の子が目の前にいたら断る男なんていない。お見合いの成功は約束された様なものだ。

「じゃ、じゃあ僕はもう下に戻るよ! もうすぐお見合い始まるんでしょう?」

「あ、あぁ、まだ一時間ほどあるが……なぁ夕貴ちょっと話を――」

「ごめん花音さん、また後で! お見合いがんばってね!」

 タイムリミットは後一時間……いや、三十分って所だろう。時間が無い、今は花音さんと話すよりも藍の意見を聞きたかった。

「――あっ、なんだよもう、お見合いの前くらい一緒にいてくれてもいいじゃないか……」

「フフ、お嬢様のために奔走してくださっているみたいですよ」

 階段を駆け降りる中二人の会話が少しだけ聞こえた。ごめんね花音さん、不安な気持ちは分かるけど、絶対後悔の無いようにさせるから!


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