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日本帝国記  作者: 浦波
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8 商業

 紀元前580年(皇紀20年)



 更なる村の併合と俺の指示による子作りのせいで人口は爆発的に増加。

400人を突破した。


流石にこの人数になると俺1人では管理しきれないので高等教育を終えた奴の中から優秀なのを選別し、そいつ等に官僚や役人としての教育を施した。

まだまだ未熟だが、社会体制が整ってないこの時代なら何とかなるだろう。




 人口爆発に伴い、今までのような物々交換では支障を来すようになってきたので貨幣制度を導入。

鋳造技術も発達してきたので鉄の硬貨に1円、10円、100円と書き、裏面にはそれぞれ梅、竹、松の絵を描いた。

まだ梅は日本に無いけど、俺がこういう植物があると教えた。

形が不揃いで裏面に描いた絵も不恰好だが、ちゃんとした硬貨だ。

本当なら更に銅貨、銀貨、金貨を作りたかったが、まだ鉱山を掘ってないので無い。

住人達はこんなもので食料や衣料と交換して貰えるというのに戸惑っていたが、徐々に慣れてきた。

物々交換よりも貨幣で取引した方が楽だからな。




 貨幣導入と同時に税制度も制定。

収入の2割を税として支払う。

高いと思えるが、この時代にしては良心的じゃね?

酷い所なら7割くらい出せという国もあったし。

それに税を支払えば国民として認められ、社会サービスを受けられる。

払わないと国家反逆罪で死刑だがな。




 貨幣が出来たので職業も制定。

農民や職人、商人、軍人等職業が明確化された。

最低賃金を定め、労働基準法も制定した。

そうしないと必ず酷い待遇の会社が出現するからな。




 人口が増えた事により職につけない奴が現れてきた。

暇な奴や失業者を集め、遂に軍隊を結成。

近代軍を手本とした軍規や規律を叩き込み、厳しい訓練を課した。

今までのような甘い訓練と違い、本格的で厳しい訓練に逃げ出す奴もいたが、逃げれば逃亡罪が適用されて死刑になる。

それに逃げれた所で他に働く所も無いので耐えるしかない。


それに、悪い事ばかりでは無い。

危険性が高い職業だから給料は破格だし、食事も保証され、寮もあるから住居が無くても問題無い。

万が一訓練中に死亡、もしくは障害が残る程の重症を負えば年金が出る。

このように待遇面では最高なので入隊希望者は増えている。



しかし軍が出来たというのにまだ戦力としては微妙だ。

この時代の日本国内では恐らく最強の戦力を誇るだろうが、決定的に足りないモノがある。

それは馬だ。

この時代の日本には馬がいないから基本的に移動手段は徒歩しかない。

馬の代わりになりそうな牛までいないからな……。

必然的に機動力が低い。

これでは早期に移動、展開が出来ない。

騎兵も作れないから攻撃力も大幅ダウンだ。

オマケに荷物を運ぶ手段も得られないから基本的に全部人力だ。

大八車を開発して兵士達が全てを運んでいる。

マジで日本不便過ぎ。




 士官学校を設立した。

軍隊が出来たのだから指揮官や参謀が必要になる。

だから士官としてどう動くべきかや、戦術を教え込む。

この時代に戦術もクソも無いだろうから1からの教育だ。

図上演習など戦術眼を鍛え、実際の兵士を使っての演習もさせる。

なるべく俺は戦場に出たくないからな。

しっかり士官や将官を鍛えなくては。




 ある程度生活に余裕が出てきたから食生活も豊かにしよう。

今まで調味料は塩ぐらいしか無かった。

だから食生活を豊かにするために醤油や味噌を作ろう。

幸い、大豆の近縁種が日本にあるからそれで作れる。

昔は縄文時代に大豆は無かったと言われていたが、最近の研究で縄文時代中期には大豆、もしくは近しい種が存在した。と言われている。

だから念のために探してみたら、見つかった。

ちょっと違う気もしなく無いが、食べてみたら大豆の味がしたから間違い無い。


後は酒の開発だ。

原始的な果実をほったらかしにした酒? や口噛み酒しかない。

流石に嫌だからちゃんとしたのを作る。

ちゃんとしたのと言っても培養された酵母菌なんて無いから米に生やした酵母を使うしかない。

知識だけで経験なんて無いから不安だったが、何とか完成した。

濁り酒であんまり度数は高くないが、今までの酒よりは格段にマシだ。




 貨幣を作った事で今まではあまり無かった貧富の差が生じてきた。

まぁこればかりはしょうがないからな。

みんな同じじゃ経済が発達する訳無いし。


さて、ようやく貨幣が出来て商売が出来たのだから、何時も通り北郷商会の開業だ。

と言っても流石に神になってる俺が商売を起こすのはどうかと思うし、俺がやってる商会だと知れば同業者達が争うのは不味いと勝手に引いていってしまう。

それでは競争が起きないから代理人を立てて俺と分からないように経営する。


やはり何時も通り質の良い商品をコピーして安く売る。

これだけでも十分儲かる。

何せ元手はタダだ。

幾らでも安く出来る。

しかし流石にまだ本格的には動かない。

ここで本格的に動くと街全ての市場を独占出来るだろうが、それでは代理人を立てて競争を煽ろうとした意味が無い。

だから値段は調整しながら売る。

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