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日本帝国記  作者: 浦波
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47 北郷ノート

 イランが安定し、国境沿いに軍の配備が完了。

ローマ帝国侵攻作戦の準備が整ったので宣戦布告を行う。




ローマ帝国サイド


 ローマ帝国と日本帝国が正式に隣国になって10年。

今までローマ帝国からは何度か国交樹立のための特使を派遣したが、全て拒否され、代わりに様々な品を貰っていた。

その品は金や銀の装飾品だったり、見たことの無い繊維で作られた衣類、食べた事の無い調味料など様々あったが、流石に10年も拒否をされているという事実にローマ側は憤慨していた。

もう支配領域はとっくに安定しているというのに、何故国交を結ばないのか?

確かに現在は国境から門前払いをされる訳では無く、迎賓館でローマ特使を持て成してくれるが、その迎賓館があるのは国境の直ぐ近く。

つまり街には一切入れてくれないのだ。

幾ら豪華な迎賓館で最上級の持て成しをしてくれてもこれには我慢がならなかった。


そのため、ローマ帝国は日本帝国に対して抗議文を送った。

皇帝アントニヌスは日本が怒りはしないか不安だったが、流石にこれ以上は騒ぎ立てる元老院や高官達を押さえ付ける事は無理だったのだ。

それに抗議文の内容は「いい加減街に入れてくれ」という簡単な要求だけだ。

これで怒りはしないだろうとアントニヌスは思っていた。




 抗議文を送って少しした後、日本帝国からの特使がローマ帝国に派遣された。

ローマ帝国からは派遣した事があるが、日本帝国から派遣されたのは初めてだったから誰もが良いニュースを予感していた。

抗議文が効き、ようやく正式に国交や交易を結んでくれるのだろうと。

しかし特使が持ってきた封筒には全く予想もしてなかった事が書いてあった。


2枚の紙が入っており、1枚はローマ帝国を描いてある地図だ。

その正確さと緻密さに先ずは驚愕した。

他国に自国の正確な地図を持たれるなんて致命的な弱点だ。

何故なら現代では地図は何処でも正確なのが手に入るが、測量技術や衛星が無いこの時代では自国でさえ正確な地図は中々作れない。

それに他国に自国の詳細な地図を持たれるというのは何処を攻めたら良いか知られるという事だ。

だから古代において地図とは戦略的にとても重要で、その情報をバラせば文字通り首が飛ぶ。


その地図には線が引いてあり、ヨーロッパとアジアに別れている。

詳細に言えばボスポラス王国が始点となり、ボスポラス海峡とアテネを内側に地中海を半分にされ、ヨーロッパとアジア、アフリカを丸で分けている。

丸で囲まれていないアジアやアフリカは黒く塗られている。


もう1枚の紙にはラテン語で今までの無礼を詫び、そしてとんでもない要求が書かれていた。

「同封した地図の丸い線の外側の塗り潰した貴国の領土を我が国に無条件で譲渡して頂きたい。

7日以内に返答無き場合は宣戦布告と見なし、貴国に侵攻する」

その書状を見たアントニヌスは目を疑った。

友好関係の書状と思いきや、まさかの領土の要求。

それも無条件で。



これには幾ら平和路線のアントニヌスもキレた。

「今まで散々無礼を働き!!

今度はいきなり領土の大半を寄越せだと!?

ふざけおって!!!」

敬虔、とまで称されたアントニヌス帝の怒りに元老院達も若干たじろぐも、直ぐに書状の内容を思い出し、アントニヌスと共に怒り狂う。

あまりの怒りに日本帝国の特使の首をハネろと命じたが、既に特使はいなかった。

接待に付けた者が言うには、書状を渡したら直ぐに帰ったらしい。

この書状を見た後に自分がどうなるか予想するのは難しくない。

その前に逃げたのだろう。



「そうか……まぁ良い。

それよりも大事な事がある」

アントニヌスはようやく冷静になり、この後のプランを練る。

「…それで陛下、この要求は如何致しましょう?」

聞くまでも無いが、一応軍高官は聞いた。

「このようなふざけた要求は断固受け入れられぬ。

日本との戦争準備を急ぐのだ」

それを聞いて軍高官は敬礼し、そして直ぐに軍を集結させるために走って退出した。

こうしてローマ帝国と日本帝国の開戦が決定した。

ローマ軍は僅か1週間しか無いが、日本との国境線に出来る限りの兵士を動員し、開戦に備える。

相手は完全に未知の相手だが、パルチア王国を一月で陥落させた前例がある。

アフリカ大陸やイギリス、フランス等に動員した兵士も呼び戻す。

総力戦にしなくてはもしかして負けるかも知れないからだ。

世界に冠たるローマ帝国が負ける事などあり得ないと思うが、念には念のために出来る限りの戦力を投入する。

撃退に成功したらそのまま日本領にも攻め入り、領土を奪ってくれる。とアントニヌスは息巻いていたのだった。




日本サイド


 衛星からのローマ帝国の映像を見ながらほくそ笑む。

わざわざ直ぐに攻めず、1週間の期間を与えたのはローマ兵を集結させるためだ。

直ぐに侵攻して北アフリカや中東を占領するのは簡単だが、占領後にローマ軍は奪還しようと動くだろう。

別に脅威では無いが、うざったいし何よりローマ帝国に滅びられても困る。

巨大で多民族国家を支配するには何よりも共通の敵が必要不可欠だ。

それもより強大だと尚良い。

歴史を完全に変えるからどうなるか分からないが、ローマ帝国にはアフリカ大陸や中東の代わりにヨーロッパの領土拡大に動いて貰う。

領土の大半を失うが、その代わりにローマ帝国絶頂期を過ぎた後に失った危機感が再び甦り、領土拡大に奔走するだろう。

だいぶ軍事力が減るだろうが、そこは日本が陰ながら支援する。

まだ潰れられては困るからな。

だからある程度兵を集結させ、短期決戦で一気に領土を占領し、早期講話を迫る。

日本軍の力を思い知った後なら講話に飛び付く筈。

講話を結ばないと本格的に侵攻されてローマ帝国そのものがパルチア王国みたいに滅ぼされる。




 ローマ戦にも必要無いが、戦車がまた発展。

10式戦車になった。

軽量化しながら防御力は上がり、攻撃力も増した。



戦闘機も新しくなり、遂にステルス機になった。空軍はF-22ラプターに、海軍はF-35ライトニングになった。

F-35はハリアーのように垂直離陸も出来るから滑走路も必要無い。

強襲揚陸艦からでも発艦出来る。


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