45 処理場
なんか凄く長くなりました。
西暦140年(皇紀740年)
ベナン、トーゴ、ガーナ、ブルキナファソ、コートジボワール、リベリア、シエラレオネ、ギニア、マリ、ギニアビサウ、ガンビア、セネガル、カーボベルデ、モーリタニア、西サハラを領有化。
これでローマ領以外を制覇した。
とんでもない数の国だが、実際は小国が連なってるだけ。
沿岸部に国が多すぎ。
ここら辺は特にヨーロッパ勢の植民地がひしめいてたからな。
フランスやイギリスがアフリカを取るために競い、結果こんなに数が増えた。
ここら辺にはアフリカ大陸では珍しい事に、ほとんど資源が無い国が多い。
ベナンやブルキナファソ、ギニアビサウ、ガンビア、カーボベルデだ。
まぁ余りにも国を作り過ぎて領土が小さすぎる国が多い。
独立は果たしても資源が無い国が発展するのは難しい。
しかし資源が無くても沿岸部ならまだ利用価値がある。
資源がほとんど枯渇していた日本が経済大国になったように、貿易で国を発展させる事が出来る。
だから資源が無くても占領し、あまりにも細分化された所は合併する。
例えばベナン、トーゴ、ガーナ、コートジボワールを合併させて新たな国にするなど、資源が無い地域なら資源がある地域と一緒にすれば何とかなる。
しかし内陸部で資源が無いブルキナファソは難しい。
ブルキナファソは一応金鉱山があるから資源が無いとは言わないが、そんなに大量にある訳じゃ無いし、金以外はほとんど無い。
オマケに内陸部にあるから貿易をするには陸路か沿岸国を経由する必要があるから輸送費がかかる。
現代ではブルキナファソの経済は金鉱山と出稼ぎ労働者の送金で何とか保っている。
ていうか人口過多になって出ていく以外無かったからな。
更に言えばブルキナファソはそこそこ大きい国だから隣国と合併させてもお荷物の可能性が高い。
ある意味ブルキナファソは日本の状況に似ているが、日本と違って海が無いから貿易立国にはなりにくい。
そんな国を支配しても得なんか何も無いように思えるが、利用価値が無い訳では無い。
ではどうするか?
簡単だ、ブルキナファソを日本の保護国として独立させ、日本の悩みを押し付ける。
こんなに発展した日本には悩みなんか無さそうに見えるが、見せてないだけで結構ある。
例えば原発や兵器、医療等で出る放射性廃棄物だ。
原発の数はかなり減らしたとは言え、解体すれば高レベルの廃棄物が出るし、ただ稼働させるだけでも高レベルの廃棄物が大量に出る。
今まではオーストラリアとかに使用済み核燃料棒など高レベルの廃棄物は中間処理場を建設して保管し、低レベルの廃棄物は地下に処理場を建設して処分していた。
しかし何らかの影響が出ないとは言いにくいし、このまま土地を汚染し続けるのも好ましくない。
だからと言って昔みたいに海中投棄では環境に悪すぎる。
ではどうするべきか?
簡単だ。
現代みたいに発展途上国に押し付ければ良い。
先進国が出したリサイクルには金がかかり過ぎるゴミや、どうしようも無い廃棄物をアフリカ諸国に投棄するように、日本もブルキナファソに押し付る。
と言っても別に現代みたいに何でもかんでも押し付る訳では無い。
金に糸目はつけないからリサイクル出来るなら国内でやり、放射性廃棄物や有毒廃棄物みたいにどうしようも無いのをブルキナファソに押し付る。
それにただ投棄するのではなく、ちゃんと地下深くに処理場を作ってそこに廃棄する。
有毒廃棄物もそのまま川に流す事はせず、処理工場を建設して処理してから川に流すなり、ダメなら隔離した地域に処理場を作って廃棄する。
そのために先ずは国としての支配体制を整えなくてはいけない。
イギリスのインド統治を真似て上層部には日本人を据え、中間管理職やそれ以下には現地人を教育して就ける。
名目上独立しているとは言え、所詮属国だから宗守国には逆らえない。
更に義務教育を受けさせ、日本に対して服従するように洗脳する。
これで統治がやり易くなる。
だからと言って別にイギリスみたいに一方的に搾取はしない。
ちゃんとインフラを整備して居住可能な地にするし、北郷商会や日本企業を進出させて職にも就けるようにする。
それにもし自然災害が発生して食料難にでも陥れば支援する。
ちゃんとギブ&テイクな関係にするから逆らいやしないだろう。
まぁしばらくは完全に日本人が統治する事になるがな。
現地人を役人や官僚に仕立てあげるのにかなり時間がかかるし、食料の生産体制やインフラ整備、住宅地の建設など全て合わせると軽く20年はかかる。
だから今の内に日本有利な法や条例を制定し、ブルキナファソ人の役人や官僚が勝手な事が出来ないように権力を上層部に集中させる。
こうすることで強力な中央集権体制を敷き、地方の力を削ぐ。
地方には上層部が従順で忠誠心が厚い人材を派遣するとは言え、県知事や市長などはブルキナファソ人だから不安がある。
だったら県知事や市長も日本人を据えれば良いんだが、そこまでやるとかなりの人員をブルキナファソに割かなくてはならなくなるので、日本人は中央や首都に集中させる。
都知事には流石に日本人を据えたから問題無い。
それに地方の権力はかなり削いだから、よほどの緊急事態でない限り、中央にお伺いを立てなければならない。
産業やインフラ整備の際には、中央が県や市に指示するから二重行政も起きない。
後は支配体制を完璧にするために、永久租借した地域に日本軍の基地を建設し、日ブ安全保障条約を締結する。
「もし他国から攻められたら守る」という条約だ。
まぁ周囲は日本しか無いから攻めるのは日本以外あり得ないがな。
ブルキナファソには憲法9条の「戦争放棄」みたいな法を制定したから軍事力を保持出来ない。
だから代わりに防衛組織として「自衛隊」を設立させた。
完全に戦後の日米関係だな。
武器は日本から供与されたボルトアクション式ライフル(三十年式歩兵銃)と機関銃(マキシム機関銃)、榴弾砲(馬で牽引出来るレベル)、手榴弾、ダブルアクション式リボルバー拳銃、銃剣、日本刀ぐらいで、性能はどれも日清戦争時の日本軍レベル。
しかし軍服は第二次大戦時のだ。
明治時代の軍服は色が黒かったり、軍服なのに装飾がやたら多い。
だから地味な色で機能性のみを求めた軍服にした。
防具はヘルメットのみだ。
そして更に、日本の自衛隊と違い、戦車や戦闘機、戦闘車両(固有の火器を搭載している車両)は侵略用の兵器として保有を認めていない。
唯一航空戦力としてヘリの保有を認めてはいるが、攻撃ヘリや武装した強襲ヘリは不可。
何ら武装してない輸送用のみ可。
しかし、供与も貸与も販売もしてないから航空戦力は皆無。
自動車や装甲車も同様に保有こそ認めているが(ただし武装した車両は不可)、そもそも所有していないので移動手段は馬車か徒歩だ。
海も無いから艦艇は保有せず、陸上自衛隊のみ。
ていうか海上自衛隊や航空自衛隊に分ける必要が無いので、名称は『自衛隊』のみ。
河川は警察が警備している。
ちなみに自衛隊の主な任務は災害派遣や反乱制圧なので、国防は日本軍任せ。
一応国境沿いや各地に駐屯地はあるが、やることは専ら訓練と国境の監視だけ(それも自国民が日本領内に侵入しないかの監視)。
共同戦線など想定していないので日本軍との合同訓練や演習も無い。
四方を日本に囲まれ、仮想敵国も存在しないので侵攻に備える必要が無い(日本では相手にならないので想定してない)。
そのせいで兵士の練度はかなり低い。
戦うための訓練よりも、救助活動や炊き出しなど災害派遣についての訓練を主にしているのだから仕方ない。
戦闘訓練も外国の軍との戦闘ではなく、反乱や暴徒の鎮圧など自国民との戦闘を想定している。
一応念のために日本から教官役の仕官を派遣したので、最低限兵士としての訓練はしている。
しかし、軍規は日本軍に比べて緩い。
とは言っても北郷教国家なので賄賂や汚職をすれば軍法会議で死刑にされる。
なので汚職や腐敗は無い。
その代わりに士気が高いとは言えないが。
日本軍と違って給料が安いし、確たる目標や脅威が無いせいか、ヤル気が出ない。
つまり自衛隊とは、良く言っても傭兵部隊、悪く言えば民兵の集団レベルでしかない。
これでも万が一ブルキナファソで反乱や独立運動が起きても自衛隊だけで鎮圧出来るし、自衛隊が独立運動に参加したとしても簡単に鎮圧出来る。
ていうか周囲を日本領に囲まれているから軍事力なんか必要無い。
ブルキナファソの領空侵犯をするには必ず日本の領空を通過するため、ブルキナファソに入る前に防空ミサイルや日本軍機に撃墜される。
領海なんかそもそもブルキナファソに海は無いから犯しようも無い。
だからブルキナファソの自衛隊は日本みたいに「名前だけ変えた実質的には軍」ではなく、本当の意味での防衛だけの組織だ。
いる意味は無いが、一応名目だけは与えた。
全面禁止にすると反発して精強な軍を作りかねない。
だったら一部を認める。
そうすりゃコントロールがしやすい。
生かさず殺さずだ。
ちなみにブルキナファソと日本の国境には2重の鉄条網や金網、塹壕、地雷が埋められ、監視塔や監視カメラも多数設置されている。
更に、国境線の周囲5kmの土地を買い上げ、立ち入り禁止区域に指定した。
「日本の国有地であり、不法に侵入した者は死刑とする」や、「地雷注意」という看板をあちこちに立てて警告し、国境同様に立ち入り禁止区域も鉄条網や金網で塞ぎ、地雷を多数埋めた。
それどころか区域の近くには自衛隊の駐屯地もあるので、立ち入り禁止区域に近付く事さえ困難だ(国境監視が自衛隊の主な任務なので、駐屯地のほとんどは指定区域沿いにある)。
このように、日本とブルキナファソは明確に分けられている。
それに日本人がブルキナファソに入るのは制限付きで許可されるが、ブルキナファソ人は許可されない。
不法滞在なんかされたら困るし、逆に日本人が大量に滞在しても困る。
基本的に民間人には短期観光ビザしか発行しないから滞在は長くても3日が限界(ビザ無しでは入国不可)。
本当は入国なんかさせたくないが、禁止にすると必ずバカが密入国しようとする。
だから制限付きで許可した方がまだ良い。
尚、旅行者にはレンジャーを兼任する国から派遣されたガイドが付く。
ブルキナファソは野生動物が一杯いるし、日本領土と違って盗賊が出る可能性がある。
だから猟銃を所持出来るレンジャー兼ガイドを同行させなくてはならない。
ブルキナファソ内にカメラやビデオの持ち込みは許されているが、制限が付く。
首都なら比較的自由だが、首都以外は厳しく制限され、ガイドの許可無しに撮影するとスパイ容疑で逮捕され、死刑判決を受ける。
観光出来るコースも限られ、日本軍基地や自衛隊駐屯地、警察署、役所や省庁、書記長官邸など国の重要施設には近付く事さえ許されない。
まぁ観光日程が最大でも3日。
通常の観光コースは一泊二日か二泊三日だから回れるのは精々首都やその周辺だ。
ブルキナファソへのルートは1つで、飛行機でガーナに入り、国境までは車で行く。
入国したら直ぐに馬車に乗り換え、首都へ向かう。
ブルキナファソに正規に入れる方法はこれだけ。
それ以外は不法入国として発見され次第射殺される。
ちなみに外国人は首都の指定されたホテルや旅館以外には宿泊出来ない。
居住許可が出るのは国家公務員だけ。
企業関係者も短期間しか滞在を許されない。
それと民間人がブルキナファソに渡航するには一定以上の年収や貯金が無いとビザが発行されない。
金が無い奴や犯罪者の高飛びに使われかねないからな。
だからビザ発行の審査を厳しくし、前科や犯歴、借金のある者は入国不可だ。
……いや、いっそのこと日本資本は一切参入せず、ブルキナファソだけでやらせるか?
北郷商会とか日本資本が商売すると色々面倒だし、隔離が出来ない。
だったらブルキナファソに傀儡企業を作り、独占させた方が何かと便利だ。
ならば早速ブルキナファソ人の代理人を立て、表向きブルキナファソ人の経営する総合商社を起業する。
これなら販売店舗も工場も全てブルキナファソ内で出来る。
ブルキナファソではあんまり大量生産する必要は無いから工場制手工業で十分だ。
これでほぼ完全に日本とブルキナファソを隔離出来た。
ブルキナファソ人が日本を見て「自分達は日本のゴミを押し付けられている」と気付かないように隔離する(処理場は日本軍基地内にある)。
日本人にもブルキナファソの原状をよく理解出来なくさせるために観光ビザのみで、居住は許さない。
民放のテレビ局や新聞社、雑誌などで取り上げる事を禁じてはいないが、報道関係者も入国出来ないので伝えられる情報は少ない。
ちなみにブルキナファソの街並みは18世紀のレベルで、建築物は主にレンガやセメント(鉄筋コンクリートは無い)、石で出来ている。
木造もあるが、赤レンガなどモダン調の建物が多い。
イメージ的には明治時代の神戸や長崎だ。
純粋なヨーロッパの街並みと違い、どこか日本テイストが入っている。
首都や都市部はヨーロッパの街並みに近いが、地方は木造が多くて明治初期に近い。
鉄道は無く、交通手段は個人所有の馬車か駅馬車だ。
人々の服装は和服や洋服、和洋折衷など様々な格好をしている。
言語は日本語で、宗教は日本同様自由だが、北郷教徒が9割以上を占める。
なので神社がそこら中にある(首都には俺を祀った神社もある)。
通貨は一応独立国として円ではなく、ドルだ。
紙幣を発行する技術は無いので国内で産出出来る金と、日本から輸入している銀で硬貨を鋳造した。
ドルが金貨で、セントが銀貨だ。
レートは1ドルが500円という、属国の癖にブルキナファソの方が高い。
これは観光客や輸出を抑制するためだ。
韓国みたいに通貨が安いと来たがる奴が多いからな。
それとドルを高くすれば輸入はやり易いが、輸出は難しくなる。
食品や生活必需品のほとんどを日本から輸入しているブルキナファソにとって自国通貨は高い方が良い。
ブルキナファソの商品を輸出なんかされても無意味だから安くする必要無いし。
主要な産業は農業で、続いてサービス業、工業、金採掘、観光業となっている。
技術レベルは産業革命以前。
蒸気機関は無く、代わりに水車や風車、人力を利用している。
上下水道は整備され、道路はレンガで舗装してある。
電気は無く、灯りはガス灯かランプ、ロウソク、松明。
ガスは日本からパイプラインを引いている。
燃料は石炭か薪、木炭。
ちなみにガス灯は首都か都市部にしかない。
法律は日本帝国憲法を参考にしているのでかなり厳しく、賄賂や汚職は家族纏めて死刑だ。
銃刀法も制定されてるので民間人の武器の保有を禁じている。
日本同様全国に警察署や交番があり、警官が常駐している。
警官の装備はシングルアクション式のリボルバー拳銃と木製警棒、またはサーベル。
尚、ブルキナファソの北部はサバンナで、危険な野生動物が生息しているから狩猟免許を取れば警官も猟銃(ボルトアクション式)を所有出来る。
しかしライフルを所有するには先ず散弾銃(2連発式)で10年の経験が必要。
それに国指定の猟銃を保管する鍵付きロッカーと、弾薬を保管する鍵付きロッカーを別々に買わなくてはいけないからかなり面倒。
おかげで猟銃を所有するのは警官か猟師ぐらいだ。
ちなみに拳銃や猟銃は日本から購入している。
日本人がブルキナファソ領内で犯罪を犯した場合、例え軽罪でも「国家の品位を傷付けた」として原則死刑だ。
おかげで生まれた言葉が「ブルキナファソでは酒を飲むな」だ。
酔っ払って傷害や器物破損をしただけでも死刑にされる可能性があるので、「ブルキナファソでは決して酔ってはいけない」という意識が日本中に広がり、観光客がかなり減った。
農業は土地の性質上、水を大量に使う水田等は難しいが、遺伝子組み換えで乾燥に強く、あまり水を必要としない品種の作物や綿花等を栽培している。
農機具としては鉄のシャベルや鍬など人力の他に、初期型で動力を必要としない種まき機や、ヴィクトア時代のように馬を用いたトラクター等がある。
農薬はまだ知識もロクに無いこの国に与えたら環境破壊が深刻化しそうだから与えず、香辛料や酢酸などを用いた殺虫剤に留めた。
それに作物は遺伝子組み換えで乾燥に強いだけではなく、病害虫にも強くしているから農薬はそれほど必要無いだろう。
肥料は人糞や家畜の糞、枯れた植物等を混ぜた堆肥を主に使うが、資金に余裕がある農家は日本から輸入した化学肥料を用いる。
あんまりにも効き目が強い肥料だと土壌を汚染するから効き目を弱くしているが、それでも効率は上がる。
でも費用がかかるからほとんどの農家では堆肥を使っている。
牧畜は日本から牛やブタ、鶏、羊、ヤギ等を輸入し、養殖している。
移動手段であり、大切な労働力にもなる馬を繁殖させるために牧場もある。
農耕馬や馬車用の馬、競争馬、軍馬など様々な品種を日本から輸入し、繁殖させている。
産業革命が起きていないブルキナファソでは、馬がいないと作業効率が急低下する。
だから馬を増やし、より良い品種を作ろうと品種改良を頑張っている
食生活は様々で、和洋中と世界中の料理がある。
ブルキナファソで手に入らない食材は日本から輸入する。
しかし、冷蔵技術が未熟なので野菜や果物、魚介類など痛みやすい食材は首都にしか流通しない。
ブルキナファソは一番寒い季節でも30℃を下回る事がほとんど無いので、氷を作るのが難しく、氷を使う初期型の冷蔵庫すら使えない事が多い。
医療レベルは内科が中心で、外科のレベルは低い。
内科は主に東洋医学なので漢方や鍼灸、整体、あんまなど。
外科は蘭方医学を参考にしているが、今はまだ壊死した部位の切除ぐらいしか出来ない。
この時代にしてはかなり医療レベルが高いが、保険制度は無いので患者が全額負担。
おかげで病院に行けるのは中産階級や上流階級だけ。
平均寿命は精々30代。
国旗はパラオ共和国のを使用。
国歌は無し(式典などでは日本の国歌を使用)。
スポーツは一通りあるが、プロ化はしてない。
ギャンブルは国営で競馬やカジノが認められている。
温泉は無いが、公営の安い銭湯が各地にあるので、毎日風呂に入る。
裕福な家なら自宅に浴場を持っている。
税金は固定資産税や所得税、法人税、消費税など細かく分けられている。何せ貿易による収入は期待出来ないし、国内の産業もあまり発達していない。
だから国としての体制を維持するために税だけは近代的だ。
累進課税もあるから収入が多ければ多い程、税金を取られる。
消費税は日本同様に10%
最終的に税金は収入の半分ぐらいになる。
まぁこれでもマシな方じゃね?
5公5民なら現代日本並だし。
酷い場合は6公4民ぐらいだからな。
国家体制は専制君主制と合議制を併せたもので、書記長(日本から派遣された役人)と上層部(書記長と同様)だけで会議を行い、最終決定権は書記長が有する。
ただし、上層部の過半数以上の賛成があれば書記長を罷免出来る。
汚職防止のため、定期的に新たに日本から派遣された役人や官僚が書記長や上層部に就き、前任者は全員日本に帰国する。
省庁も存在し、日本同様に国土交通省や法務省、経済産業省など様々あるが、全ての省庁の大臣や副大臣、長官、副長官、補佐官、事務次官は日本から派遣された役人や官僚だ。
それとブルキナファソには外務省が無い。
他国との外交を許されてないし、宗主国たる日本には命令されるだけだから外交官なんて必要無い。
ちなみに自衛隊が所属する防衛庁は一番予算の配分が少ない。
史実の日本と違って明確な脅威が存在しないので、予算配分の会議にて優先順位を最後にされ、結果防衛費はごく僅かになった。
その額は警察庁の予算の方が多い始末だ。
まぁ治安維持の大役を担うんだから立場は完全に警察の方が上だ。
予算会議でも警察庁は最優先で決められたため、予算はかなり多い。
ブルキナファソも汚職防止のために公務員の給料は高め。
流石に日本程の高給ではないが、ブルキナファソ人の平均年収よりは高い。
しかしギリシャみたいに公務員ばかりが増えられても困るので、採用人数や試験はかなり厳しい。
高給でそれなりの権力も与えるんだ、無能は必要無い。
警察予算の煽りを受け、自衛隊では現存部隊である2個普通科(歩兵)師団と1個騎乗科(騎兵)連隊を維持するのが精一杯。
戦力向上なんて夢のまた夢だ。
装備品は日本からの供与や貸与、格安での販売でギリギリ保っている。
しかしこれだけ切り詰めてもやはり予算が足りないので、足りない分は更に日本から援助を受けている。
日本からの援助が無くなれば自衛隊は確実に終わる。
そうなれば警察が治安維持と国防を同時にしなくてはいけなくなる。
ブルキナファソの法律により、書記長や省庁の大臣、副大臣、長官、副長官、補佐官、事務次官など大きな権限を持つ上層部には全て日本から派遣された役人や官僚が就かなくてはいけない。
つまりブルキナファソ人は中間管理職以上にはなれない。
教育は小学校5年(洗脳教育中心)、大学4年の9年制。
教える内容は18世紀レベル。
大学は主に「日本統治の補佐をする人材を育成する学校」なので法学部、経済学部、教育学部が中心。
一方、あんまり文明を発展させたくないので理系や工学系、農業系は17世紀レベルまでしか教えない。
長い時間をかけて徐々に上げていく。
義務教育として3年間教育を受けなくてはいけない(義務教育中に留年や退学は無い)。
後の2年は学費がかかる。
奨学金制度はあるが、日本みたいに学費全額を支払ってくれて尚且つ返済義務を免除してくれる物はなく、半分程度を貸してくれるだけ。
勿論返済義務があり、有利子(年利3%)なら誰でも受けられるが、無利子は余程成績が良く、生活態度が良くなければ無理。
審査は基本的に書類選考。
人口が増えすぎても困るから1夫1妻制で、日本みたいな子作り支援法は無い。
現代のブルキナファソみたいに人口過多になっても外国へは行けないからな。
人口を抑制しなければならない。
そのため、ブルキナファソ向けの北郷教の教典には「女性は最低5人子供を作らなくてはならない」という条文は無い。
ちなみにブルキナファソへ日本製品を輸出する際にはトラックではなく馬車で輸送し、商品を包む箱や袋にはビニールなど自然分解しないのは使わず、木や麻、布、紙など自然分解可能な素材を使用する。
面倒だが徹底しなくてはならない。
ビニール袋で包めば楽だけど代わりにゴミが溢れる。
処理施設なんか無いブルキナファソでは埋めるぐらいしかないからな。
それにトラックも近代化を遅らせるために極力見せない。
ブルキナファソへの輸出量はそんなに多くないから馬車で十分だ。
ブルキナファソにも新聞は存在するが、発行を許されているのは国営の新聞社のみ。
テレビやラジオが無いブルキナファソで新聞は重要な情報だ。
国内情勢や政府の方針などを知るには新聞しかない。
だから情報統制のために国営の新聞社以外は新聞の発行を許されない。
しかし残念ながら輪転機が無いので、新聞や書籍は活版印刷で刷るしかなく、毎日発行は不可能。
そのため週1回発行だ。
内容は日本の新聞とは違い、小説や漫画などの娯楽は無く、ただ情報だけを伝える。
別に市民全般に読んで貰う必要は無い。
上流階級や知識層向けだからな。
出来るならブルキナファソ人にはあんまり頭良くなって欲しくない。
読み書きや簡単な計算が出来れば十分だ。
知識や世間をよく知らなきゃ、自国で手一杯になり、日本に興味を持ちにくくなる。
アフリカ大陸制覇も終わったから後は遂に最終段階だ。
先ずはパルチア王国を滅ぼす。
ローマ帝国との戦争が終わって内政に取り組んでいるが、やはり貿易はローマ帝国のみだから再生は遅い。
史実ならアラン人が侵攻してくるが、アランがあるカザフスタンは既に日本が支配しているから侵攻は無く、平和が続いている。
それももう終わりだ。
一方ローマ帝国はまだまだ全盛期だな。
エルサレムで暴動があったが鎮圧され、エルサレムが陥落。
ユダヤ人の流浪生活が始まった。
ここからユダヤ人は悲惨だよな。
後から生まれたキリスト教がヨーロッパを支配し、キリスト教によって迫害されて卑しい仕事とされた金貸しをやらざるを得なくなる。
まぁそれで成功して世界を牛耳るようになるから結果オーライか?
皇帝がハドリアヌスからアントニヌスに変わったが基本は前帝と変わらず、国内発展に力を注いでいる。
何せ称号が『慈悲深き』アントニヌスだからな。
軍とは距離を起き、歴史や文化に重きを置いて学者の報酬額を引き上げたらしい。
まぁその行動は正しい。
正直ローマ帝国はもう限界まで大きくなった。
これ以上は無理だから内政に力を注がないと限界が来る。
ローマ5賢帝も残るは次のアウレリウスで最後だな。
まぁそれまでにかなりローマ帝国は変わっているだろうが。
永久租借した(租借料は毎年支払っている)コートジボワール寄りの広大な土地に日本軍基地を建設し、処理場も出来たんだから早速活用する。
ブルキナファソに放射性廃棄物の最終処分場を建設する。
500m以上の地下処理施設で、主に使用済み核燃料棒を保管する。
燃料棒の放射性物質が無害化するには約10万年以上必要とするから、頑丈で自己完結型の大規模な処理場を作る。
分厚いコンクリートや鉛を使って放射線が逃げないようにし、様々な言語で入らないよう警告する。
言葉が分からない時のために脅威があると連想できるマークや絵、建造物を作る。
まぁ、処理場は満杯になったら大量のコンクリートで入口を完全に埋め、土を被せて木を植えたりして施設が出来る前の環境に戻すから気付きもしないだろう。
それに10万年も保たなくて良い、最悪俺の寿命まで保てば十分だ。
俺が死んだ後は知るかよ。
一応ちゃんとした施設を作ったんだ。
後はその時代の人間の責任だ。
ちなみにブルキナファソを近代化させずに産業革命以前のレベルでストップさせた理由は、日本領内に侵入させないためだ。
近代化が進めば自動車や飛行機が一般的になり、領空や領土侵犯など不法入国をしやすくなる。
不法入国が横行すれば治安は悪化し、現代のアメリカ同様かなりの面倒になるだろう。
それに何より、近代化させて強大化させればかなりの脅威になる。
ヨーロッパみたいに明らかに勝てる相手が敵なら良いが、日本同様に発展させると例え勝ったとしてもとんでもない被害が出る。
だったら属国なんて作らなければ良いが、放射性廃棄物や有毒廃棄物の処分場がどうしても必要だった。
日本では既に放射性廃棄物や有毒廃棄物の恐ろしさが知れ渡っているから処分場に困る。
幾ら絶対君主制で命令出来るとは言え、それは国民の支持あってのモノ。
現代の日本の内閣支持率みたいに低ければ誰も従ってくれない。
無理矢理命令すれば出来なくは無いが、それをすれば反乱の温床になる。
だから外国に押しつけるしかなかった。
だからと言ってヨーロッパみたいに仮想敵国に押しつけるにしても、色々設備を整えるためには投資をしなくてはいけない。
それでは利敵行為になるし、万が一放射性廃棄物を利用して「汚い爆弾」でも作られたら最悪。
だから日本の命令に絶対服従の属国が必要になった。
属国なら土地を永久租借して基地を建設しても問題無いし、ある程度の投資も出来る。
しかし、あまりにも発展させると独立運動が起きるから国防や経済、食料など様々な分野を宗主国に依存させて独立を防ぐ。
もし、万が一にもブルキナファソが独立したとしてもどうしようも無い。
周囲は全て日本領だから逃げ道は無いし、内陸国だから海も使えない。
唯一利用可能な空も日本の領空に囲まれている。
オマケにこの世界では領空の国際的な定義は無いから日本の領空法により、例え大気圏より高く飛んだとしても領空侵犯とみなされ、無警告で撃墜される。
つまりブルキナファソは陸でも海でも空でも、他国と交流を持つことが出来ない。
だから独立しても内需でやっていくしかない。
日本みたいに広大な領土と人口を持つなら内需でもやっていけるが、ブルキナファソみたいにそれほど大きくなくて人口も少なく、ほとんどを日本に依存していた国が独立してもどうしようも無い。
初めから日本に支配されてなかったのなら、もしかしたらやっていけたかも知れない(様々な物をかなり制限されるが)。
しかし原状では、ブルキナファソは自国には無い食料や資源、生活必需品など様々な物を日本から輸入している。
輸入元を絶たれれば入手は不可能。
ある程度の贅沢を知った人間が、独立という誇りのためにそれらを捨てられる訳が無い。
それでも独立を貫けば、自然に国は崩壊するか弱体化し、結局は日本に併合される。
だからブルキナファソの独立はあり得ない。
仮に、同じく資源が無くても沿岸国のベナンを有していたなら、かなり大回りになるが日本領海を迂回して大西洋を越え、ヨーロッパと貿易をして発展させる事も可能だった。
もしくはヨーロッパに軍を派遣して、ヨーロッパを支配する事すら可能だったかも知れない。
しかしそんな事は許さないので、資源が無くてもベナンを領有化し、資源があるトーゴ、ガーナ、コートジボワールと合併させた。
ブルキナファソに逃げ道は無い。
だからもし、ブルキナファソが独力で近代化に成功して自動車や飛行機を開発したとしても、国内しか移動出来ない。
飛行機も日本の領空に入れば撃墜されるので、国内線が限界。
なら旅客機も精々レシプロの双発機で十分。
ジェット機は必要無い。
車にしても、大した距離を走行する必要は無いから性能は上がりにくい。
移動には馬車か鉄道で十分だからな。
このように様々な制限が課せられるから、ブルキナファソは自国に合わせて発展していくしかない。
ちなみにブルキナファソの日本軍基地内には何でもある。
コンビニからレストラン、スーパー、ショッピングモール、床屋、神社、カジノ(レートは低め)、居酒屋、風俗店など何でもある。
これは兵士であろうがブルキナファソ領内に勝手に入国は出来ないからだ。
下手にブルキナファソの街に行かせれば間違いなく犯罪を犯して面倒になる。
それに万が一にも技術を流出させる可能性もある。
だから日本軍兵士は決して基地から出てはいけない。
もし無断で出れば原則死刑だ。
まぁ基地周辺の土地は日本が買い上げて更地にしたから、例え逃げても行く所は無いから直ぐに見つかる。
最悪逃げ込んだ村なり街を殲滅すれば良い。
幾らでも隠蔽は出来るし、情報が漏れても良い。
そうすれば日本軍兵士を絶対に村や街には入れない。
入れれば自分達は皆殺しにされかねないからな。
ブルキナファソには金以外、ロクな資源が無いと記述したが、その後の調査で間違いと発覚。
金以外にもマンガン、石灰石、ボーキサイト、銅、ウランなど様々な地下資源が埋蔵している。
特にマンガンの埋蔵量は金を上回るかなりの量だと分かった。
何故間違えたのかと言うと、前回の世界ではブルキナファソは日本ではなくフランスが統治し、その後独立させた。
独立時、金しか資源が無く、予算削減のためロクに調査しなかった。
しかしこの世界で念のために調査をした結果、様々な資源があると発覚した。
まだブルキナファソ人はその有用性に気付いてない。
だから今の内に全てを掘り尽くし、後々気付いても無意味にさなくてはいけない。
こんなに有用な資源が沢山あったらわざわざ属国にした意味が無い。
資源が無いと思ったからゴミ捨て場にしたんだからな。
日本軍基地内に埋蔵されているなら採掘は簡単だが、それ以外の地域にあるなら難しい。
採掘するには重機やそれなりの施設が必要になる。
近代化を遅らせるために色々やって来たんだ。
今更それを崩したくない。
仕方ないので資源が埋蔵されている地域一帯を新たに租借した(毎年租借料を支払う)。
基地と違って永久ではなく、資源が無くなり次第返還する。
そしてその地に住んでいた邪魔な住人を全員、強制移住させた。
勿論強制移住させたんだから代わりの土地を用意し、役所を建設して行政機能や、上下水道や道路整備、ガス灯設置などインフラも充実させて住宅地を建設した。
更にブルキナファソの総合商社の店舗を出店させ、商業や工業を活発化させて新たな都市を築いた。
望まぬ移住をさせたとして、住人全員にそれなりの額の賠償金も支払った。
少なくとも1年は遊んで暮らせるぐらいの額を支払ったんだから文句は少なかった。
何せ以前は地方の田舎であまり国の恩恵を受けられなかったというのに、今では首都にも負けない程の都市に住み、大きな家や莫大な賠償金も手に入れた。
更には「移住したばかりでは生計を立てるのが難しいだろう」と消費税以外は1年間無税で良い。とされた。
これでは文句を言う方が難しい。
問題なく移住して貰ったから租借地で採掘を始める。
手早く済ませるために最新機材をふんだんに使い、採掘しまくる。
資源運搬用の超大型トラックやショベルカー、その他も大型機材を用いて24時間採掘を行う。
このままいけば10年以内には資源を掘り尽くせるだろう。
ちなみに金は採掘しない。
流石に全部の資源が無くなるのはキツイだろうし、金は他にも沢山あるからそんなには必要無い。
あんまりにも取ると値崩れするしな。




