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日本帝国記  作者: 浦波
40/55

39 カースト潰し

 西暦30年(皇紀630年)



 アーンドラ朝、カリンガ、マガダ、クシャナ朝、大月氏を滅ぼし、現代で言うインド、パキスタン、アフガニスタン、ネパール、ブータン、バングラデシュ、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギス、ウズベキスタンを領有化した訳だ。


スゲェ数の国を滅ぼしたな。

でも戦闘シーンは無い。

何故なら何処もやった事は同じ。

別に宣戦布告する意味は無いからいきなり侵攻し、迎撃するために来た敵軍を爆撃機やガンシップで蹂躙し、残った敵を戦車や榴弾砲、機関銃で掃討して残ったのは自動小銃で殺すだけ。

次々街を占領し、最後に首都を落としてお仕舞い。

全部これで終わりだ。

たまに首都に防御陣地を築いて徹底抗戦を唱える国もあったが、爆撃機やガンシップが攻撃を加えれば終わる。

それを見れば誰だって降伏する。

時間をかけて築いた陣地や絶対の自信がある軍を持とうが、近代戦の前には無力だ。




 でも結構ちゃんとした国家体制を敷いていた国がほとんどだったから占領は楽だった。

アメリカ大陸みたいに国としての体制を整えてないと1から全部やらないといけないから苦労するが、ここら辺は早くから文明が発達し、国を形成してたからそれを流用出来た。

文明自体は古くて使えないが、ちゃんと村や街を形成してるから統治はやり易い。

やっぱその国の言語があるとやり易い。

無い地域だと先ずはそれから教えないといけないから。




 念願のインドや周辺を手に入れたんだから先ずは支配体制を整えなくては。

政庁や役所の建設、インフラ整備、洗脳教育、産業開発などだ。

三等国民に認定してから3年間の洗脳教育だ。

洗脳教育の他にも日本語と読み書きを覚えて貰わなくてはならない。

まぁいくら元々国の言語を有していても、読み書きが出来るのは上流階級のみ。

庶民は自分の名前さえ書けないだろう。

だからそういう今まで教育なんか受けたことの無い奴等を無料で学校に入れる。

そうすりゃあ、日本を見る目が変わるだろう。

今までは敵国でしかなかったが、他国の文字とは言え、読み書きを教えてくれ、更には簡単な算数すら学ばしてくれる。

教育なんて受けたことの無い庶民にはえらく新鮮だろう。


更には北郷商会の店舗が進出し、膨大な雇用をもたらす。

働いて金を得るのが難しい時代だ。

無職の奴等も多かった筈だ。

しかし日本になってからは簡単に職が見つかり、給料が得られる。

それまでも給料は得られたが、高い税によってほとんどを取られていた。

しかし日本はほとんど取らなかった。

三等国民は消費税以外はほとんど税金を取られない。

何故なら三等国民は給料が安いから税金を取られるとほとんど残らない。

それでは生活苦から犯罪を犯すのでほとんど免税だ。

二等国民になったら一等国民の大体半分程度を納めなくてはいけないけど。

その手に入れた給料で様々な物が買える。

肉、野菜、魚、果物、本、装飾品などなど今まで買うことなど不可能だった物が気軽に買えるようになった。

更に街並みも変わり、道路はアスファルトで整備されて歩きやすくなり、建物は鉄筋コンクリートで建てたビルや商店が並ぶ。

ちなみに家が無い者はマンションに住まわせる。

家賃は無料だが、10年以内に出ていかなくてはいけない。



このように幾ら元々の国に文明があったとしても、これだけ環境が良くなれば支配した国に忠誠を誓うようになる。

この時代の生活水準はヒデェからな。

例え国王でも現代日本以下の水準が多い。

だからこの世界の日本水準とは言わないが、前の国なら貴族並みの生活を味あわせてやる。

そうすりゃ元の国に戻りたいとは思わない。




 予想通りまだヒンドゥー教は無かったのでヒンドゥー教の成立を阻止する。

ヒンドゥー教は現代においても制約が厳しく、色々不都合が起きている。

だからその前に北郷教を広めてヒンドゥー教を潰す。

戒律が厳しく、現実には助けてくれない宗教より、戒律が緩く、現実に助けてくれる宗教を選ぶのは当たり前だ。

誰だって実際に助けてくれる神にすがりたい。

それが自由度が高いなら尚更だ。

北郷教は何食ったって良いし、礼拝や祈りも義務ではない。

その代わりに戒律を破ったら酷いがな。

賄賂や麻薬、反乱などを働いたら本人だけではなく家族や親戚まで死刑だ。

まぁこれは戒律ではなく法律だがな。




 これでパルチア王国(イラン)と接する事になったが、今までのようにしばらくは不干渉だ。

こちらから攻める事は無い。

だから今のうちに国境線を決定し、その線上に2重の鉄条網や地雷を埋めて国境を明確にする。

等間隔で監視塔やレーダー施設を建て、24時間警備する。

付近の高台や人工的に土を盛ってそこに防御陣地を形成する。

パルチア王国はローマ帝国との領土争いに忙しいからこっちに構う余裕はあんまり無いと思うが、この時代のペルシアは領土拡大にご執心だから常に警戒する。

何回か戦えばこちらの戦力も分かるだろう。

ちなみに話し合いには応じない。

別に公益する気は無い。

得られる物があるのか分からないし。

それに何れは滅ぼすのだから。




 次に攻めるのはアラビア半島(サウジアラビア)だ。

まだイスラム教は成立してないから今から潰しとく。

イスラム教も、ていうか1神教は邪魔だ。

自分達が信じる以外に神はいないという思想が邪魔でしかない。

共存出来ない宗教なら成立する前に潰す。

出来るならパルチア王国を潰しとけば楽に行けるが、そうすると前も言ったがローマ帝国とやり合う事になる。

ホルムズぐらいまでを手に入れればやり易くなるが、そうするとパルチア王国の国力が大激減してローマ帝国に負けてしまう。

だから出来るだけパルチア王国の国力を削がずに行くには船でオマーン辺りに上陸するしかない。

そっからイエメンを経由してメッカを占領すればイスラム教は出来なくなる。

念のためにメッカ辺りで進軍を止めてアフリカ大陸に侵攻すればローマ帝国ともやりあわずに済む。




 ハイブリッドカーが流行してきた。

しかしこれは現代のようなエコとは違い、単純に燃費が良いからだ。

何せまだ日本以外では産業革命が起きてないから大気中のCO2の濃度も低い。

それに日本は早期に環境という概念を持ち、環境を考えた基準を多々設けた。

そのせいで現代ではオゾン層がほとんど無い南極にもオゾン層がある。

CO2の排気を極力少なくする技術もあるし、出した分だけ植林して森を増やし、間伐など森の管理もしているから光合成の量も増えている。

そのせいで未だに温暖化も起きてないから二酸化炭素がもたらす環境問題というのはあんまり無い。

あるのは工場が出す有害な汚染水や不法投棄の方が問題になっている。



環境関係にも惜しみなく金を使えば簡単だ。

史実では環境という概念が芽生えるのが遅かったからかなり悪化し、分かった後でも目に見えにくい環境問題に投資するのを怠ったから(特に世界第1位と2位が)問題が起きた。

まぁ環境と名付ければ売上が上がるからあんまり真剣になれないんだろうな。




 インドを支配し、ようやく欲しい物が手に入った。

様々なスパイスだ。

これを調合してカレー粉が完成した。

今までも本土や海外県で手に入るスパイスでカレー粉を調合していたが、やはり現代のような日本式のカレー粉は出来なかった。

似たような感じにはなるのだが、何かが違っていた。

まぁそれがこの世界のカレーとして普及したからそれが当たり前なのだが、俺的にはやはり違和感が拭えない。

だからインドのスパイスを使い、新たにカレー粉を開発、発売した。

今はまだ数あるカレーの1つしかないが、何れは大ヒットするかもしれない。


別にヒットしなくても良いけどね。

あくまでも俺が食いたかっただけだからどうでも良い。




 キリスト教が成立した。

しかし成立後間もなく、ユダヤ教によってゴルゴダの丘にて処刑され、遺体をゴルゴダの丘に埋めたが、イエスは墓穴から出てきた。

ちなみにその映像を衛星越しだがリアルタイムで見てた。

確かに復活したように見えるけど、ただ単に死んで無かっただけじゃね?

現実でも処刑した筈の兵士が実は仮死状態になっただけで、遺体を浅く埋めた事で後で復活して出てきた例は幾らでもある。

まぁ俺(コピー能力)がいるんだから本当に何らかの奇跡が起きたのかも知れないが、この説の方が信憑性が高い。


生前のイエスの顔も衛星からの超々望遠だったが、写真に撮った。

まぁ別に撮ったからどうした訳でも無いがな。

この時代のイエスはまだ新興宗教の開祖に過ぎない。

圧倒的にユダヤ教が有利だから簡単に潰されたし。

精々が資料として残す程度の価値しかない。

千年後ならキリスト教がありがたがるだろうが。




 世界の文明が育つ前に日本が侵攻したせいで、その国で本来作られる筈だった重要文化財等が全く無い。

これでは観光スポットが無いし、アメリカみたいに文化が無い国と思われるので、日本が作る事にした。


先ずは日本の寺院だ。

流石に国が仏教の施設を建設するのは不味いから、神社の新しいバージョンとして寺を建てた。

と言っても現代みたいに彼方こちらに建てたのではなく、金閣寺や銀閣寺、清水寺など観光名所になる寺院だ。

今まで見たことのない建物として、狙い通り観光スポットになった。

しかし流石に大仏は作らなかった。

あまりに仏教色が強すぎるしな。

それにタイやミャンマー、カンボジアなど仏教が身近な国にも寺院はほとんど建ててない。

仏教の力が北郷教の力を越えられても困るからな。



文化遺産の他にも、自然遺産もちゃんと残している。

日本領内は開発しまくり、特に本土は現代より山を削り、居住地や工業地帯に変えたりしたから自然は減っているが、残す所は残している。

日本の自然遺産である知床や屋久島、アメリカのイエローストーンやグランド・キャニオン、中国の九寨溝や黄龍などなど自然遺産は残している。

ユネスコみたいな組織を立ち上げてちゃんと保護している。


中華思想の根絶のために中国の文化遺産は無いがな。

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