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日本帝国記  作者: 浦波
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3 降臨

 3日間山をかけずり回り、ようやく村らしい集落を発見。

家や周りにいる人間の数から、大体50人ぐらいの規模の村と判明。

50人というのはかなり少なく思えるが、この時代で考えればかなり大規模な村だ。

いや、国とさえ言えるかも知れない。


ちなみに現在俺は隠れ中。

何故隠れているかと言えば、今は昼なので男達は狩に出かけている。

だから今登場しても見てくれるのは女や子供だ。

狩に戻ってきた男達にまた演説するのも面倒なので男達が帰ってくるのを待つ。

それまでは演説を考えたりパフォーマンスの練習だ。




 俺の現在の容姿は川で見た限り30代後半。

現代ならまだ指導者としては若いが、この世界なら十分老人だ。

何せこんな時代では30を越せば立派な老人。

段々体力が衰えていく体では生き残れない。

だから容姿は問題無いだろう。

次に格好だが、ジーパンにコート、シャツという現代ルック。

色はジーパンは青、コートは黒という目立た無さ。

まぁ未知の服を来ているから良いか。

それと身長は175cmぐらい。

この時代の成人男性の平均は159cm。

そこそこ長身に見えるだろう。

ちなみに江戸時代の人間は150cmぐらいだったらしい。


よし、格好はこれで良いとして、次はパフォーマンスだ。

まぁこれもコピー能力を使えば妖術にしか見えない。

実際は自分でさえ何か分からないけど。

もし襲いかかってきても矢を飛ばせば良い。

それで更に信憑性が高まるだろうし。


最後は演説だが、やはりここは神路線でいくか?

この時代も日本は多神教だから俺みたいな神がいても不思議は無い。

能力を考えれば豊穣の神かな?

いや、様々な知識も与えるから知識と豊穣の神か?

縄文人に豊穣なんて伝わるか分からないが、とりあえず肩書きはこれで良い。

後は演説で分かりやすく言ってやれば良い。

何せ無限に食料が出せるんだ。

これだけでも縄文人にとっては正に救世主だ。

それにこの時代ならあんまり駆け引きとかは無いだろうから純朴な奴が多いだろう。





 火が暮れ、男達が収穫を持って村に戻って来た。

そして晩飯なのか火を焚き、肉を焼いたりしている。

そろそろ良いかな? と思い、姿を表す。

と言っても辺りが暗いので目立たないので村に近付いていく。

徐々に近付き、遂に村人達が俺に気付いた。

大柄で見たことの無い服を来ている俺を見て村人達は不安そうにしている。

すると警戒したのか、数人の男達が槍や弓を持って構えている。

一触即発の状態だが、ここで村人の中の一人が話しかけて来た。

「……お前、何だ?」

周りに比べで年輩だから多分コイツが長老かな?

にしても本当に言葉が通じて良かった。

もし言葉が通じなかったらかなり難しいからな。


「私は知識と豊穣の神、北郷一寛だ。

この地に舞い降りた。

私を崇め、奉るのだ。

さすれば貴様等から飢えを無くし、様々な知識を与えてやろう」

俺の言葉に男は「???」と首を傾げる。

他の村人も同様だ。

どうやら意味が良く分かってないらしい。

「つまり私を神と崇めればお前等に色々あげるという意味だ」

解説してやると男は意味が分かったのか頷いた。

「色々とは何をだ?」

そう聞かれたので俺は男の目の前に木の実や野草等をコピーで山盛りで出してやった。

「なっ!!!!?」

突如現れた食料に男は仰天する。

それを見ていた村人達も驚く。

「分かったか?

私を崇めれば食べ物を与えてやる。

木の実等の他にも」

そう言って俺は地面を指差し、指差した所にイノシシの肉をコピーする。

これまた山盛りで。

「このように肉もだ」

またまた何も無い所に大量の肉が出現した事で驚く村人達。

警戒や不安そうに見てた村人達の目が変わった。

あと一押しだな。

「どうだ!! この様々な奇跡!!

私を崇め、私に仕えるのだ!!

さすればもう食べ物で困る事は無くしてやる!!

私に従え!!!」

そう叫ぶと村人達は一斉に跪き、両手を合わせた。

「お~~神よ!」とか「北郷様」等を言わせ、信じさせる事に成功した。

にしてもこの時代でも神に捧げるのは合掌なんだな。




 よし、村人達は完全に俺を神だと思ってる。

そのおかげで一番デカイ長老の家を与えられた。

ちなみに長老はやっぱりあの男だった。

俺が神だと分かった後はひたすら頭を下げて非礼を詫び、家に招待して「ここをお使い下さい」と言われた。

俺としても好都合なので「うむ、貴様の忠誠心確かに受け取った」と偉そうに言う。

その後は宴として村人達が取ってきた肉や魚、木の実などを振る舞われた。

俺が出した肉や木の実などは「どうすれば良いでしょうか?」と聞かれたので「お前等で分け合うのだ」と言った。

それを聞いた村人は「ありがとうございます。 ありがとうございます」

と何度も頭を下げた。

俺の寛大な態度を見て村人達もまた頭を下げ、何度も礼を言う。


全員に食事が行き渡り、宴が始まる。

長老から縄文土器に入った酒を振る舞われた。

飲んでみたら酸っぱく、アルコール度数も低い。

どうやら果実酒らしい。

その後はよく分からない踊りを見せられ、宴は終わった。




 俺の家となった家に帰った。

ちなみに家は半地下式の竪穴式住居だ。

と言ってもあんまり深くは掘られてなく、ほとんど平屋建て。

屋根は茅葺きで、煙を逃がすための穴が空いている。

地面には熊の毛皮が何枚か敷かれ、これが布団のようだ。

この世界に来て初めて横になっての就寝だ。

長老からは「女を使わせましょうか?」と聞かれたが、「いらん」と断った。

今日はゆっくり寝たいからな。

何せ今までは外敵を気にしながら寝てたからロクに熟睡出来なかった。

ようやくちゃんと眠れる。



さてと、明日からいよいよ国家運営が始まる。

まだたかだか50人程度の村でしかないが、ここを足掛かりに前以上の大帝国を築き上げてやる。

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