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日本帝国記  作者: 浦波
28/55

27 宗教戦争

 日本の特使が秦帝国から帰還した翌日、日本帝国に激震が走った。


秦帝国との外交交渉は失敗。

それどころか秦帝国は日本帝国と皇帝陛下を侮辱して追い返した。

このニュースは朝からトップニュースで報道され、1日中その事を報道していた。

日本側が秦帝国を尊重し、軍隊を派遣せずに特使と少数の護衛のみで渡航した。

更に様々な献上品や皇帝陛下直筆の親書を持ち、対等な外交関係を望んだというのに、秦帝国は日本を田舎者の国と侮辱し、更には皇帝陛下までもを愚弄した。

これを知った日本国民は秦帝国への徹底的な制裁を訴える。



もし帝国をバカにされただけなら日本国民は怒りはするが、徹底的な制裁までは求めなかっただろう。

しかし秦帝国は帝国のみならず、皇帝陛下を侮辱した。

これは引いては初代皇帝である神、北郷一寛までもを侮辱したのだ。

国内の人口の9割以上は北郷教の信者だ。

自分達にとって絶対的な神を侮辱されたのだ。

彼らの怒りは計り知れない。

信者達の中から「秦帝国の人間を絶滅させるべきだ!!」という声が上がる程に。

今の北郷教信者にって、秦帝国はキリスト教にとってのユダやユダヤ人に等しい。




 国民の怒りが頂点に達したのを見計らい、今上皇帝(9代目)はテレビで国民に向けて発表した。

「親愛なる帝国臣民よ。

皆も知っての通り、我が国と秦帝国との外交交渉は失敗に終わった。

武力を使わず、話し合いでの交渉は秦帝国に通じなかったようだ。

それだけならまだしも、秦帝国は日本帝国を愚弄し、更には畏れ多くも偉大なる初代北郷帝までもを侮辱した!!

このような暴挙、許すべきか?

否!! 断じて否!!!

許されることでは無い!!

こちらが何か先に無礼を働いたのならまだ分からぬでもないが、今回は一方的にあちらが日本帝国を田舎者の国と愚弄し、更には偉大なる初代北郷帝を貶めた!!

このような暴挙、決して許して良いモノでは無い!!

したがって、我が日本帝国は秦帝国に宣戦布告する!!!

これはただの戦争ではない!!!

奴ら中華思想と我ら北郷教との宗教戦争だ!!!」


今上皇帝の宣戦布告に日本中が沸いた。

政教分離に触れるのでは無いか? との意見もあったが、宗教が政治に口出ししてはいけないが、「政治が宗教を利用してはいけない」という法律は無い。

だから今回の事は何ら法には触れないとして正当化した。

まぁ例え法に触れたとしても宣戦布告はされただろう。

それだけ日本中が開戦一色だったのだ。

日本人は普段は穏やかだが、一度ブチギレると止まらない。

最早戦争を止める事など誰にも不可能だった。

初代北郷帝が再び降臨して命令を出さない限りは。



 翌日、日本軍は秦帝国への侵攻を開始。

満州や朝鮮から秦帝国領内に進軍し、現在で言う遼寧省、河北省に侵攻。

台湾からは艦艇が出航し、福建省に上陸、南越(華南)への侵攻を開始。

更には海岸近くの軍事施設のみならず、民間施設にも戦艦の砲弾が降り注いだ。

戦艦の中には大和級戦艦もおり、46cm砲弾で巨大なクレーターを量産する。

大和級の他にも紀伊級や加賀級などの戦艦もおり、大和級よりかは小さいが、クレーターを量産する。

榴弾どころか、大砲すら知らない秦民族は何が何だか理解が出来ない。

しかし日本軍はそんなことは知らないとばかりに軍人や民間人を殺していく。


艦砲射撃が終わったら次は上陸用舟艇や強襲揚陸艦が陸揚げし、戦車や榴弾砲、ロケット砲、兵員輸送車などを吐き出す。

上空にはヘリの援護がつき、集結しつつある秦帝国の軍隊に向かってミサイルやロケット攻撃、機銃掃射をする。

それに恐れをなして秦国兵は逃げ出すが、逃げたとしてもヘリが追い、皆殺しにする。



たまに骨のある司令官が兵士を集め、防衛体制を整えるが、そこにはガンシップが訪れ、ゆっくりと掃射する。

20mm機銃に当たった秦国兵は一瞬にしてミンチになり、人形では無くなった。

逃げようとしても日本軍が包囲網を敷いてあり、掃射の雨を逃れてもまた別の雨を浴びる事になった。



瞬く間に大陸最強を誇った秦帝国は蹂躙され、華南、北平、華北などを占領され、帝都咸陽にまで追い込まれた。

チベット方面に逃げようとしても、既に日本軍は退路を絶ち、逃げ道は無い。




始皇帝サイド


 何なのだこれは!?

ほんの数日前に日本帝国からの特使を追い返したと思ったら、直ぐに奴等は軍勢を引き連れ攻め込んで来た。

確かに挑発めいた事を言ったが、これほど早く来るとは。

初めは特使を派遣するのに小型の船を使う異民族の軍だからそこまで強くはないだろうとタカをくくっていたが、直ぐにそれは間違いと気付かされた。



先ず敵が来たのは北だった。

北から来たということは匈奴か東胡の連中か? と思ったが、全然違った。

奴等は騎馬民族だから通常は騎馬で攻めてくるが、実際に来たのは鉄で出来た馬? と鉄で出来た鳥? だったらしい。

始めそんな報告が来たからふざけているのかと思ってたら瞬く間に華北が占領された。

そして更に、今度は華南の方に巨大な船が上陸して、龍の炎のような攻撃を受けて華南の軍は壊滅。

奴等は華南を占領し、徐々にこちらに進軍してきた。

途中、長沙や南郡などが日本軍の侵攻を阻もうと挑んだが、鉄の鳥が物凄い量の火を吐き、全滅したらしい。



これは勝てないと悟ったので一先ず大陸から逃げようとしたが、奴等は先回りして逃げ道を塞いでいた。

最早逃げる事も出来ない。

そして今は帝都咸陽に立てこもり、最終防衛体制を整えている。

かつて100万以上いた兵士達は、今では1万以下。

帝都咸陽以外は全て日本軍に占領された。

最早終わりだろう……。

降伏をした所で助けてくれるとは思えん。

何故なら武器を捨てて降伏した兵士も構わず殺されたらしいからだ。


出来る事ならあの特使との交渉をした日に戻りたい。

あの時に奴等を侮辱せずに、対等な関係を結べていればこのような事態に陥る事も無かっただろう。

あの時はこの秦帝国こそが最強と疑っていなかったからな。


1番の世間知らずは私だったんだな。




 この直ぐ後、日本軍の最終攻撃が始まり、帝都咸陽は陥落。

始皇帝はミサイル攻撃により死亡。

こうして秦帝国は僅か建国8年という短い時間で終わり、同時に中華思想も終わりを迎えた。

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