17 南方進出
紀元前360年(皇紀240年)
小笠原諸島、マリアナ諸島、グアム、パラオ諸島など南方への展開を始めた。
北に行くにはまだ技術レベルが足りないから南方への進出を開始。
戦国時代では既に南方はヨーロッパ勢のものになってたから北方しか行けなかったが、この時代なら何処へでも行ける。
次はフィリピンに進出する予定だ。
南の暖かい国だから食料生産地に最適だ。
南国の果物も食べたいしな。
出来るなら台湾も領有したいが、台湾は大陸に近すぎるから面倒が起きる可能性がある。
今はまだ大陸と戦うつもりは無いから後回しだ。
とりあえず今は新たに手に入れた領地のインフラ整備や現地住民の教育。
3年の日本語の読み書きや計算、洗脳教育を施す。
文明などかけらも無いだろうから簡単に日本に染まるだろう。
ちなみにこの世界でも日本は奴隷を認めていない。
北郷教でも
「例え肌の色や習慣が違えど、同じ人間を奴隷にすることは許されない」
と明記している。
蒸気機関が実用化された事で蒸気機関を搭載した船も完成した。
ガレオン船から一気に戦列艦を飛び越えたな。
大砲もライフリングを削り、砲弾も現代のような形にした。
まだ砲塔は完成してないからサイドにしか着けてないが、攻撃力は抜群だ。
こんなところでは海賊すら出ないから使うことは無い。
専ら訓練だけだ。
ちなみに船は外輪を付けた初期型ではなく、スクリューを装備した現代式だ。
まだ機関出力が弱いから帆も使っているが、順調な発展だ。
何せまだ紀元前4世紀だ。
他の国ではガレー船かマストが固定された帆船だ。
あり得ない差だな。
ミニエー銃が完成した。
銃も後装式になったし、紙薬莢とミニエー弾も完成したから装填速度、飛距離、精度全てが上がった。
今は次なるステージのボルトアクションライフルを開発している。
それと金属薬莢。
これが出来れば機関銃も完成する。
機関銃さえあれば人数差を覆す事が出来る。
それに野砲もだ。
野砲、機関銃が出来ればあの膨大な数がいる大陸へ進出出来る。
前記したが大陸の総兵力は既に100万を越えている。
いや、今ならもう200万を突破したかも。
ちなみに今の日本の総人口は約80万人。
未だに人口の数を兵士数が上回っている。
今の戦力だけで攻め込むと負ける可能性が高い。
だから今はまだ攻めない。
いつかあの中華思想を信奉する奴等を地に落としてやる。
主兵装が銃に変わってきたんだから兵士の格好も変える。
今までのクソ重い鎧を脱ぎ、軍服に変える。
ミニエー銃には銃剣を挿し、手榴弾を持つ。
防具はヘルメットぐらいだ。
まだ防弾ベストは出来てないから鉄板を入れたクソ重い防弾アーマーだけ。
この時代でも弓矢はあるから微妙に怖いが、機動力が失われるから標準装備にはしてない。
流通を活発にさせるために線路を全国に展開させる。
前の世界ではバレないように都市部には線路は引かなかったが、この世界では遠慮する必要は無いからじゃんじゃん引く。
むしろ首都には引きまくる。
馬車が使えないから鉄道を使うしかないからな。
将来自動車社会が来るから今の内にメインストリートを広くし、交通法規も決める。
メインストリートの他にも道幅を広くして2車線は取る。
川にも橋をかけて渡りやすくする。
今までは渡し船とかで渡ってたから不便だった。
現代ではどんな小さい川にも橋がかかっているが、あれは本当に便利だ。
今までは資源の問題で鉄銭を使っていたが、金銀銅の鉱山を採掘出来るようになったので日銀を創設して外国にも分かりやすい価値のある金貨、銀貨、銅貨を発行した。
価値は銅貨10枚で銀貨1枚。
銀貨10枚で金貨1枚だ。
ちなみに他にも半分だけの半銅、半銀硬貨がある。
それぞれ含有率は決められていて、ただ枚数だけを考えれば良い。
外国では含有率がバラバラだから両替商がいないと正確な価値が分からないらしい。
長期航海や最前線のための保存食として缶詰めと瓶詰めを開発する。
これさえ出来ればインドへの長期航行も可能になるだろう。
綿花やサトウキビは必ず必要だから何としてでも取りにいかなくては。
じゃないと綿花が大陸に通じるまで待たないといけない。
更に人口を増やすために上下水道をちゃんと整備する。
石やレンガで下水道を築き、排水をちゃんとする。
水道も水道管を鋳造して張り巡らせる。
これで衛生環境は劇的に変わるだろう。
今までは木とかで簡易的にしていたからだ。
何故なら技術レベルが低かったので、ライフラインである上下水道をきちんと築ける技術レベルに上がるまでは変更が楽な木製にしていたのだ。
人口アップのために外科手術も導入する。
先ずは死体を解剖させて解剖学を学ばせ、次は生きた人間で実験だ。
幸運にもこの時代なら医療の発展のためという免罪符で人体実験をしても何とも言われない。
他にも病理学を学ばせさせてワクチンや予防接種を開発する。
これから更に南方に行くからな。
病気にかかって進軍不可能なんて笑えない。
北郷教に対する信仰心を維持するために日本各地に神社を建てた。
見た目は現代と同じで入口には鳥居、賽銭箱と木造建築。
それと、このまま俺だけを祀る1神教になられても困るから俺とは別の神を祀る神社も各地に建てた。
というより明らかにそっちの神社の方を多く建てた。
俺を祀ってる神社は県庁所在地に一ヵ所。
他のは商売や厄除、縁結び、健康など様々な神だ。
これで多神教国家になるだろう。
日本統一したんだから日本各地の温泉を掘り、旅館を建てる。
せっかくそこら中に源泉があるんだ。
それを利用しない手は無い。
それにこの時代ではまだ湯に浸かる風潮が無いから当たり前にさせる。
日本人として臭いのは耐えられん。
ついでに銭湯も日本中に建てよう。
そうすれば身近に風呂を感じ、清潔さを保ってくれるだろう。
俺が女性は最低子供を5人作れ。という命令を出したから人口は順調に増えているが、更に後押しするために子作り支援政策も発表。
3人以上子供を作れば減税され、更に1人産む毎に助成金が出る。
これで法の面からも後押しする。
ちなみに北郷教は現代日本式のような宗教で、年始には神社(別に決まりは無い)に初詣に行き、結婚すれば神社かウエディング(教会ではなく披露宴)、死ねば坊さんでは無いが神主がお経を読んで、遺体は火葬にするという訳分かんない感じだ。
それにしてもこの世界は最初はとんでもなく面倒だが、ある程度地盤が安定すると楽だ。
今までの世界では様々な利権や体質、慣例があってそれを改革するのに苦労したが、この世界では1から全部作るから初めからやりたい放題出来る。
様々な規格や書式、作法、体質なども全部決められるから最初こそ面倒だが、後半からは物凄く楽だ。