１５ 本州制覇
紀元前420年(皇紀180年)
東北地方を平定し、ようやく本州を支配下に置いた。
やっぱり北にいくにつれ人が減り、自然環境が厳しかった。
この時代は温暖化が進む現代と違ってかなり寒冷だからな。
よく縄文人がこの環境下で生きれるなと関心してしまう程だ。
それにこっちに来る程言葉が解りづらかったらしい。
ちなみに俺には全部標準語に聞こえている。
コピーと一緒に与えられた特典様々だな。
まぁ言葉が解らなきゃどうしようも無いから当たり前か。
人口はあんまりいないし、自然環境が厳しいが、文明の発展で現代みたいに立派に住める地域になる筈だ。
とりあえず今は食料生産の体制とインフラ整備だ。
先ず人が住める土地にしなきゃ土台無理だからな。
次はとうとう本土最後の北海道だ。
とんでもなく広いし、そもそも日本人じゃなくてアイヌ人の国だからこれまでより説得は難しいだろうが、何とかなるだろう。
最悪アイヌ人を皆殺しにして本州から植民させれば良いし。
と言ってもそれは最終手段。
とりあえず時間をかけて説得はする。
アイヌ語の通訳の準備も万端だし。
ちょっと変な所はあるかも知れないが、多分何とか通じるだろう。
一応青森辺りに渡って来たアイヌ人らしき奴等もいたから修正出来た。
通じなきゃまた現地で修正すれば良いし。
北海道と一緒に琉球も支配下に置こう。
まだ琉球には国らしい国は無いから大陸との関係も無い。
何気に重要な位置に琉球はあるからな。
ガレオン船を使って上陸作戦だ。
でも何より一番の問題は支配後のアイヌ人や琉球人の日本人化だ。
史実でも出来たんだから多分出来る筈。
同化させるために先ずは現地人を三等国民とし、40年後に二等国民、100年後に一等国民(本土と同じ)に昇格させれば良い。
100年も支配すれば大抵はその国の国民になる。
支配前の世代は生きてないからな。
フリントロック式銃が完成した。
これで攻撃力は飛躍的に上がった。
まだライフリングも削ってないから飛距離や命中精度に難があるが、弓矢とは比較にならない兵器が完成した。
それと大砲も完成した。
弾はまだ球形弾で鉄の弾が飛ぶだけ。
球形弾の他にもぶどう弾、鎖で２個の球形弾が繋がった敵船のマストを折る弾、散弾等を作った。
まぁ必要無い弾もあるが、備えあれば憂い無しだ。
早速ガレオン船にも大砲を積んだ。
まだ３本マストのガレオン船は建造中だが、２本マストの中型船でも琉球を取る事は出来るだろう。
艦隊を組んで複数隻で行けば兵士や物資には困らない。
琉球や北海道を取ったら後はしばらく内政に力を注ごう。
日本を統一出来ればしばらく脅威は無くなる。
後は大陸の統一を待って交易を願い出る。
冊封体制が出来るのは前漢の時代だからそれまでなら対等な貿易は可能では？
……いや、漢民族の中華思想は多分既に完成されているだろう。
だったら冊封なんて考えの無い時代なら臣従要求をしてきそう。
始皇帝ってあんまり人柄は良くなかったらしいし。
だったら前漢が起きるのを待つか？
それなら前例があるから独立を保ったまま交易も出来る。
史実の日本みたいに「朝貢は送ったが対等な貿易関係だ」とか言うか？
それに大陸だって日本に関心は示してなかったから攻められる事も無いだろう。
まぁ特使を送る時は前の世界同様、弱い演技でもしよう。
間もなく紙も作る予定だが紙の書状は使わず、竹簡に書いた親書を持たせよう。
文章は中国語で、それと間違っても親書の中に神だという事は書かない。
何せあっちは天子を称しているからな。
仮にも神なんて書いたら「天子と同等かそれ以上だとでも言いたいのか？」と激怒すること間違い無し。
だから親書には日本帝国皇帝、いや念のために日本国国王と書いとく。
それなら単にその国の王ということだからな。
それに別に冊封国になるつもりは無いから定期的に朝貢はしない。
「遠国で財政が豊かではない」とか理由をつければ良い。
実際日本もあんまり朝貢はしなかったしな。
それについて大陸も別に文句は言ってないし。
……多分存在自体を忘れてたんだろうが。
でもわざわざ前漢が出来る紀元前202年まで待つのも面倒だなぁ。
いちいち200年も待ってられない。
そろそろ日本に無い物が必要になってきている。
待ってたら日本の発展にかなりの遅れが生じる。
しかし今交易しようにも今はまだ東周(周)の時代。
これが西周ならまだ中央の支配が強かったから何とかなるが、今は中央が力を失い、更に間もなく戦国時代にまで堕ちる。
こんな時代に交易なんか申し出ても面倒な事になる。
最悪大陸の戦争に巻き込まれかねない。
残念ながらまだ大陸とやり合って勝利するのは不可能、敗北して引きこもるか最悪属国にされてしまう。
俺が前線に出て矢をコピーしまくれば撃退出来なくは無いが、それでは根本的な解決にならない。
それに極力前線には出たくない。
マジどうしよう……。
