13 本州侵攻
紀元前480年(皇紀120年)
中国地方、四国を制覇。
やっぱり九州を制覇してからは簡単だな。
人口が増え、兵士の数や質が上がったから何とかなる。
1番の問題は自然だ。
馬や牛と行った移動手段が無いから一番早い移動方法は海路になる。
大型船なら一度に大量の兵士や物資を運べる。
しかし船は沿岸部なら何処にでも行けるが、内陸部に物資を運ぶには人力でやるしかない。
馬の代わりに人間が荷物を引く。
これが手間がかかるし、一気に大量には運べない。
このせいで進軍速度がかなり低い。
更に、この時代では道路を整備するという観念が無いから道が悪い悪い。
大部隊が進軍するには森を切り開き、地面を整地してようやく進める。
おかげで兵士達もそれに慣れ、むしろ戦闘より道路工事の方が上手くなる始末だ。
それに進軍先に田んぼや畑と言った農場は無いから俺がわざわざ前線近くに行かないといけない。
そうしないと食料が足りないからな。
九州はもう食料の生産体制は整ったから俺がコピーしなくても良いが、前線はそんな体制は整ってないから俺が支えるしかない。
軍を動員してインフラ体制や食料生産を整えさせているが、やっぱり最初は俺がやらなくてはいけない。
それに現地住民の教育も必要だからその地を使えるようになるまでは10年ぐらいはかかる。
やっぱり何でも初めは大変だな……。
現在は近畿地方に侵攻している。
北上していくにつれ、寒さが厳しくなるから暖かい物を着たいが、てっとり早く暖かくなる羊は日本にいない。
だから代わりに羽毛を使ったダウンを作る。
羊毛ほど暖くはないが、まだマシだろう。
後は藁を使った原始的な暖房衣だ。
原始的だが雪を防げるし、簡単に手に入る。
後は雪上でも移動出来るようにかんじきも開発した。
まぁ雪が降ったら行軍はしないが、日常の移動には必要だ。
良港がある地域を大量に手に入れたので軍港や大規模な港を建設した。
陸路はあんまり使えないから海路を徹底しなくては経済が回らない。
安宅船が完成した。
まだ内海用の軍艦だからあんまり使えないが、大量の兵士や物資は運搬出来るから良しとしよう。
近畿侵攻作戦にも利用出来るだろう。
ある程度大型船の建造、運用ノウハウも手に入ったから遂にガレオン船を建造する。
先ずは2本マストの中型船だ。
まだ大砲は出来てないから攻撃力は無いが、移動力は大幅に上がる。
ガレオン船さえあればある程度の地域には進出出来るからな。
そろそろ武器を発展させる。
今までは古代ローマ帝国みたいな武装や防御だったが、中世ヨーロッパの鎧みたいに全身を防御出来る鎧にし、関節部や重要箇所は鎖で作ったチェーンメイルで防御する。
これなら動きやすいしな。
剣も今までは叩いて切るという原始的だったが、日本刀みたいに引いて切る鋭い刃を持ち、尚且つ折れず曲がらずの刀を作る。
これで殺傷力はかなり高くなる。
そろそろ日本統一に近付いて来たので技術革新を再開する。
先ずは日本統一後に来る銃時代に向けて火薬の開発だ。
黒色火薬ならそんなに作るのは難しく無いから十分作れる。
そして何より必要になるだろう新しいエネルギー、蒸気機関の開発だ。
大量生産やエンジンを作るために必ず必要になる。
流石に蒸気機関の開発は時間がかかるから今から行う。
実用可能な蒸気機関は難しいからな。
それと新たな燃料、石炭の採掘だ。
薪では火力が弱いし、長続きしないから石炭が必要になる。
それに料理の際にも強い火力が得られないからチャーハンとかがパラッと出来ない。
これも地味に困っている事だ。
金、銀、銅などの鉱山採掘も開始。
何時までも鉄銭を使い続けるのもどうかと思うし、外国との交易を始める前に、舐められないために金細工や銀細工の技術を上げる。
今まで服装とかも実用性重視で機能美はあるが、相手が理解してくれないかも知れないので装飾品を作る技術も上げる。
他にも美術刀など実用性を無視して観賞用の武器も作っとく。
大陸の皇帝とか貴族はこういうのがお好きだからな。
それに鉄銭では貨幣自体に価値は無いから偽造も楽だ。
貨幣の偽造は死刑と定めたから防止は出来ているが、バカな奴が必ず作る筈。
金銀銅貨を作って偽造を難しくしなくてはならない。
暦を制定。
現在と同じ12の月と365の日のグレゴリオ暦にした。
曜日や祝日も定め、日曜日はなるべく休日にするよう指示。
流石にまだ週休2日は早い。
土曜日も働いてもらう。
それと現代と同じように元旦や成人の日、春分の日、秋分の日を定めた。
建国記念日や憲法記念日はこの世界に合わせるから日にちは違うが、存在する。
まぁ祝日とは言っても現代同様、社会人には平日と大差は無い。
喜ぶのは子供ぐらいだ。
ちなみに皮肉としてクリスマスは俺の誕生日にして祝日にした。
キリストより480年早く決めたから問題無い。
むしろあっちが真似したと堂々と言える。
現代のクリスマスのようにモミの木を囲み、ケーキの代わりに甘い菓子や、七面鳥の代わりに雉とか鳥肉を食う。
親子や親しい者、恋人同士がプレゼントを贈るという習慣も作った。
サンタはいないけど。