11 建国宣言
紀元前555年(皇紀45年)
ようやく福岡を制覇出来た。
他の村はそんなに数は無かったし、大抵は軍隊を見たら降伏する。
しかし、やはり極たまにだが降伏が嫌で攻撃してきた村もいた。
軍規に虐殺をしてはいけない。と加えたから無抵抗な者達への虐殺は無くなった。
しかし抵抗してくる奴等へは容赦しない。
まぁ大抵は弓矢による遠距離攻撃力で終わった。
弓の一斉射を食らったらアッサリ降伏。
僅か一斉射で降伏とは……。
まぁそんなもんか。
ちなみに進軍速度を早めて一気に九州を制覇するために、降伏した村の成人男性(15歳以上)には10年の軍役を課した。
たかだか福岡を制覇するのに5年もかかったのはやはり軍人の数が足りないからだ。
だからてっとり早く兵士の数を増やすために軍役を課す。
兵学校で1年、兵士としての体作りや軍規、訓練を叩き込んで兵士にする。
女子供は別に軍役や労役は課さず、新たに得た領土に小学校を建設し、義務教育を学ばせる。
少なくとも読み書きや簡単な計算、それと俺に対する忠誠心を植え付けなくてはならない。
それと新たに手に入れた領土に村から植民をさせ、現地民に田んぼや畑の作り方を教え、食料を生産させる。
食料が生産出来るまでは村から食料を援助する。
これならてっとり早く忠誠心も得られるし、領土も管理出来る。
土地だけ得ても管理しなきゃ無意味だからな。
それにいきなり首都たる村に移住させても仕事も無いし、住む所も無い。
だったらこの村を発展させた方が良い。
まだ経済が存在しないから商人は呼べないが、いずれは発展して栄えるようになるだろう。
福岡を制覇し、とりあえずそこそこの領土と国民は確保出来たので遂に国として名乗る。
国名は『日本帝国』
別に名前なんかどうでも良かったが、これがしっくり来るのでこれにした。
国旗は日章旗。
ついでに今までも漠然とはあったが、この期に正式に『北郷教』を立ち上げた。
教祖は勿論俺、教義はプロテスタントに似た自由意思に任せるもの。
本山は特に決めてない。
俺がいる所が本山みたいなもんだからな。
早速教典を作ってみた。
別に変わった点は特に無い。
俺がこの地に降臨してどういう事をしたのかや、盗みをしてはいけない、殺人を犯してはいけない等の戒律だ。
強いて言えば、差別や偏見をしてはいけない。と書いたぐらいか?
これは北郷教を良く見せるためだ。
まぁ差別や偏見は無くならない感情だからどうしようも無いが、とりあえず宗教で禁止にすれば控えるぐらいはするだろう。
後は無理矢理入信させるような勧誘をしてはいけない。あくまでも入信するかは本人が決めること。
それと、理由も無しに他宗教を批判してはいけない。とも書いた。
これは1神教みたいに他宗教を攻撃させないようにするためだ。
後は基本的に自由だ。
肉食おうが酒を飲もうが自由だ。
別に礼拝なんて無い。
やりたきゃやれば良い。
ちなみに教典には時代に合わせて内容を加筆修正する場合もある。と記した。
宗教は基本的に昔の教えを守るものだが、北郷教は時代に合わせて変化もする。
都合の良い宗教にしたかったからな。
宗教上の制限など受けられずに信仰する宗教。
それが『北郷教』だ。
それとは別に日本帝国憲法も制定した。
宗教は宗教。
憲法の方が上に位置する。
と言っても内容はほとんど変わらない。
内容が細かくなり、商売について等様々な内容が足されただけ。
まぁ現代の憲法を参考にしたから基本は日本国憲法と同じだが、やはり人権や平等というのは省いた。
やっぱり人権なんかあると面倒だからな。
ついでにJISのように様々な規格を統合した。
別に今までも全部俺の指示通りに作ってるから規格は同じなんだが、国が大きくなればやがて齟齬が生じるだろうからキッチリ決めておく。
ジャンク船が完成。
50人くらいが乗れるそれなりに大きな船で、十分交易にも使えるだろう。
しかしまだ交易はしない。
まだ全然国は安定してないからな。
船が出来たので海軍を設立。
陸海軍共に国防省に統一し、初めから陸海の壁を無くす。
統合参謀本部を設立し、指揮権を一律化。
兵学校や士官学校においても初めは同じ授業を受け、適正を見て陸海に振り分ける。
外海用の大型船は出来たから今度は内海用の小型船を作る。
戦国時代の小早川船や関船などの軍事用の船を作る。
九州進軍の時も海を使うだろうからな。流石に内陸全てをいきなり支配するのは難しい。
沿岸部を先ず支配し、内陸部はじっくりと支配していけば良い。
さて、次は九州制覇だ。
これが終われば後は楽だ。
九州を支配出来れば人口は1万を超える。
それぐらい増えれば本州を制覇するのは楽。
まぁその前に九州全体のレベルを同じにしなきゃいけないから大変だが。
日本全土を同レベルに引き上げるにも時間がかかるだろうな……。
領土拡大のための戦闘や病気などで死傷者が出ている。
まぁほとんどは病死や事故死だが。
5人以上の子供を母親だけで育てるのは難しいから、残された子供を育てるために孤児院を設立。
洗脳教育や思想教育を徹底させ、国や俺のために働く人材を育成する。
小さな頃から育て上げれば役立つ人材を作れる。