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俺の姫サン。  作者: うきわ
9/10

杏。

アタシ。橋田杏はしだあんず

今、告白真っ最中…。

あ、告ってるのじゃないからね。

「…というわけで、付き合って!」

今アタシの目の前にいるのは矢田智樹やたともき

同じクラスのお調子者だ。

はっきりいってアタシは彼が嫌い。

うるさいし…。

「嫌ですごめんなさい」

お決まりのセリフを吐いて靴箱へ向かおうとする。

「だ…大好きなんだッ!!」

「…え?」

歩みを止めて顔だけ振り返る。

「大好きなんだ!…ずっと!!」

…今までこんな告白は無かったから、正直驚いた。

「これだけじゃ、伝わらないか…?」

う…。そんな目で見られても困るんですけど…。

「な…なんでもするから!!」

「…それって舎弟じゃないの?」

「う…。そうか…。…じゃあ、ずっと愛し続けるから!!」

「ッ!!」

何を言っているんだろう。

「愛?…そんなもの存在しない…!!」

耐え切れなくなったアタシは急いで家に帰った。




アタシの家は、アパート。

お金には困ってないけど、両親がいない。

アタシは両親に、多額の金だけを残されて、捨てられた。

愛だ?

そんなもの、存在しない。

あ…違う。

アタシが愛を知らないだけか。

「悲しい奴…」

鏡に映る自分の顔を殴った。

「ぅ…ッ!!ぁぁああああああッ!!」

―ピンポーン

「は…?誰よ…?」

アタシの家に人が来るわけがない。

「ピンポンダッシュかな…。子供の悪戯か…」

――ピンポンピンポンピンポン!!

だーーーーーーーーーーーーーーッ!!うるさいわね!!

一言怒鳴ってやるんだから!!

ガチャッ!

勢い良く戸を開けると…。

「よッ!!」

「な…んで…」

外に立っていたのはコンビニ袋を提げた矢田智樹。

「いや~、一緒に夜メシ食べようと思って!…コンビニ弁当なんだけどさ…。アナタとコンビに♪ってか?」

「な…ななな…」

「あ、笑えなかった?ゴメンゴメン~」

「じゃなくて…な…?」

「ん?」

「なんで家知ってんのよ!?」

「え?あ~、先生に聞いたんだ。…悪かった?」

「悪すぎよ!!」

「…なにもそこまで言わなくても…」

「で、なんか用?」

「だから、夜メシ…。じゃ、お邪魔しまーす♪」

「え!?あッ!!ちょっと!!」

勝手に入らないでよ!!

「靴くらいそろえなさいよ…」

…迷惑なはずなのにちょっと喜んでる自分がいた…。




「どう?この弁当オレ好きなんだ!ウマイ?」

「…普通」

…嘘。いつも一人で食べてるお弁当よりは何100倍もおいしく感じた。

「にしても橋田、箸の持ち方キレイだな!オレなんて親に持ち方教わったことないし…。橋田は、親に愛されてるからかな~」

「ッ…」

「橋田?」

「それは・・・ないよ」

「は…?」

「アタシ、親に捨てられたから…」

アタシ、こんな奴になに話してるんだろ…。




「…」

話し終わっても矢田は黙ったままだ。

「…なにか、言いなさいよ…」

「…」

「…ッつ!」

「よし!」

矢田は一言そういうと、勢いよく立ち上がった。

「な…何よ…?」

「オレ、毎日橋田ん来るから!」

「な…!?」

「オレが、オマエの家族になってやるから…」

「な…なにいってんのよ…?」

「だから、オレと付き合えよ」

「だからなに言って…」

「少しは人に…オレに…甘えろよ…」

そういって正面から抱きしめてきた。

「なに…やってんの…」

「ずっと…ずっと、愛すから…」

そういって矢田は軽く触れる程度にキスをしてきた。

「ん…ぁ」

初めてのキス。

でも、アタシは矢田を拒むことなく…。

矢田と…、付き合い始めた。

中学のころの矢田、めっちゃカッコイイやんかあああああ!!

…みたいな(笑)

次の更新はいつになるか…。

実は受験生だったり(笑)

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