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俺の姫サン。  作者: うきわ
2/10

新しい制服。

俺、深山圭吾みやまけいご

今日から高校1年生。

そして隣の超鈍感な姫(幼馴染)、林朱里はやししゅり

同じく今日から高校1年生。

俺たちは今日から通う高校へと向かっている。

「ねえ、ねえっ!なんだかドキドキわくわくするねー!」

朱里はそう言って俺の前に行ってくるりとまわる。

「なんだ、その感想。ドキドキわくわくって保育園児か?」

そう言うと、朱里は立ち止まって

「違うもーん!だって今の気持ちに1番あってるもん」

「可愛いでしょ、スカート!」

はっきり言って………可愛い。

「でもね、圭吾だって、めちゃくちゃカッコイイ~」

そう言って笑う。そしてまた1回転。スカートがふわりと浮く。

あ……。

「見えた、パンツ」

嬉しくてニヤける顔を見られないように誤魔化すように言う。

それにしてもスカート短すぎんだよ。他の奴が見たらどうすんだ。

「えっ!?…圭吾のえっち…」

朱里の顔がどんどん朱に染まる。

見せる方が悪いんだ。見せるほーが。

「オマエもっとスカート長くしろよ」

そう言いながら朱里に近づくと

「こないでください、変態さん!!」

……あ”あ”!?

朱里はくるりと回避。…また見えた。

「スカートは短い方が可愛いの!分かんないかなあ~」

スカートの裾をちょんっとつまむ。

「分からん」

朱里の横を通り抜け、速く歩いてやる。

「えっ!?わわわ、圭吾待ってよっ!」

朱里が後ろから着いてくる。

「…ぷッ」

おもわず吹き出す。…ヒヨコみたいだ。

笑っている俺を朱里は……抜きやがった。

「へへっ!圭吾、おっそーい」

小悪魔みたいに笑っていた。

でもな…俺がオマエに負けるとでも?

「…っと」

小走りを続ける朱里を放って俺は止まった。

俺と朱里との間に距離ができる。

さーて、いつ気がつくかな?

じっと朱里を見て、待つ。

あ、気がついた。

「圭吾!なんでそんなとこにいるのお~」

朱里が小走りで戻ってきた。

「一緒にいかないと嫌だあ~」

そう言いながら抱きついてくる。

…色んなものがあたってる…。

オイオイ…。俺たちもう高校生だぜ……?

「そこらのバカップルじゃねーんだから抱きつくなよ」

朱里を俺から引き剥がそうとすると、もっと強く抱きついてきた。

「ぐぇっ…」

朱里は顔をあげると、

「いーじゃん!あたし圭吾大好きっ!」

ははは…。幼馴染として、だろ?

そういう鈍感、迷惑だ。

俺は朱里を引き剥がす。

「ふぇっ」

なんか変な声を出した。

「彼氏できてからやれ」

…本当は彼氏なんかつくって欲しくないけど…。

「う~…。じゃあ、今は圭吾で我慢!」

……今は、か。

俺も朱里に抱き返せたらいいのに。

おもいっきり抱けたらいいのに。

けど、そんな勇気はない。

だって、幼馴染だから。

恋人じゃないんだ。

俺だってもう高校生。

中学生だったあの頃とはもう訳が違う。

15の春。

新しい学校の門を潜りぬけた。

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