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「赤い髪のメイドと猫王子」(セーラー服と雪女 第17巻)  作者: サナダムシオ


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4/11

④ いざ時空遠征へ

 そんな訳で、今回のパーティー…じゃなかったチーム編成は、3名のニンゲンと猫1匹になった。

 コレは決して、RPGなどでは無いのだ。地球の危機なのだ…多分。


 赤い髪にメイド服の由理子。

 黄色いワンピースにトレンチコートを羽織る京子。

 フード付きのグレーのパーカーにジーンズの雪村。

 未来チックなツナギを着た白猫のミケーネ。


 皆並ぶと、何だか雪村だけが緊張感が無く、ラフな感じがした。彼はもう、よほどの敵に遭遇しない限り、そんな感じでいることが、常態化しているらしい。


 ソレに蜥蜴王ナーガを含めたメンバーで、ミケーネの船に乗り込み、一路、爬虫類族の世界を目指して、名護屋テレビ塔の地下駐車場から、時空ジャンプをして行ったのだった。


 出た先は立派な城の前だった。

「まあ、キレイなお城ねぇ。まるでほら、アレみたい…。」 

 京子が、何かイケナイことを言いかけたように見えたので、由理子に止められた。


「京子お姉様。それ以上は、版権モンダイになりますので…。」

「ナニ言ってるの、アナタ。私はただ、ノイシュバンシュタイン城みたいだって、言おうとしただけよ?」


「ああ、なら大丈夫です。」

 何故かホッと胸を撫で下ろす由理子。

「…何よ。ヘンな子ねえ?」


「さあ、皆さんコチラへどうぞ。」

 ナーガ王の案内で、由理子御一行は、城の城門から奥へと入って行った。


 城は外側から見たイメージ通り、一階内部の天井が高く、吹き抜けになっていた。

 部屋の中央には、二階の左右へと続く長い階段が有り、まるで宝塚歌劇団のセットのようだった。


「こちらです。」

 ナーガ王が皆を案内したのは、中央階段の真下にある、エレベーターホールだった。


「実は、階段は普段誰も使わなくて…ほとんど飾りみたいなモノなんですよ。」

 そう言いながら、彼は皆をエレベーターに乗せた。

 そして操作パネルをいじると、エレベーターを降下させたのだった。



 エレベーターはかなり深くまで降りたようだ。

 まるで宇宙戦艦ヤマトの第1話みたいだな。

 雪村は、ボンヤリそんな連想をしていた。


 エレベーターのドアが開くと、左右にたくさんのドアが並ぶ、長い廊下が見えた。

 まるでサン・ジェルマンの研究フロアみたいだわ、と由理子は思った。

 

 エレベーターから数えて、左側5番目の扉の前まで来ると、ナーガ王が右手の壁に有るパネルに手を当てて、掌認証を使ってカギの開錠をした。


 一行が中に入ると、背後で扉が自動的に閉じられた。


 部屋の中央には縦、横、奥行きがそれぞれ3m程の透明な立方体があり、その中で透明なフレームのベッドに腰掛けて、コチラをじっと見つめる人物が居たのだった。


挿絵(By みてみん)

 

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