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「赤い髪のメイドと猫王子」(セーラー服と雪女 第17巻)  作者: サナダムシオ


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㉘ 雪子とサン・ジェルマン

 そうこうする内に、シルバーのビートルは、無事にテレビ塔の地下駐車場に戻って来た。

 上階の亜空間レストランでは、サンジェルマンと杉浦鷹志が、お茶を飲みながら待っていた。


「鷹志、ただいま!」

「ああ、お帰り。由理ちゃん。無事で何よりだ。」

「ただいま。私のサン・ジェルマン。」

「お帰りなさい。雪子さん。」


「あれぇ?他のみんなは?」と由理子。

「皆さん、それぞれ用事が有るらしくて、帰りましたよ。」

 サン・ジェルマンが答える。

「え〜、誰も心配してくれてないんだあ。ショック。」


「まあまあ、アナタと雪子さんのコンビニなら、心配無用のミッションだったでしょう?」

「まあね。でも雪子姉様は、ちょっと大変な目にあってたけど…。」

「本当ですか?命の危険性が有る場面には、必ず雪村君が、瞬間移動で降臨するはずですが…?」


「大したことは無かったのよ。ただ、ついつい夢中になって、全力を出しちゃっただけ。」

 雪子はこの程度の事を、大袈裟に取られたくないのだった。

「え〜、でも、ほら、黒焦げになってたじゃないですか?何かあとから、魔法で元通りになってたけど…。」


「黒焦げ…大丈夫なんですか?」鷹志が慌てた。

「どうということはないわ。ただちょっと、大きめの、雷の直撃を食らっただけよ。」

「ええっ!?」鷹志がびっくりした。


「なんかあ、相手の名前があ、戦争王イシュタル?とかなんとか…。」

 イイ加減な言い方の由理子。

「ええっ!?」鷹志が二度びっくりした。


「ほう、それはまた、イイ経験をなさいましたね?イシュタルなんて、中々直接闘ってくれませんよ。雪子さん、余程気に入られたんですねぇ。」

 サン・ジェルマンの受け取り方も独特だ。


「まあね。色々教えて貰ったし、お土産にコレをくれたわ。」

 雪子はそう言うと、背中に斜め掛けしていたオリハルコンの剣を抜いて見せた。

「サン・ジェルマン、確かアナタもコレ、持ってたわよね?」

「はい。私のは大切に研究室に保管してあります。」


「アヌンナキによると、オリハルコンの効力は、持主のチカラを純度高く引き出すことらしいわ。」

「ほう、やはりそうでしたか。だからあの時、この私でも、あんなチカラが出せたのですねえ。」


「コレ、彼等の母星だったカウンターアース…つまり惑星ニビルでは、ありふれた金属らしいのよ。逆に地球のゴールドの方が、よっぽど貴重なんだって。」


「それで古代エジプトで、並行宇宙の異種族相手に、商売を始めたんですね?」

「どうもそうらしいわ。」


「あと、キャップストーンの設置者は、アヌンナキたちで間違い無いわね。ただ、ピラミッドとスフィンクスは、更に以前、何者かによってポータル安定の為に設置されたもので、それは誰か分からず、謎は残ったわ。」


挿絵(By みてみん)

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