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「赤い髪のメイドと猫王子」(セーラー服と雪女 第17巻)  作者: サナダムシオ


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㉗ 真田香子

「何かヘンな話ししちゃった。ゴメンね?」 

 と雪子。

「いえ、いえ。お姉様のお話しならば、何でも聞いてみたいです。もっと色々知りたいです。」  

 と由理子。


「…由理子さんは、イイ子よねえ。」

「えへへ。よく言われます。私、人たらし…ううん、動物たらしなんです。」

「多分それは、アナタがいつも素直で、ウソを感じさせないからよ。きっと。」


 二人でそんな事を話している間に、ケツァルコアトルスは、ピラミッドの前のビートルの所まで、連れて来てくれた。


 ジェントルに着陸して翼を畳んだ怪鳥に、由理子は別れの挨拶をした。

「今日は本当にありがとう。また、何か困っことがあったら、いつでも相談に乗るわね。」


 由理子に嘴をナデナデされた怪鳥は、一声「キャウ!」と言った後、静かに翼を広げて、ゆっくりと離陸して帰って行った。


「ねえ、2万年も時空が離れてるのに、どうやって連絡を取るの?」

 雪子が当然の疑問を口にした。


「お姉様、知らないんですか?ケツァルコアトルスは、基本的に長寿命なんです。それに大切な記憶は、代々受け継がれるんですよ。」

「へええ、初耳だわ。知らなかった。確か"鳥頭"って、三歩進むと記憶を無くす、忘れっぽい人の例えじゃなかったかしら?」

「もう、ホントなんですからね!」


「うん、アナタが言うなら、きっとそうなのね。信じるわ。」

 そう言いながら、雪子はビートルのドアを開けて乗り込んだ。

「さあ、アナタも乗って!」

 言われて、由理子も助手席に乗って、この時空を後にした。


「…話は変わるけど、私、最近とても気になっている人物がいるのよ。」

 時空転移中のビートルの車内で、雪子がまた話し始めた。


 何だか、今日のお姉様は、いつになく饒舌だわ。

 由理子は不思議に思った。

「誰なんです?好きな殿方でも居るんですか?」


「そうじゃなくて…アナタの姉というか、雪村のもう一人の妹というか…。」

「ああ、真田香子のことですね?」


「そう、そう。もう長いことアナタたちに関わっているけど、小学生のころ見かけて以来、存在感を全く感じないのは、一体どうしてなのかしら?」


「私たち、兄姉妹は全員、血液型がAB型なんです。」

「…だから?」


「ですから、幼少期からずっと、通常の兄弟姉妹より、お互い干渉し合わないのです。お互い出来るだけ深く関わらず、好き勝手ヤッているのです…お姉様の時空では、違うんですか?」


「…ああ、多分私のチカラが強すぎて、半ば強引に、香子と由理子を引っ張り回しているのかも…そうか、本当は自由が好きなんだ。ちょっと反省しなくちゃだわ。」


「…まあ、そんな訳で、割とお互い、音信不通になることも珍しくはないんですけど…姉の香子は、その中でも、筋金入りの自由人なのです。」


「…そうなんだ。この時空の雪村やアナタが、素敵なチカラを持っているから、香子も、もしかしたらと思ったんだけど…。」


「どうでしょう?今は確か、豊橋市で小学校の教師をしているらしいんですけど…何しろ実家を出てからというもの、最近の詳しい動向が分からないので…それに…。」


「…それに、何?」

「いえ、何でもないです。」

「ふ〜ん?」

 

 彼女はそもそも昔から雪子に対して、イイ印象を持って無かったなんて、口が裂けても言えないわ。

 由理子はそう思った。


 多分、姉の香子は、私や雪村兄さんが、雪子さんのために度々出かけるのを、面白くないと感じていたに違いないんだわ。だからずっと、無視するような態度をとっていたのよ、きっと。


挿絵(By みてみん)

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