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「赤い髪のメイドと猫王子」(セーラー服と雪女 第17巻)  作者: サナダムシオ


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⑳ 一対一の対決

「…上出来よ。良く分かっているじゃない。」

 イシュタルは満足気だ。


「じゃあ、ハイ、これをどうぞ。」

 彼女はそう言って、闘技場備え付けのオリハルコンの剣を一振り、雪子に渡した。

 自身も剣を握ると、先に立って闘技場の中央に向かって、優雅に歩みを進めた。


 由理子は闘技場の端で、事の成り行きを見守ることにした。

 いつの間にか、他のアヌンナキの柱の面々も、闘技場の観客席に到着していた。


 雪子は、闘技場の中央でイシュタルに向き合うと、彼女に話しかけた。

「最後に確認だけど、この剣さえ使えば、どんな技を繰り出してもイイのよね?」


「もちろんよ。そして決着は、相手が絶命するまで…と言いたいところだけど…私も無駄な殺生をする気はさらさら無いわ。」


「あら、気が合うわね?私も同意見よ。じゃあ、相手が負けを認めるまで、でいいわね?」

「…そうしましょう。」


 そして闘技場の中央で、魔女と女神は、静かに剣を構えて向き合ったのだった。


「…あなた…強いわね?」

 イシュタルが意外そうに呟いた。

「…あなたもね。」

 雪子も同様に呟いた。


「再度確認しておきたいんだけど…。」

「何なりとどうぞ?」

「この闘技場は頑丈な造りよね?」


「もちろんよ。物理的にもそうだし、あなた方からは魔法にしか見えないような、電磁防壁も張られているから大丈夫よ。」


「…良かった。それなら遠慮無く全力を出せる。」

 雪子は安堵の呟きを見せた。

「まるで、今まで一度も、全力を出したことが無いようなセリフね?」

「御明察。その通りよ。」


「…それは、楽しませてくれそうね!」

 最後のセリフと同時に、イシュタルが上段に振りかぶった剣を、素早く下に振った。


 その瞬間、剣気…もしくは、何らかのエネルギー波が、10m先の雪子を襲った。

 刹那、右に素早く水平移動して、それを躱す雪子。

 そして彼女は、その体勢のまま、水平に剣を振った。


 今度は、水平方向に広がるエネルギー波が、イシュタルを襲う。

 彼女も難なく垂直に飛んで、危なげ無くそれを躱した。


 またしてもイシュタルのターンだ。

 彼女は右手で剣の柄を、左手で刃先を握り、剣を水平に持つと、それに向かってフッと短く強く息を吹きかけた。


 すると、三日月状の断続的な白い光が、雪子に向かって飛び出した。

 雪子は飛んで来たソレを、次々に剣で薙ぎ払った。

 しかし、彼女の刃先が見る見る凍りつき、重たくなって、上にあげていられなくなった。


「氷雪系のワザか。やるわね?」

 呟いた雪子は、重たくなった剣を気合いで持ち上げると、「發っ!」という声と共に気を出した。

 次の瞬間、彼女の剣の刃から氷が溶けて無くなり、逆に炎に包まれた。


 彼女が、剣を上段に振りかぶって打ち込むと、炎が火の玉になって、イシュタルに向かって飛び出した。

 それは、かつてサン・ジェルマンに教えたワザだった。


 イシュタルもまた、その火の玉を剣で受け止めて、威力を相殺した。

「あなたの火炎のワザも、中々上出来ね?」

 不敵に笑うイシュタル。

 

「何だか楽しそうですね、彼女。」

 観客席で大気王エンリルが天王アンに言う。

 そう言われた天王は、憮然としていた。


挿絵(By みてみん)


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