⑰ 鳥族の異種
ケツァルコアトルスの背に乗って移動しながら、雪子が由理子に語る。
「ちょっとややこしい話なんだけど…。」
「何ですか?」
「鳥族には、大きく分けて2種類…2つのルーツがあるみたいなのよね。」
「ふん、ふん。」
「私たちの地球の並行宇宙から来た者と、ニビル…つまりカウンターアースから来た者。」
「なるほど。」
「爬虫類族で例えるならば、ナーガ王の仲間と、ケクロプスの仲間ね。」
「うん、うん。」
「それぞれの太陽神の名で言えば、エジプトのホルスとシュメールのウトー。ニンゲンの立場から言えば、似た神様が居るけど、名前が違う。」
「…そうなんだ。」
「そしてシュメールを導く一族は、後にアヌンナキと呼ばれることになるのよ。コレは歴史上の事実。そして突然彼等が居なくなることも、確定している事なの。」
「ふ〜ん。」
「問題は、彼等がどこから来て、どこに行ったのか?カウンターアースの爬虫類族のために、雪村が使ったウルトラCを、鳥族も使ったのか?或いは私たちにとっての現代にまで、暗躍する爬虫類族のように、鳥族もどこかにヒッソリと存在しているのか?本人たちに訊いて確かめたいのよねえ。」
「それは確かに訊きたいですね。」
二人でそんなやり取りをしている間に、ケツァルコアトルスは、目的地のシュメールに到着した。
そこは、切り出した石を精密に積み上げた、立派な城壁だった。正面には高さが5m、一枚あたりの幅は3m程の、重々しい金属製の二枚の扉があり、それが音も無く、外側に向かって自動的に、観音開きに動いた。
彼女たちを案内した鳥男は「凄いだろう。」と言いたげに二人を振り返ったが、思いの外反応が薄いので、呆れていたようだった。
無論、そんな子ども騙しの手品のようなテレキネシスは、雪子にとっては得意中の得意だったので、別にどうという事は無かった。
ただ雪子は「凄いわね。この扉、オリハルコンの一枚板よ。」とだけ、由理子に耳打ちしたのだった。
城壁の外に、騎乗して来た馬よろしく、ケツァルコアトルスを待たせ、二人は中に入って行った。
城の一室の前まで来ると、まず先に、案内して来た鳥男が、ノックをして中に入り、戻って来ると、二人に中に入るように促した。
中に入るとそこには、直径5m程の大きな円卓が有り、折しも7名の人物が、会議中のようだった
「エジプトで、キャップストーンの設置中に、ハダカ猿族の神を名乗る者に遭遇しましたので、これは捨て置けぬ事と判断し、こちらに案内しました。」
鳥男は、二人の事をそのように紹介した。




