⑬ 留守番の二人
一方その頃、ここは一行の帰りを待つ、名護屋テレビ塔の亜空間レストラン。
日時は1990年4月4日15時ごろ。
今回、出番の無かった雪子は、鬼の?京子が出かけている間に、サン・ジェルマンと、まったりコーヒーブレイクを楽しんで居た。
「久しぶりの二人きりは、静かでいいわね?」
「そうだね。昔を思い出すよ。いや、キミにとっては、ついさっきの事なのかな?」
「私ももう、時間の概念から解放されつつあるわ。ひょっとしたら4次元人の気分て、こんな感じかも知れないわね?」
「それは…良い傾向なのかな?…それとも…?」
「もう、分かんないわ。気にしないようにしてるの。」
「…。」
「それより雪村から精神感応で聞いた情報なんだけど…。」
「何か気になることでも?」
「アナタにとっては昔、私にとってはついこの間、持ち帰った、例のキャップストーンの件よ。」
「ああ、あの…。」
「私は推察でアレを作ったのは太古の太陽神だと考えていて、セベクもそれを否定しなかったんだけど…。」
「うん、うん。」
「…どうも、アレ、カウンターアースの避難民による作品みたいね。」
「…ほう?」
「もしかしたら、太陽神もカウンターアースからやって来たのかも…。」
「…まさか、確かめに行くのかい?」
「暇なのよ、私。またちょっと、ビートルを借りるわね?」
そう言って雪子は微笑んだ。
二人がそんな会話を楽しんでいると、エレベーターのドアが開いた。
そのタイミングで、ドヤドヤと異世界遠征の御一行が、帰って来たのだった。
「雪子姉さん、ただいまぁ~。」
まず由理子。
「いやあ、疲れましたよ。」
これは雪村。
「あら、お楽しみ中だったかしら?」
これは京子。
「サン・ジェルマン先生、皆さんをお連れしましたよ。」
これは鷹志だった。
「皆さん、お疲れ様。ゆっくり安んで下さいね。由理子さんは、雪子さんから、この後、何か依頼があるかもしれませんよ。」
サン・ジェルマンはそう答えた。
「雪子お姉さまからの依頼なら、いつでも、どこでも、何なりとお受けしますよ?」
ちょっと気だった感じに由理子が答える。
「一息ついたら、またちょっと、2万年程前まで、ひとっ走り付き合って貰えるかしら?」
「お安い御用ですとも!キャップストーンの件ですね?」
「流石、私の妹。察しが良くて助かるわ。」
「だって、私が持ってるお姉さまに勝てるチカラは、動物テレパシーぐらいしか無いですからねえ。」
「チカラが欲しいなら、そのうちに、色々教えてあげるわよ?
「欲しい、欲しい!念力!」
「私の妹だから、きっと飲み込みが早いと思うわ。」
「やった!楽しみにしてるね!」




