8-2 ……恐怖で眠れないよ…
沙月は床に転がる突風妖精の残骸を見つめ、ため息混じりにぼそりとつぶやいた。
「……恐怖で眠れないよ…」
真子は腕を組み、淡々と理詰めで返す。
「眠れてるなら問題ない」
沙月はしばらくもじもじと口ごもったが、結局その論理に押されてしまい、半信半疑でうなずくしかなかった。
心の中では「でも怖かったんだから…」とモヤモヤが残るものの、表情はなんとか平静を装う。
部屋にはまだ散らかった漫画や衣類がちらほら残っているものの、致命的な被害はなく、空気は少し落ち着きを取り戻していた。
沙月は床を見下ろしながら、小さくため息をつく。
「まだ片付かないけど…なんとか無事ね」
兎子は微笑みながら、倒れた突風妖精の残骸を見て
「でも、これでもう飛ばされないね」とひと安心。
真子は掃除機を片付けながら、少し誇らしげに空を見渡す。
その背後には、次の妖精戦への気配がひそかに漂い、三人は知らず知らずのうちに戦闘後の静かな達成感を共有していた。
沙月は頭を抱え、ため息まじりに呟く。
「このまま妖精に襲われ続けたら…本当に寝られないよ…」
真子は淡々と掃除機を片付けながら、にやりと笑う。
「大丈夫だ。心配するな。それについても、対策はある」
部屋の空気が静まる中、三人の背後には次なる妖精の気配がひそやかに忍び寄る――。
次回へ――。




