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事件簿1

某コンクールに応募して生まれた探偵団ですが、そして、落選しましたが、気に入ったので、続きも書きました。(実は以前にも投稿しているのですが、ちょっと加筆して再挑戦です。)しばらく、土曜日の午前9時に投稿します。読んで頂けると嬉しいです。

「よし、みんな、出動だ。」

 ボスの掛け声で、ミンファ、シード、ソレラの三人は、腰を上げた。今日中に犯人を挙げなくてはならない。


 昨日、中学一年生の美紀ちゃんが、暗い顔をして帰ってきた。美紀ちゃんの入学した中学校は、自然に囲まれた築十数年のきれいな市立丘の上中学校だ。

 ママが「どうしたの?」って聞いても、パパが「困ったことがあったらいつでも相談に乗るぞ」って言っても、美紀ちゃんは返事をしなかった。親になんて言ったって騒ぐだけで相談してもうまくいかないに決まっているって顔に書いてあった。

 それなら、われらの出番だ。われらは、美紀ちゃんがまだ三歳で、われらとお話ができていたころからの付き合いだ。いまでは、もう、夢の中でしかお話ができないが。

 われらは、原因の究明をしに、美紀ちゃんの夢に侵入した。シードには、妖精を連れて夢の中に侵入できる特殊能力がある。われらは、そんじょそこらの妖精とは一味違うのだ。

「美紀ちゃん、どうしたんだい?」ボスが尋ねる。

『妖精さんたち、来てくれたの?あのね。』

 原因は、自転車カゴのごみだった。昨日、帰ろうとしたら、自転車かごが草の葉っぱだらけになっていたのだ。いじめ?なぜ私の自転車に?クラスの子?それとも先輩?美紀ちゃんの疑問に、われらは答えることができない。


 早朝、われら急造探偵事務所は会合を行った。われらの名称は、ドレミファ妖精探偵団に満場一致で決まった。そして、方針も決まった。まずは、張り込みだ。

 「行ってきまーす!」

 美紀ちゃんが出かけた。尾行するぞ。

 早朝の町を、自転車で駆け抜ける。つい一か月前までは、集団登校で歩いて通っていたのでこのスピード感がたまらない。自転車小屋でヘルメットを脱ぎ、かごに納める。

 「おはよーっ」友達と話しながら、リュックを背負って校舎に向かっていく。

 中学生が次々に現れ、校舎に吸い込まれていった。誰も、怪しい行動はしていない。犯人は今日、行動しないのか?


 おや?怪しい影が。草を…くわえている?そいつらは、美紀ちゃんの自転車かごを草でいっぱいにした。自転車かごの中には、優しい草のベッドが出来上がっていった。

 犯人は、ペアの小鳥だった。

 犯人は挙がったが、どうやってこいつらをサツに訴えればいいのだ?


 妖精にできることは限られている。美紀ちゃん、安心しろ。犯人は、クラスの子でも、先輩でもなかったよ。帰りにカゴを見れば、美紀ちゃんも人間の仕業でなかったと気づくだろう。われらは、小鳥らに、この自転車かごには持ち主がいて、巣を作ってはならないことを言い聞かせてやった。ソレラには、動物と話ができるという特殊能力がある。われらは、そんじょそこららの妖精とは一味違うのだ。

一件、落着。これからも、しっかり見守っているからな!



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