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俺と魔剣(あいつ)の冒険譚  作者: アスラ
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初めての採取

休憩を終えた俺達は、ジェミオとアルミーに周囲の警戒を任せ採取にかかった。


「ヴェル兄、これがそう?」


ミェッタが目当ての薬草を見つけて確認してくる。近くで同様に探していたミニスとミオスも寄って来た。


「ああ。それが現証拠(ゲンショコ)だ。でも三人とも良く見ろ。これは根本が黒ずんでるだろう。そうなったら薬に必要な効果が無くなってるから使えない。」


草の根本を指して言うと、ミェッタは探す前に教えた注意点を思い出し、すぐ側にある別の株を指差した。


「あ、そっか。じゃあ、こっちのは赤みがかってるから採っても良いんだね。」

「ああ、そっちのは大丈夫だ。上の方にある色の濃い葉だけを摘むんだぞ。」

「「「うん、わかった。」」」


三人が採取に掛かると、俺は少し離れたところにいるペイスとビランの様子を見に移動する。


「なあ、フィオ兄。もうこのぐらい掘ったら良いよな?」

「あ、ああ。良いと思うぞ。」

「良いわけ無いだろ。ペイス、ビラン、猪子槌(コヅチ)は根っこが必要なんだが、結構深くまで根を張ってて、もう少し深く掘らないと肝心の根っこが傷つくんだ。」


適当に答えるフィオを一瞥(いちべつ)すると、ペイスとビランの二人に説明する。


「でも、このくらいで採っちゃっても売れるんだよね?」


掘るのに疲れたビランが訊いてくる。


「売れるがかなり安くなる。このまま採ると大きさはたぶん全体の三分の二ぐらいだ。おまけに切り取ったことで傷物として査定される。大体、銅貨十枚ってとこだ。」

「別に悪くないじゃんか。」


金額を聞いたペイスがどこが悪いのかといった表情で言う。

確かに町中で手伝いをしてもらう金よりは多いだろう。


「でもな、根っこを丸ごと採れたら、銅貨で五十枚は越える。今の相場なら六十はいくんじゃないか?」

「「「え?」」」


俺の言葉に何故か三人分の声が帰ってくる。


「おい、フィオ。なんでお前が驚く。」


俺が半眼で見るとフィオは明後日の方向へ視線を逸らした。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

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