受ける眼差し
年下達が駆け寄るホリーに道を開ける。
「ヴェル、戻ったのね! 怪我はない? 身体は大丈夫なの?」
目の前まで来たホリーは矢継ぎ早にそう言うと、俺の身体をぺたぺたと触り確認を始めた。
「…、だ、大丈夫。怪我もしてないし。不調もない。大丈夫だから、落ち着けって。」
心の準備が出来ていなかったせいもあって勢いに呑まれたが、直ぐに我に返って声をかけるとホリーはぴくりと手を止めた。そして、不安気な様子で改めて訊いてくる。
「本当に大丈夫? また隠したりしてないよね?」
「本当だって。掠り傷ひとつ無いよ。」
不安気に見上げるホリーに笑って答えた。
が、次の瞬間ホリーの瞳が潤み、見る間に溢れだした。
それを見た年下達が一斉に声を上げる。
「「「あ~、ヴェル兄がホリー姉ちゃん泣かした~」」」
「「泣かした~」」
「え、ちょ、ちょっと待て。なんで泣くんだよ。俺、大丈夫だって言ったよな?」
慌ててすぐ側にいるリコルに訊いてしまう。
すると呆れた様子で言葉が返ってきた。
「いや、ヴェルデ兄ちゃんが無事だったからほっとしたんだろ? そのぐらい俺でも解るのに…。」
「う、うん…。」
その残念なものを見るような眼差しは、この場合、甘んじて受けるしかないんだろうな。
と、取り敢えずホリーに落ち着いて貰わないと収拾がつかないよな、これ。
「ホリー、心配掛けたのは悪かったよ。でも俺もまさかあんな事が起きるとは思ってなかったし。こうして無事に戻ったんだ、司祭様にも無事な顔見せて、報告もしたいし。双子の様子も知りたいし。取り敢えず食堂へ行って話そう、な?」
ホリーの肩に手を置き、宥めるように声をかけ、取り出した手拭で彼女の目元をそっと拭った。
ホリーは深く呼吸をすると、漸く落ち着きを取り戻し、ぽつりと言った。
「…本当に心配したんだからね…。」
「うん。ごめん。でも、ありがとう。」
俺は素直に謝罪と感謝の言葉を返した。
お付き合いいただき、ありがとうございました。




