改めて
間が空いてしまい申し訳ありません。
目が覚めるなり起きた騒々しいやり取りの後、俺達は火を囲んでいた。
危険も無くなり、状況を理解するうえでも、落ち着いて情報を交換、共有した方が良いと爺さんに勧められたからだ。
ゼーンと爺さんから一応おおまかなところは聞いていたが、ゼーンが俺と一緒にいた間の事、爺さんと会った経緯までは全くもって知らないままだった俺は、先ずは俺が倒れてからの事を聞いた。
そして聞かされた綱渡りのような状況が連続する内容に思わず顔がひきつった。
実際、一度は死んだと思ったし、命の危険を何度も感じたが、人から聞かされると背筋が冷える。
同時に皆への感謝の気持ちが改めて溢れてきて、俺は立ち上がり、皆へ頭を下げた。
「ゼーン、ジェミオ、アルミー、ゼーンの親父さん、爺さん。命を繋いでくれて本当に感謝してる。ありがとう。」
"オレはオレが一緒にいたいからだって云ったろ。"
ゼーンが足元でぱたぱたと尻尾を振りながら云う。
「俺達がお前を死なせたくなくて勝手にやったんだ。あんまり気負うな。」
「逆の立場ならヴェルデも助けようとしただろう? 同じだよ。」
ジェミオとアルミーがそう言って笑ってくれた。
"我が子が半身として選んだのだ。助力は当然の事。それに我が一因でもあるのだ、気にするな。"
ゼーンの親父さんが尻尾をゆらゆらと揺らしながら云う。
"結ばれた縁を大切にせよ。"
「……、ああ。」
そう爺さんの言葉が聞こえた時、そっと頭を撫でられたような気がして小さく返すのが精一杯だった。
なんだか気持ちが昂ってるみたいで落ち着かないな。
俺は若干潤った瞳が滲む前に、意識が沈んでからの事を話し始めた。
◇ ◇ ◇
俺が精神の世界での事を話し終えるとジェミオが言った。
「じゃあ、お前、夢の中で何日も鍛練してたのか。」
「夢の中なんて言い方をされると楽しそうな響きだが、あれは鍛練という名の扱きか拷問だ。」
「拷問って、そんなに厳しい内容だったのか?」
遠くを見ながら言うと、アルミーが訊いてくる。
「厳しいとか以前の話。あらゆる属性の魔法だけじゃなく、剣や体術まで使って攻撃されて、魔力が枯渇するか攻撃くらって意識が飛んで、目が覚めたらまた攻撃されて。何日も延々とそれを繰り返されて。あれを鍛練って言うなら、普通の鍛練なんか、子供のごっこ遊びだろ。」
俺の答えを聞いたジェミオとアルミーは何とも言えない表情になる。
"手加減しては身にならんと言っただろう。"
やれやれといった雰囲気で爺さんが割って入る。
「趣味で人族の最強、『剣聖』や『拳聖』そのお歴々の指導を受け、粋を極めた技の数々。普通なら何度死んでもおかしくないような攻撃…爺さん、俺が気づいてないと思ってるだろう。」
"…。"
俺の言葉の最後に竜の巨体が僅かに反応する。
いつも余裕見せてるが、そうそう思いどおりになると思うなよ。
「爺さん何だかんだ言いながら、技を出すの楽しんでただろう。とんでもない攻撃仕掛けながら、時折その口許が緩んでたの、俺はしっかり見てたからな!!」
お付き合いいただき、ありがとうございました。




