表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と魔剣(あいつ)の冒険譚  作者: アスラ
70/119

制約

話しを終えギルド長(ギルマス)階下(した)に下りると、普段なら騒がしい場は重苦(おもくる)しい空気に包まれていた。


俺達が下りてきたことに気付いた数名がこちらを見ると、それに(なら)うように他の者達もこちらへと視線を向けた。


その表情はどれも(いきどお)ったような、または()えるような表情をしており、中には今にも泣き出すのではないかといった者までいる。

だが誰も何も言わず、ギルド長(ギルマス)が話すのを待っていた。


「皆聞け。調査から戻った二人から報告を受けた。(わか)ったことを伝える。まず、森の異常の原因だが、これは銀狼(フェンリル)が住み着いた事によるものだった。」


銀狼(フェンリル)と聞いて皆に緊張が走り、場がざわめく。

当たり前だ。昔語りで語られる強大な力を持つ魔獸(まじゅう)、その存在は現在においても(たし)だと言われるが、一生会うことの無いだろう存在。

驚き、不安に思う皆の反応は至極(しごく)当然(とうぜん)のことだと言える。それなのにあの義弟(ヴェルデ)は…。

ヴェルデと銀狼(フェンリル)の会話を思いだし、思わず明後日(あさって)の方へと視線を投げた。


「落ち着け!!」


ギルド長(ギルマス)一喝(いっかつ)で、場は一瞬で静まり返る。


「大丈夫だ。こちらから手を出さない限り、襲われることはない。」

ギルド長(ギルマス)、なんでそう言い切れる? 根拠(こんきょ)はあるのか?」


告げるギルド長(ギルマス)に、上級者(ランカー)の一人が疑問を投げ掛ける。


「それは銀狼(フェンリル)に会ったこいつらが交渉(こうしょう)した結果だ。」


ギルド長(ギルマス)はそう言って俺達へと一瞬だけ視線を向けた。

場は再びの驚愕(きょうがく)に包まれる。

だが、ギルド長(ギルマス)はそれを無視して話しを続けた。


銀狼(フェンリル)(つがい)でガルブの森で子を産んだらしい。幼体(こども)が育つまでは移動はないだろう。そこでギルドとしてガルブの森について新たな制約(せいやく)を設ける。」


それを聞いた皆は真剣な表情になる。


銀狼(フェンリル)とその幼体(こども)に対しての一切(いっさい)の手出しを禁止する。(したが)わず手を出した者は冒険者(ギルド)資格を剥奪(はくだつ)、関係する情報を口外できないよう誓文(せいもん)(きざ)む。 また、町を危険にさらした犯罪者として(さば)かれることを覚えておけ。」

「この町の冒険者で(かな)わないと(わか)ってる相手に襲撃(しゅうげき)()けるような馬鹿はいないぜ。」

「何より町を危険にさらすような恩知らずは、俺達が許さねえ。」


制約(せいやく)内容を聞いた上級者(ランカー)達から返ってくる言葉と(あい)づちを打つ冒険者達(れんちゅう)ギルド長(ギルマス)が肩の力を抜いたときだった。


「…だが、事と次第(しだい)によっちゃ話は別だ。もし銀狼(フェンリル)があいつを、ヴェルデを()ったって言うなら、俺はなんと言われようと銀狼(フェンリル)(やつ)を許さねえ。」


さっき疑問を投げ掛けた上級者(ランカー)、リェフが俺達に(する)眼差(まなざ)しを向けた。


お付き合いいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ