原因 (side アルミー)
朝焼けがすっかり消えた頃に転移してきた銀狼と竜王と向かい合う。
四者の囲む中央には、ヴェルデと子銀狼が眠っている。
“銀狼殿、庇護者達、もうこの二人の心配はいらぬ。血族は暫くかかるだろうが、幼子は直に目覚める。故に落ち着いて話しを致そう。”
竜王が改めてヴェルデ達が大丈夫だと云い、話し合いに集中できるよう配慮してくれる。
実際、鱗が消えてからのヴェルデの様子は落ち着いており、自身の魔力に包まれ穏やかに眠っている。
“御方には改めて感謝を。其方達にも謝罪と感謝を。”
“もう良いと云っておる。貴殿がその様だと、進む話しも進まんぞ、なあ庇護者達。”
「ええ。謝罪は既に昨日いただきました。互いに大切な者が救えたことを喜べば良いかと。」
改めて謝罪を告げる銀狼に、竜王が敢えて呆れた様子で話しを振ってくる。
その意を汲んだジェミオが謝罪は終わりだと告げる。
“…承知した”
銀狼は渋々といった感じで了承を答えた。
その頑なな様子を見ていると、最初に対面したときの尊大さはなんだったのかと思うほどだ。
だがそれも誇りを重んじるという銀狼の受けた恩を大切にする思いと、自身への厳しさが今のような態度に繋がるのだろう。
“さて、本題に移ろうか。昨夜、庇護者達からこの場へ至るまでの話しは聞いている。して庇護者達の目的はこの森に起きた魔力異常の原因の調査だったな。”
話しの区切りがついたと見て、竜王が本来の話題を切り出す。
「はい、そうです。」
“…貴殿等はおおよそ見当がついておるだろう?”
俺が肯定を返すと、竜王は再び確認を取るように訊いてきた。
「ええ、昨夜銀狼殿の事情を伺ったことで事態が飲み込めました。おそらくは竜王殿が結界を張られた折りに、何か手違いがあったのかと。」
「そして外界より遮断されたこの場に居られたが故に、また精霊達にとっても問題とならなかったが為に、異変を認識されておられなかった。そう考えています。」
ジェミオに続き、昨晩話した推測を口にした。
“概ねその通りだ。森の魔力異常の原因は私にある。”
聞いた竜王はそう云って、推測が事実であると告げた。
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