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俺と魔剣(あいつ)の冒険譚  作者: アスラ
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情報の理解

言われた情報が多すぎて、俺の理解が追い付かない。


ええと、目の前の壮年(そうねん)の男は見た目はお(えら)い騎士様に見えるけど、実は(ドラゴン)が姿を変えていて、ガルブの森で隠居してて、トニトルスってどっかで聞いたような気がする名前で、俺のご先祖で、死んでない…って


「え、先祖で生きてるって、今何歳(いくつ)だよ?」

「ふむ、正確には覚えておらんが三千歳は越えておった(はず)だ。」


情報を確認していて思わず口にした疑問に、男もとい(ドラゴン)が答える。


「ヴェルデ…最初に気にするのが歳って…。 ご先祖様も普通に答えてるし…なんだか似てるね。 」


俺と先祖だというの(ドラゴン)問答(もんどう)(あき)れながらもどこか納得した様子のゼーンが言ったが、「似てる」と言われた事は聞かなかったことにした。


「三千!? 三千歳なんて年寄りなんて程度(ていど)じゃ済まないだろ!」

「だから先祖だと言っただろう。私の娘は七百年程前に人族に(とつ)いだ。お前はその子孫だ。」

「え、(ドラゴン)が先祖と言うことは、俺に(ドラゴン)の血が混じってるってことだよな。」

「先程からそう言っている。お前、相当鈍いな。」


やっと情報に理解が追い付き、内容を確認するように口にする俺に呆れた言葉がぶつけられた。


「ほっとけ!! 大体俺は孤児で血筋(ちすじ)も何も知らなかったんだ。自分に(ドラゴン)の血がながれていて、まして覚醒(かくせい)するなんて想像すらしてなかったわ!!」


感情のまま俺は(ドラゴン)に言い返した。

なんだかこの(ドラゴン)相手だと感情が(たかぶ)ってしょうがない。いつもならフィオ以外にここまで素になる事なんて無いんだけどな。


「たとえ知らなかったと言えど、覚醒した以上はその魔力(ちから)を制御しなければならん。出来なければ周囲に大きく影響し、果ては守るべき者達を傷付ける事になる。」


(ドラゴン)はそれまでの何処(どこ)(ゆる)雰囲気(ふんいき)だったのを一変(いっぺん)させ、(きび)しい口調でそう告げた。


確かに変化を越えたと言っても、混ざり合った魔力の威力と加減に慣れなければ、魔法を使うにしても前程の精度では使えない。

どころか威力がありすぎて周りまで巻き込むことになる可能性が高すぎる。


新たな問題が生じ、また頭を悩ませる事に必要だと解っていても、もういい加減にしてくれと、なんとも言えない気持ちになる。


そんな俺に思いもよらぬことばが掛けられた。


「どれ、私が制御を鍛えてやろう。」


今しがた重苦(おもくる)しい雰囲気(ふんいき)と厳しい物言(ものい)いで俺に忠告をしていた(ドラゴン)は、あまりにもあっさりとした軽い口調で言った。


「貴方が俺を鍛える?」

「今、お前の身体は回復の眠りについている。魔力と肉体が完全に馴染むまでは目覚めることはない。折角(せっかく)、周囲に被害を出す心配のない精神世界にいるのだ。完全に制御出来るようにしてやろう。」


良い考えだと言わんばかりの表情で俺の身体の状況を話した(ドラゴン)は、俺の返事を待たずに魔法を(うた)った。



お付き合いいただき、ありがとうございました。

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