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俺と魔剣(あいつ)の冒険譚  作者: アスラ
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男の素性

閉じた(まぶた)に感じる(まぶ)しい光が落ち着いて、そっと目を開けると暗闇だった空間が、真っ白な空間に変わっていた。


「ヴェルデ!!」

「うわっ! ちょ、ゼ、ン、まて。」


飛び込んでくるゼーンを抱き止めると、顔中を舐め回して喜びを伝えてくる。

千切れんばかりに振る尻尾も抱える腕に当たって痛いくらいだ。


「ぷはっ、はあ。…ゼーン、頼むから落ち着けって。」


やっとの事でゼーンを引き剥がす。

腕を見ると現れていた(うろこ)は消え、疲れはあっても、不調や違和感は全く無くなっている事に変化を乗り越えたことを実感した。


「これで終わったってことだよな。俺たち本当に助かったんだよな。」

「うん、今度こそ絶対大丈夫だよ! ヴェルデの魔力、前よりも強くなったけど、前と同じ優しい感じがするんだ。」

「そっか。ゼーンありがとな。お前が居てくれて助かったよ。」

「うん。相棒だからね!」


確認する俺の言葉に、未だ興奮(こうふん)()めやらぬといった様子でゼーンが応えた。


(ようや)均衡(きんこう)がとれたか。全く世話のやける奴だ。」


男が腕を組んだ姿でいやはやと首を振った。


「えと、助言助かったよ。後、魔力も。さっき後押ししてくれたのは貴方なんだろう? ありがとう。お陰で命拾いしたし、ゼーンも死なせずに済んだ。」


俺は男に礼を言って、深く頭を下げた。


「礼は銀狼(フェンリル)殿と二人の庇護者(ひごしゃ)達、そして(かたわ)らの幼子(おさなご)に伝えるがいい。お前が助かったのはその者達の献身(けんしん)があったからだ。」


そう言って男がゼーンを見た。


勿論(もちろん)、皆に感謝してる。貴方(あなた)にも、ゼーンとゼーンの親父(おやじ)さん、ジェミオとアルミー、フィオに町の皆。そしてあの剣。皆が俺を支え助けてくれた。」

「お前は真っ直ぐだな。あの()にそっくりだ。」


俺が皆への感謝を言葉にすると、男は懐かしむような、(さび)しげな瞳を俺に向けた。

その眼差(まなざ)しが不思議な寂寥感(せきりょうかん)を生む。


「えと、今さらだけど俺の名はヴェルデ。貴方はいったい誰なんだ?」


俺は寂しげな瞳に気付かない振りをして、改めて問いかけた。


「ああ、先程は名乗らなかったな。私の名はトニトルス。この森で隠居(いんきょ)している(ドラゴン)だ。そしてお前の先祖だな。」


男はおや、といった表情を浮かべ、思い出したように言った。


「え、(ドラゴン)? 先祖? は?」


思わぬ返答に理解が追い付かない。

え、この人が(ドラゴン)? 

え、(ドラゴン)って人になれんの?

それに先祖って死霊(しりょう)なのか?


「ひとを勝手に死人(しびと)にするな。お前、高位の(ドラゴン)人語(じんご)を話せるだけでなく、人型にもなれるのを知らなかったのか?」


混乱したことで再び思考が丸聞こえだったらしく、叱責(しっせき)されたうえに衝撃の事実を聞かされた。


(ドラゴン)の存在自体が伝承級なのに、生態なんて知るわけ無いだろ!?



お付き合いいただき、ありがとうございました。

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