表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と魔剣(あいつ)の冒険譚  作者: アスラ
45/119

可能性の模索

「ちょ、ヴェルデ。いつまで()みくちゃにするんだよ!」


ゼーンがしつこく()で回す俺の手を軽く()み、抗議(こうぎ)の声を上げる。


「ははっ、悪い。心地よ(うれし)くて止まらなくなった。」

「もう、そんな場合じゃないだろ!」

「ああ、真面目に考えるよ。」


ゼーンに(おも)いを伝え、柔らかな毛を存分(ぞんぶん)()で回して満足した俺は再び思考に戻る。


変化(いきおい)の強さに抵抗する方法は?

…それ以上の力がないと無理だ。

変化(へんか)適応(てきおう)させる?

…それが出来ないからこの状況なんだ。

適応(てきおう)できるように変化させる?

…変化するための要因(よういん)が無い。


抵抗も、適応も、変化も、そうするだけの力が今の俺には無い。


考えろ。

(あきら)めるな。

最後まで生き足掻(あが)くんだ。


思い出せ。

俺に出来ることは?

あの(ドラゴン)魔力(ちから)宿(やど)した剣が助けてくれるというなら、それだけの可能性があるはずだ。


白銀(はくぎん)の剣を思い浮かべると、親父(おやじ)さんとのやり取りを思い出す。


(わし)の目を疑うのか? お前ならこの剣を使える。剣とお前の魔力が馴染(なじ)んでいるのが何よりの証拠だ。」


…魔力が馴染(なじ)む…。


「そうか! 馴染(なじ)ませる! 魔力制御だ!」

「魔力制御? それでヴェルデの身体(からだ)が強くなるの?」


俺の言葉にゼーンが首を(かし)げる。


「いきなり強くはならないけど、(あふ)れる魔力の流れを少しでも制御して、変化の勢いを弱めることは出来るはず。」

「でも、もし失敗したら今度こそ死んじゃうよ?」


不安を(おぼ)えたゼーンが()り寄ってくる。


「このまま何もしなければ状況は変わらない。生きたいと思うなら、今の最善だと思えることを全力でやるしかないんだよ。それに魔力の制御は精神による。ギルド長(ギルマス)やリュネさんに散々(さんざん)(たた)き込まれたんだ。出来ないなんて言えるかよ。」


俺はゼーンの()を見て、不敵に笑った。


「そっか! じゃあオレも手伝う。契約したからオレもヴェルデの魔力使える!」


嬉しそうに()を輝かせ、尻尾を振りながら言った。


「ああ、それじゃ、やるぞ。補助(フォロー)頼むな。」


「うん!」


そして俺は集中を始めた。

正直上手く行くかは判らない。でも他に手が浮かばない以上、やってみるしかない。


やがて意識を()くす前に身体(からだ)で聞いた、暴れるような心音(しんおん)と、轟々(ごうごう)と荒れ狂う濁流(だくりゅう)のような魔力の音が聞こえてくる。


少しして感じた自身の魔力の気配にそっと手を伸ばした。




お付き合いいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ