表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と魔剣(あいつ)の冒険譚  作者: アスラ
42/119

事情(side アルミー)

ヴェルデの体に(あらわ)れた(うろこ)を見て、動揺(どうよう)が走る。


「これは(うろこ)…血が目覚めるって言うのは、まさか竜に!?」

「竜王よ! 先程(さきほど)ヴェルデに飲ませたものは何なのですか!?」


ジェミオと同様に信じたくない考えが浮かび、竜王へ問う。


“落ち着け。飲ませたのは私の血だ。先程までは急激に増加する魔力に、自身を馴染(なじ)ませることが間に合わなくなった為に体が()えられなくなっていたのだ。純粋な竜の血を与えることで体を強化し、体と魔力の変化への耐性(たいせい)を持たせたのだ。(うろこ)は体を強化した影響で一時的に(あらわ)れているに過ぎん。”


滔々(とうとう)と説明を受けて、ジェミオと二人で息を()く。

次から次へと本当に心臓に悪い。


“変化が落ち着き、血と魔力に馴染むまではこの者が目覚めることはない。もう日も暮れる。何もない場所(ところ)だが貴殿(きでん)()も休むがいい。

そう()われて空を見上げると黄昏(たそがれ)の色が見える。

この場所は魔法でも掛かっているのか、ぼんやりと明るく、状況が状況だっただけに今の今まで()の高さなど意にも(かい)していなかった。

だが時間の経過を認識した途端(とたん)、自身が(ひど)く疲労していると感じた。


御方(おんかた)、このような事態(じたい)(まね)いておいて大変心苦しいが、一度(つがい)(もと)へ戻りたく。()(のぼ)る頃、今一度この神聖な場への道を(つな)ぐことをお許し願いたい。”

“そのように気に()むことはないと()うのに。奥方(おくがた)の事は心配であろう。この()は私が預かる(ゆえ)心配はいらぬ。道もいつでも(つな)げられるようにしておく。早く奥方の元へ帰ってやるがいい。”


銀狼(フェンリル)が頭を下げながら()うと、竜王は好々爺(こうこうや)(ぜん)とした様子で答えた。


幾度(いくど)ものご厚意(こうい)に感謝申し上げる。”


改めて礼を()うと銀狼(フェンリル)は転移して行った。


貴殿(きでん)()には申し訳ないが、あの銀狼(フェンリル)(つがい)の産後の肥立(ひだ)ちが悪くてな。許してやってくれ。”


竜王の言葉にジェミオと顔を見合せた。


「そんな事情が…ではやはり銀狼(フェンリル)殿はこの森に定住されるということか…」

“いや、そんな話は聞いておらぬぞ?”


ジェミオの呟きを竜王が否定した。


「そうなのですか?」

“ああ。元々あの者達は里に戻る途中、奥方の体調が思わしくない故にこの森で休むだけのはずだったのだ。だが私の用意した結界の中で産気付いてしまってな。どうにか無事に子が産まれたが、奥方の体調が戻らぬため、そのまま養生しておるのだ。”

「…そうですか…」


()くと、竜王が銀狼(フェンリル)の事情の詳細を語ってくれた。

子銀狼の事もある。状況的にすぐに移動するというのは無いだろう。住み着いた状況での対応が必要になるということだ。


“ふむ。そういえば、このような状況になった経緯を聞いていなかったな。貴殿等、聞かせてくれんか?”


考え込む俺達に竜王が訊いてきた。


そういえば、ヴェルデを助けることで一杯になってこれまでの話は一切していなかったと、今更ながらに気づく。


「我々の本来の目的はこの森で起きていた異変の調査です。」


ジェミオと俺はガルブ(この)の森へ来た本来の目的から、今までの経緯を話した。




お付き合いいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ