間話 異変
第3話は視点が変わって祖父とその護衛たちの話です。
そして後書きにはステータス早見表なるものを作成しましたので良ければ見ていってください。
とある馬車の中にて
「村へはまだ着かんのか。やはり馬車は遅いのう。」
「申し訳ないクロノフ殿、リュージン村まではあと1週間でつく予定なのでどうかご辛抱を…。」
「うむ、魔法を使って飛んで行ったほうが速いが王から護衛を手配されてはそれを無碍にするわけにも行かんしのう。せめて精一杯飛ばしてくれ。」
馬車の中でそんな会話をしているのはノラ達兄弟の祖父でありハナの父親である大賢者クロノフと、その護衛の者だ。
普段から大賢者という立場でありながら自由に世界各地を飛び回っているクロノフ。王は毎度突然消息を断つ大賢者に振り回されており、今回王都から旅立つ寸前のクロノフを間一髪で捕まえ居場所を把握出来るように王国騎士の護衛をつけたのだった。
「ところでクロノフ殿、お孫さんというのはどんな子なんですか?王国の大賢者が溺愛していると噂の御孫さんたちを護衛の者共の中に私を含め気になる者が居るようです。」
「よくぞ聞いてくれた!ちょうど我が孫たちについて語る相手が欲しかったのじゃ。どれ、なにから話そうかのう…。」
大賢者の孫の話が聞けるとあって護衛の者達は陣形を小さくまとめ聞き耳を立てた。
「儂には孫が4人おってな。皆それぞれが豊かな個性を持った可愛い子なんじゃ。」
「おや、私どもが聞いたところによると孫は3人だったのですがハナ殿はまた子供を?」
ハナとドレイクは元王国騎士であり、護衛の者達は皆二人を知っていた。
「いや、長男のノラには幼馴染がおってな。ミリアと言う子で儂が勝手に孫のように可愛がってるんじゃよ。たまに他にも面倒をみた子はいたがのう。」
「なるほど、そういうことですか。その子はどんな子なんです?」
護衛の者の問いかけにクロノフはなだめながら答える。
「まあまあ慌てるな順番に話すでのう。孫のノラ、ソラ、サラ、そしてミリアはとても優秀なんじゃ。サラはとても活発でまるで小さい頃のハナを見てる様でな、ソラの方は博識で既に大人顔負けの域じゃ。知識だけならもう儂を超えてるかもしれんのう…。」
「それはすごいですね、クロノフ殿にそこまで言わせるとは…。サラ殿の方もハナ殿に似ているとあらば将来に期待できますね。」
「ハッハッハッ!そうであろうそうであろう。だがこんなもので驚いていてはいかんぞ?」
含みを持つクロノフの言い回しに護衛の者が期待を高める。
「ノラ殿とミリア殿はそんなに凄いのですか?」
「あぁ、凄いなんてもんではない。まずミリアはじゃな、あの子は自分の認知した魔法をすべて使える天才なのじゃ。」
「?!そんなことがあり得るのですか!」
「理屈は儂にも理解できんが実際この目で見たのじゃ間違いはない。おまけに独自に工夫し編み出した他属性の魔法を同時に発動する複合魔法とやらも使えるのじゃ。」
「そんなのもはや無敵ではありませんか…。」
馬車の中に居た護衛の者を始め外で聞き耳を立てていた者たちがざわめき出した。そんな者を国は放置していいのか、他国に知られたらどうなるのか等…、色々話していたがクロノフは続けた。
「驚くのはまだ早いぞ、そんな天才ミリアとノラはタメを張る実力なのじゃ。」
「なんと!それはすごいですね。ミリア殿は話を聞く限り私でも勝てるかどうか…。」
「これで魔法を使えればノラは間違いなく最強じゃったな。」
護衛の者たちが固まった。
「どうした。そんな間抜け面見せおって。」
「今なんと…?」
「だから間抜け面を…」
「その前です!魔法が使えない…?そんな馬鹿な、魔法を使わずしてどうやってミリア殿と互角に渡り合えると言うんですか!」
「ノラは剣一本じゃよ。」
クロノフはこれ以上無い程のドヤ顔を見せた。
「してアレスよ、そなたの弟はどうなんじゃ。確かノラと同い年だったのう。」
「…は、はい。レオですか、あいつは元気ですよ。暑苦しいほどに…。ノラ殿やミリア殿に比べたら劣りますが、もし御二人と違う時代に生まれたならきっと天才と呼ばれるほどには優れています。」
護衛の者改めアレスはそう言った。
「そうでなければ困るのう、なにせお主達はいずれこの国を統治する存在なのじゃ。弱くては困る。」
「父…いえ国王が今回これも経験だと私をクロノフ殿の護衛に就かせましたが、思わぬ収穫を得ました。王都へ戻ったらレオにこの事を一刻も早く伝えなければ、同い年でお前より強いものは居ると。」
「ハッハッハッ、レオの奮起する姿が想像できるわい。そしてお主も王子であると同時に王国騎士団団長として若い者には負ける訳にはいかんのう。」
「ははっ…。」
とても孫自慢の末今世紀最大のドヤ顔を決めた者の言う言葉には聞こえないが、クロノフの言う事も一理あると感じアレスは自分を鼓舞するのであった。
「しかしお主もさぞ努力したのじゃろう、国王に弱き者に王たる資格なしとか言われて騎士団に放り込まれて。あの時のお主の顔ときたら今思い出しても傑作じゃ!そしてそのハナタレ小僧が今や王国最強の騎士じゃものな、全く大したもんじゃ。」
「環境に恵まれただけですよ。良い人に出逢えました。特にハナさんとドレイクさんにはお世話になりました。あの御二人は王子として立場を関係なく接してくださった数少ない人達ですから。」
アレスもまた世間からは天才と評価されるほどの逸材だった。
「どれ、そろそろ休憩を挟むか。馬車を寄せよう。」
「そうですね。お孫さんたちの話ももっと聞きたいですしひとまずこの辺りで昼食をとりましょう。」
馬車を寄せ見張りを交代しながら休憩をとっていたときだった。
騎士団の一人が何かを見つけた。
「クロノフ様!あれは…なんでしょうか。向こうの空の禍々しい様子は…。」
「何やら様子がおかしいのう…。なにやら嫌な予感がする。休憩は終わりにしてすぐ出発じゃ。」
クロノフ達から見て南の方角の空が禍々しく荒れていた。
するとアレスが恐る恐る言う。
「く、クロノフ殿、あれはリュージン村方角では…。」
「なに?リュージン村の方角じゃと!?すまんお主ら置いていくぞ!」
クロノフは馬車に乗るのを止め禍々しく荒れる空へ飛び立った。
「くそ、何もなければ良いのじゃが…。皆無事で居てくれ!」
読んでいただきありがとうございます。
カグラ村では何が起きているのでしょうか…
次回の展開にご期待ください。
そして予定していたステータス早見表を作ってみました。
結構長くなってしまったので興味が無ければ飛ばしていただいて構いません。
※某RPGを参考にしてみました。
ー ー ー ー ー
(例)
名前/一般冒険者(平均値)
種族/人間
年齢/30
魔法属性/1個
HP/3000
MP/10000
攻撃力/2000
防御力/1000
すばやさ/500
知力/500
魔力/10000
ー ー ー
名前/ノラ
年齢/15歳
種族/人間
魔法属性/?
HP/7000
MP/?
攻撃力/2700
防御力/1100
すばやさ/1360
知力/820
魔力/?
ー ー ー
名前/ミリア
年齢/15歳
種族/人間
魔法属性/?
HP/7000
MP/?
攻撃力/1100
防御力/1100
すばやさ/890
知力/820
魔力/999999+
ー ー ー
名前/サラ
種族/人間
年齢/9歳
魔法属性/光
HP/1400
MP/2300
攻撃力/180
防御力/25
すばやさ/980
知力/70
魔力/17000
ー ー ー
名前/ソラ
種族/人間
年齢/12歳
魔法属性/風、水
HP/680
MP/13000
攻撃力/120
防御力/560
すばやさ/320
知力/1400
魔力/38000
ー ー ー
名前/ドレイク
種族/人間
年齢/40歳
魔法属性/光、風
HP/18000
MP/23000
攻撃力/1800
防御力/5000
すばやさ/780
知力/600
魔力/14000
ー ー ー
名前/ハナ
種族/人間
年齢/38さi((
魔法属性/火、闇
HP/11000
MP/14000
攻撃力/3800
防御力/1200
すばやさ/800
知力/560
魔力/23000
ー ー ー
名前/クロノフ
種族/人間
年齢/76歳
魔法属性/火、水、風、土
HP/10000
MP/56000
攻撃力/1600
防御力/7800
すばやさ/670
知力/1200
魔力/100000
ー ー ー
名前/アレス
種族/人間
年齢/24歳
魔法属性/火
HP/17900
MP/38000
攻撃力/2100
防御力/1600
すばやさ/530
知力/800
魔力/38000
ー ー ー
名前/レオ
種族/人間
年齢/15歳
魔法属性/火
HP/5000
MP/34000
攻撃力/2400
防御力/1300
すばやさ/500
知力/670
魔力/39000
ー ー ー
参考になれば幸いです。
ノラとミリアは共通点が多いですね。
このステータスは現時点のもので成長や衰えによって変動もありますので時々書いていこうと思います。(魔物の情報なども)
ではまた(`・ω・´)ゞ