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パラディン・ベルヴェルク 〜転移した世界で最強を目指す〜  作者: 天月 能【あまつき あたう】
第1章 東国の異形
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プロローグ

5ヶ月ぶりの投稿です。初の1人称視点でまだまだ曖昧な部分があり、やり方合ってるかわかりませんが、こんな感じでやっていきたいと思います。題名は主人公の特徴を並べただけです。

 響き渡るのは何万もの声援。野球のドームにて必至に応援バットを叩き、応援歌をファン一同で斉唱し応援する。

 プロの野球チーム『○神○○ガース』のファンになって10余年。学校と塾のせいで行けてない試合は多いがそれでも高校2年生にしてはかなり数行っている自信はある。

 あと1本、外野にフライを飛ばせば犠牲フライで勝ち越しなのにそう簡単にうまくいかない。俺やファンは苛立ちを露わにするも最後まで血眼になって応援する。それがファンというものだ。

 カァンという音が聞こえると俺含むファンは白球を行方を目で追い「入れー!」と無機物な白球に大声で呼びかける。


「おおおぉぉぉぉぉ!」


 白球はスタンドに入った瞬間、球場が湧いた。俺も一緒になって枯れそうな声で叫んだ。

 勝利の余韻に浸りながら一緒に来た友人と最寄駅で別れ、選手別の応援歌を口ずさみながら夜道を歩いた。

 俺は完全に頭から抜けていた。絶対に通りたくない場所、そこは久米野御縣(くめのみあがた)神社と呼ばれている。見た目は普通ではあるが中身はそうではない。そのことを俺はよく知っている。



 少しだけ過去の話をしよう。

 まだ小学5年生の時、転校生がやってきた。その転校生は一条(りき)という。

 転校生がやって来てクラスメイトは興味本位でそいつの下へかけ寄り声をかける。しかし一条力は全てに対し、


「僕に近づかない方がいいよ」


 などと一蹴した。当時俺にとってぼっちになろうがどうでもよかった。

 しかし体育の時間、2人1組になる時もそう言うので流石に見るに絶えず無理やり組んだ。

 それ以来俺は一条力を付きまとい、あいつは諦め友達認定に至った。

 中学も地元の公立校に通い、高校も同じ所に通った。

 そして高1の夏休み中盤の時にあることが起きた。突然一条力からメールが1通届いた。


『久米野御縣神社に来てほしい』


と至って普通の内容だ。

 俺は久米野御縣神社まで急いで行き、すぐにたどり着いた。神社の鳥居にもたれながら待っていた。


「なんだよ、こんな夜に呼び出して」


 俺はその時そう言った。


「もう行かなきゃダメなんだ。急に居なくなるのは悲しいだろうから、君だけには言っておこうと思って」


「引越しでもするのか?」


「違う。僕は本当の世界に帰らないといけないんだ。だから多分もう会えない」


 本当の世界とは何なのか、一条力の話に全く要領を得ない。しかしその状況は一変した。神社の鳥居が突然白く光り始めたのだ。


「なんだよ……それは?」


「これがこの世界と向こうの世界を繋ぐ扉。5年前僕はここを通ってこの世界にやってきたんだ。開く時間は1分もない。いつ開くかもわからない。だからずっと待ってた。扉を開く予兆をさ」


「何言ってんだよ、早くこっちに――」


 あれは何かの入り口であることをすぐに悟った。だから無意識のうちにそんな言葉が出た。どこかに行ってしまうのではないのかと。


「さよならだ、拓人。楽しかったよ」


 一条力は鳥居に吸い込まれるように消えて行った。止めようと段差を登ろうとすると急いでいたあまりに足を引っ掛け転んでしまった。そしてそうしている間に扉は閉じた。



 それから1年経った今、俺はその神社の目の前にいる。一条力と別れた場所のためできるだけ近寄りたくなかったが応援していた野球チームが勝って、その嬉しさのせいで頭から抜けていた。

 鳥居をじっと見つめて、しばらくしてため息をつき、


「ないない。あの時みたいにならないことくらいわかってるのにな」


 俺の中にはまだ諦めきれないものがある。一条力ともう一度会いたい、会ってあの頃のように話したい。しかしいなくなった悲しみの方が勝ってしまいどうしても近寄りがたい。

 俺はまたため息をつき、その場から去る。すると後方から白い光が発しているのがわかった。街灯が発した光ではない。もっと純粋な見覚えのある真っ白だ。

 振り向くと鳥居は白く発光している。間違えるはずない。あれは一条力と別れた時と同じだからだ。俺は反射的に走り出し、その場の勢いで白い光の中へ飛び込んだ。



この作品を機に作者名変えたのでご了承ください。

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