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戦国魔王転生伝 二人の魔王物語   作者: 樺太いぬっ子
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招魂の儀 ~ カルディナの思い①

転生してまだ一ヶ月。早くも招魂の儀を行い、自分の手足となる臣下を得る。


新月で夜警の為の松明が灯されてる以外、一切の明かりが無い深夜に我は招魂の儀を行う事にした。誕生してまだ一ヶ月の武王丸は言葉も動作もままならない。したがって視線と思念を使って招魂陣を部屋の天井に描く事にした。



《我は高位魔法騎士(ハイマジックナイト)カルディナをここに導き召魂を行う。我との忠義をここに示し、今股肱の臣となるべく、我の元に帰還せよ・・・》



漆黒の闇の中、天井に描かれてる蒼き光を放ってる魔法陣は、中の魔法記号(ルーン)は様々な文字や形に変化し武王丸が望むイメージを部屋の中心で陽炎のように人型の形を造り始めた。



無声無音での儀式はなおも続く。《ここにカルディナへ、我から力を授ける。その力は敵を倒し味方への守護を行い、我が統治する民衆を導く力だ。不死鳥(フェニックス)の力を宿すその身体を武王丸に尽くせ・・・・・》



部屋の隙間から外部に光が漏れたんで、誰か気が付いて駆けつけるかと思ったが、無音なので誰もやってこなかった。招魂の儀を終えた時、武王丸は高熱が出て、汗でびっしょりになった。ここに転生して僅か一ヶ月ほどで魔力の大半を使ってしまったので、身体に負担かけたみたいだ。今後は、もっと身体を鍛えて儀式への負担を減らそうと思った。



カルディナは、赤みがかった金髪に肩より少し長い髪型で、身長は五尺三寸(約160cm)ぐらいで、ここの国の男達と同じぐらいの身長だった。おそらく人目につけば、大女と呼ばれるだろう。グラマーというより控えめなプロポーションで、筋肉が程よくついたスレンダーな感じだ。



武王丸の傍にひざまつき、こちらを向いて「陛下、私をこちらに導いてくれてありがとうございます。陛下の為に粉骨砕身して働きますので、私をすり潰してでも陛下と魔族の未来を御創りしてください。」



《カルディナよ、陛下と呼ばなくて良い。今は武王丸と呼べ。其方は忠義の臣なのはよく理解してる。まずはここの地で基盤を作らないといけないので、其方は本来我の魔王警護ロイヤルガードするのが任務だが、ここは我が生まれた両親の城の中なので、当面は危険度は低い。なので其方の任務は、しばらくはここの世界の戦術や戦闘技術を身に付けてこい。魔法は自分の正体を隠すのに認識錯誤、身体変化、幻影を使うのは許可する。魔族の戦闘術や魔法は使うな。もし戦闘巻き込まれたら、この国の戦闘技術で対応しろ。》



カルディナは、全裸で身一つの状態で現れたので、『紅蓮の翼』と衣服や装備一式を創ってやり、空中に浮かべた。「もしやこの魔剣は。前世で武王丸様から預かりし剣、トライズの剣とぶつかり合い破壊されて消え失せたはず・・・・」



《この魔剣を受け取るんだ。『紅蓮の翼』は、我がもう一度創りあげた。其方はこの城にいる者達に見られぬように、退出しろ。最初は、祖父・武田信玄が居る甲府の城下町を目指せ。其方の身体や装備は、認識錯誤の魔法でこの国の物に合わせるんだ。そして身に付けた技術を実戦を経験してくるんだ。》



「はっ!承知しました。誰にも見られぬように新月の今夜にでも甲府に向かいます。」



カルディナは音も立てず、闇の中に溶けるかのように姿を消して任務遂行の為、旅立っていった。カルディナが旅立った後、武王丸は疲労した身体を休息させる為に、瞑想行う事にした。



____________________________________________________________



高遠城 カルディナ



今夜、武王丸様へいかが、私を招魂の儀で、こちらに呼んでくれた。最初に呼ばれたのが私で、大変光栄で凄く嬉しかった。武王丸様には大変恩義を感じており、前世では私を導いてくれました。私が住む街は一度西方諸王国軍に攻撃をされて、私は捕らえられてしまい兵士達の性奴隷にまで、身を落とされてしまいました。



いずれは消えゆく命だと思い、生きる事を諦めていましたが、当時の陛下が率いる軍に街は解放されました。陛下は、街を開放した時、生存出来た人々一人一人に傷ついた心身を魔法で癒してくれました。私も、陛下の前に連れてこられましたが、このようなボロボロの身体を見せる事に辱めを感じ、陛下の御前に出る事を拒否しました。



しかし陛下は私の心情を見透かしており、進化に私を呼ぶ時は全身をシーツを被らせて、他の者に姿を解らぬに連れてきなさいと命じました。私は、この壊された身体を辱めを感じさせぬ配慮で治療してくれた陛下を大変感謝し心酔しました。



その後、私は陛下の力になるべく戦闘術や魔法を習得し、誰にも負けない位の実力をつけれました。私の先祖には不死鳥を守護にして力を借りる事が出来て、炎の魔導師として才能が開花しました。さらに戦士としの剣術、槍術、弓術、格闘術をも会得しました。



身に付けた魔法と戦闘技術は、西方人との闘いにおいて敵う者は現れませんでした。西方人からは、戦場で『紅蓮の魔女』や『炎の魔人イフリート』など呼ばれてました。



私は、自分の異名が陛下の耳に届き始めた頃、自ら魔王軍に参陣し魔王国に仕官を望み叶う事が出来ました。陛下は、すぐに私の資質を見抜き、魔剣『紅蓮の翼』を創り与えてくれました。この魔剣は、私の守護不死鳥フェニックスと同調増幅し、炎の魔法が私の意志で自由自在に使いこなせるこの世に二本と無い魔剣。この剣を陛下への力になりたいと固く誓いました。



その後、私は魔王軍の中で戦功を上げるうちに緊急展開部隊の指揮を任されるようになりました。この頃から、西方諸王国連合の反撃が強まり、各地で劣勢を強いられるようになりました。私は、八千人の部下と一緒に潰走しかかった味方の支援へと戦場を駆け回っていました。この頃戦場とかの噂で、魔王軍の将官を狙うグループが存在し何十人も将官が犠牲になってるとの事。戦場では、様々な出来事が起きますが、少数で指揮官を狙うというのは、特別チームを結成してもそう簡単に成功する訳ではない。それが噂だと思っても、聞き流せる話ではなかった。



私は、味方の救援や戦線の盛り返しにより武勲を重ね、陛下自ら魔王親衛隊ロイヤルガードへ指名された。陛下の御傍にいられる事は、その時が嬉しさの絶頂だった。ただ戦争自体は、魔王国にとって戦況が逼迫していた。私が例え今まで道理に緊急展開部隊を率いてたとしても、もはや戦争の流れが魔王国側に来なかった。



勇者トライズと初めて会い交えたのは、魔王軍中央打撃騎士団センターストライクナイツが魔王都ゼノリアースより西方250㎞のアイゼンフィールズ要塞で包囲を受けてた時だった。アイゼンフィールズ要塞は、三つの連なる岩山の中に坑道や魔導砲台を設置してるこの難攻不落の要塞は、拡張に拡張を重ねて、麓の町イテアまで城壁と土塁と堀で囲まれており、全周囲20㎞以上の長大な要害になっていた。そこは、魔王軍15万の将兵が篭り、西方諸王国軍40万を受け付けなかった。



だが西方諸王国軍は、手をこまねいていた訳ではなかった。勇者トライズ率いるアタックチーム十数人は、アタックチーム全員が高レベル魔法使いで、魔法を豊富に使用して警戒が薄くなる夜間に侵入。数人の犠牲者を出しながらも要塞司令官スーティ・シルファンス公を打ち取る。シルファンス公は、私の親友で彼女は『音速精霊師ソニックシャーマン』という二つ名を持ってるハイエルフだった。私よりも遥かに才能ある彼女は、私が救援に駆けつけるまでにトライズ達と直接干戈を交えており、すでに3人のアタッカー達を屠ってた。しかしトライズ達の決死な覚悟で、シルファンス公に持っていた秘宝アーティファクト使用し彼女の精霊力を一時的に無力化してしまった。そこにトライズがシルファンス公の急所を突き刺し彼女は倒された。



私は、親友の救出に間に合わなかったが、駆けつけて『紅蓮の翼』の力で不死鳥フェニックスの蘇生魔法を試みようとした。しかしトライズ達は私を倒すために妨害してきた。トライズ達を私のファイアーランサーで串刺しにしようとしたが、トライズのみ回避されてしまった。トライズは、私に斬りかかる。私は、『紅蓮の翼』で精一杯だった。そして両者の剣が交わる時、両方共粉々に砕けてしまった。私もトライズも剣刃を失ったが、トライズは自らの魔法で光の剣刃を創り出して、私に襲い掛かってきた。



私は、周囲の床を溶岩状に溶かして、トライズ達と私達の間に溶岩の堀を創りシルファンス公の身体を引っ張り後方に撤収した。トライズ達は、溶岩地帯を横断するために冷気の魔法を使ったりして、追撃を再開するはず。その間にシルファンス公を担いでどれだけ退避出来るかと思考してたが、彼女は虫の息で私だけ逃げてくれと言い、「貴女を愛してるわ。私に剣が砕けて失ったのだから、私の剣を持っていって・・・」と言い息を引き取った。



彼女が亡くなってから、私は生き残った魔王軍を集めれるだけ集めてアイゼンフィールド要塞から撤退した。私達が撤退した数日後に最後まで撤退を拒否してた部隊が玉砕し、西方諸王国連合は要塞とイテアの町の制圧宣言が発表された。















勇者トライズは、ガンダムで言えばアムロ・レイみたいな存在で、魔王国の人材が誰当たっても勝てないジョーカーみたいな感じです。長くなってしまったので,この話は分割します。


次回、カルディナは武王丸の命で、甲府の町へ赴く予定。


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