年下美少女サムライガールとセッ〇〇
短いです
「度重なる不始末、斯くなる上は、腹を切ってお詫び申し上げます……ッ」
「わーッ!、ストップ! ストップゥ~っ!!」
蛍光灯の光を受けてギラリと光る短刀。
俺は慌てて止めに入った。
「ははは。一之瀬、放っておきなよ」
「お前アホか! マジもんの刃物だぞ!?」
「大丈夫さ。さっきも言ったけど切腹って介錯が無いとなかなか死ねないんだよ」
「さっきも言ったけどそういう問題じゃねー! っつーかコレ何回目だよォ!」
最初、俺をボコボコにした鈴蘭は、我に返ると即座に腹を斬ろうとしたので、俺は泡を食って止めに入り短刀を没収した。
次に彼女は縁側で俺の手当てをした後、再び切腹を試みたので短刀を没収し、今度は兄に叱られ腹を晒したあたりで俺は事前に短刀を没収した。
更についさっき、一家団欒の食事中に今日の出来事を一輝が話すと、なぜか食卓に着くことを拒否していた鈴蘭がふらっとどこかに行った。
そして嫌な予感がして待機していた俺が今、こうして4本目の短刀を没収したという流れである。
「っつーかどんだけ短刀持ってんだよ!」
都合4回の切腹未遂で、気持ちに余裕が出てきた感すらある。
正直、鍛え上げた見事な腹筋の上にうっすらと乗る脂肪がエロいザマスとか、サラシの盛り上がり方がミサイルを彷彿とさせるでヤンスとか思ったりもする。
けしからん兵器を保持するけしからんJCにけしからん妄想をしてしまいました。
「鈴蘭、騒いでいないでいい加減食卓につきなさい。ご飯が冷めてしまうだろう」
「パパの言う通りよ鈴蘭。あなたは腹を切る前にすべき事があるでしょう?」
「い、いえ父上…… わたくしのような小娘がご一緒の席に上がるなど……」
とまあ、さっきからずっとこんな調子で、俺がいるうちは意地でも食卓に着きそうにない。
俺は何となく部屋を見回した。
広いリビングに、フルオープンのどっしりとしたシステムキッチン。ふかふかの長ソファーがテレビを囲み、家族5人と俺が座ってもなお余裕のあるダイニングテーブルが鎮座している。
威厳のあるイケメン親父と、笑顔を絶やさない優しい母親。奇抜な恰好をしながらも息子嫁の料理を褒める姑に、親を友人に紹介する事について恥ずかしがりもしないチャラ男。
佐々木家のリビングは、俺たちが安直にイメージする『幸せ家族』そのままだ。これで刃物片手に腹丸出しの妹がいなかったら完璧に違いない。
とにかく、このままでは申し訳ないので、ご飯を頂いた俺は席を立つことにした。
「ごちそうさまでした。今日もホント美味しかったです。お世話になりっぱなしですみません」
「と、とんでもない! 将来、私達佐々木家がお仕えする――――」
「―――母さん」
「あ……っ ご、ごめんなさい一輝、私ったら興奮して……」
なぜかわからないが、俺は下にも置かない歓待を受けているっぽい。
全く身に覚えがないので、おそらく、一輝が中学時代に相当やらかしたんだろうと推察する。
ウチの一輝が友達まで連れてくるようになって……ッ(涙) という感じなのだろう。
「ママ、湯殿の準備はどうなっている?」
「もちろん出来てますよ!」
「それは良かった。ささっ、うえさ……一之瀬君、食事が済んだならお風呂に入ってくるといい」
ご飯も一段落し、残ったおかずをつまみにビールを飲み始めた佐々木パパがにこやかに言う。
佐々木ママも「どうぞどうぞ」と満面の笑みだ。
「え、あの俺、さすがに一番風呂は入りにくいっていうか……」
「細かいことはいいじゃないか一之瀬君。君は大事なお客様だ。遠慮することは無い」
「あ、ああ、じゃあお言葉に甘えて……」
昨日も一昨日も繰り返されたやり取りなので、断り続けるのも逆に失礼だ。
朝から汗を流しっぱなしだったので、申し訳なく思いながらもお風呂を戴くことにする。
「いってらっしゃい」
「ゆっくり入ってらしてね」
やけに上機嫌な父上、母上が軽く手を振って見送ってくれる。一体何なんだろう……。
アホみたいに広い家も、基本的に一本道なので迷いはしない。でも掃除が大変だろうなあとやけに所帯じみた事を考えながら風呂場に向かった。
脱衣所で服を脱いで浴室に入る。家も広けりゃ風呂も広い。
足を延ばすどころか、ちょっとした旅館の貸し切り温泉みたいな感じの石造りの立派な浴槽は、羨ましいの一言だ。
むわっと籠った湯気でまわりが見えなくなるあたり、どんだけ広いんだよと思う。
「体、洗うか」
見た感じ循環風呂であんまり関係ないと思いつつ、人様の家の一番風呂なのでやはり気は使う。
洗い場の前で座ると、鏡に映る自分の体の至る所に青あざが浮き出ていた。少しだけ自己満足しながらシャンプーで頭を洗う。
そして、一応コンディショナーもしちゃおうかな~ と手探りでボトルを探していた時、その声は耳元で発せられたのだ。
「お背中お流しいたします」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
可愛い女の子が突然背中を流しにやってくる。
それは、男ならばいつかは体験したい鉄板イベントランキングで、間違いなくトップ3に食いこんで来るであろうシチュエーションだ。
だがしかし、残念ながらそんな事は現実に起き得ない。ラノベの読み過ぎで脳が沸騰した方々がかかる病気の一つに過ぎない。
俺の周りでそんな体験をした異端者は皆無だったし、少なくとも俺はそう思っていた。
そう、ついさっきまでそう思っていたのだ。
「痛くはありませぬか?」
「い、いえ、ちっとも痛くないでござる……」
鈴蘭さんである。
風呂に入っていたらサムライガールが風呂に入ってきたでござるの巻である。
ポルナレフさん説明して!
たっぷり泡立てたタオルが俺の背中をゴシゴシと擦る。
湿気に強く曇らない高性能ミラーが恨めしい。慌てて腰に巻いたタオルが心許ない。
チラリと盗み見た彼女はバスタオル一丁で、剥き出しの太ももがやけに艶めかしかった。ほっそりとした肩が豪快に水をはじき、鎖骨にたまる汗と滴が、背中を擦るたびにタラリと垂れる。
「次は『前』を」とか言われたらどうしよう。
ミサイルJCに「次は『前』を」とか言われたらボクちゃんどうしましょう!
ありのまま童貞らしく焦って見せるべきか。
それともここは常識的に「前は自分で出来るもん」か。
イケメン風に「キミに『前』はまだ早いさ」かもしれない。
いや違う、そうじゃない。俺の中の紳士が「では洗っていただきましょう。『前』を……ッ」が正解だと叫んで――――
「お背中洗いましたので、次はこちらへ」
「ではお望みの通り『前』を…… って、何このマット……?」
「佐々木家に代々伝わる按摩用下敷きです」
いつの間にかソレは置いてあった。
どこからどう見ても大人のお風呂屋さん必須装備だった。
「ね、ねえ…… これ別の用途で―――」
「按摩用です」
「お父さんとお母さんが仲良く按摩風プレイを―――」
「あ、按摩用ですッ」
耳まで真っ赤になった鈴蘭さん。
おそらく何となく感づいているに違いない。とーちゃんかーちゃん自重しろよ……
「と、とにかくここにうつ伏せに願いますッ」
「わかったよ……」
せっかくなので言われた通りに横たわる。
最初は圧倒的ポルナレフ状態だった俺も、ここまで来たら多少は冷静にもなる。
親も兄貴もババアも同じ屋根に暮らしておきながら、思春期の男の風呂に年頃の娘が単身乗りこんで来るとか、手を出してくれと言ってるようなものだ。
しかも実家も実家でそんな事やってバレないはずがない。そもそもあの団欒中だ。鈴蘭がここに来ることに気付かない訳が無いではないか。
ペタリと鈴蘭が俺の背中に触れる。垂らされるボディーソープがやけに冷たくて、ヌルヌルと背中を滑る鈴蘭の手が燃えるように熱かった。ちょっとこれは……ヤバい。
俺はギュウッと目を瞑った。間違いない。これは罠だ。
風呂に入る前、親御さん二人の生暖かい笑顔が頭を過る。
―――いってらっしゃい
―――ゆっくり入ってらしてね
おかしい。絶対におかしい。
佐々木家は一体どうなってんだ。一輝のやつは何考えてやがる。
一体俺を罠にはめて何をするつもり―――
――――ふにっ
騙されるな。冷静になれ一之瀬ミナト。これは陰謀だ。ふにふには陰謀だ。何がふにふにかよくわからないけどとにかく陰棒だ。
佐々木家が家族ぐるみで俺を陥れようと―――
――――ふにふにっ
あかんっ あかんよ~!
年頃の乙女が見知らぬ男にふにふにしたらあきませんよぉッ
そんなんされたらオッサン、マッサージされてんのに別んトコ凝ってまうよぉっ
あと一回でもふにふにされたらもう…… ぼかぁもうッ―――
――――ふにふにふにっ
「堪忍やでぇェェェ~~~ッッ!!」
俺は腕を掴んでガバッと仰向けになる。するとそこには―――
「ま、孫の見てる前でなんてッ! 若いってのはいいねえ…… ポッ」
片手を頬に当て、うりんうりんと体をくねらすババア。身に纏うファンシーな水着にこの世の終わりを見る。
俺は慟哭した。
「『ポッ』じゃねぇンだよババアぁぁ~~~~ッッ!!」
「ぷりちーなおねいさんだろうクソガキッ!!」
年下美少女サムライガールとセップク
佐々木家編終わんねえ・・・
でも次話で間違いなく終わり




