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きくさく  作者: るんるんらんらん
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自由への世界~

おっ! おい! 菊雄は叫んだ。“どうしたんだ~” “・・・・・・・・・”反応はなかった。 菊雄は必死だった。“なにがあったのかは知らないけど・・・・とりあえずこっち見て~”  “。。。。。。。。”反応はない。 菊雄はかなりあせりだした。こんな経験ははじめてだった。そしてもし橋の上の女の子が飛び降りでもしたら・・・・・・ 菊雄は気が気でなかった。 どうしよ? どうしよ? 菊雄は泣きそうだった。っとそのとき女の子は、手すりから手を離した。 


 手すりから手が離れた。彼女は飛び降りる寸前だった・・・菊雄は状況がのみ込めないまま呆然と立っていた。空が目にはいってきた。四月の空にしては空は青すぎていた。流れ行く雲・・・雲・・流れ行く時間・・・時間・・・。このまま時間にみをゆだねて自分は傍観者でありたかった。そうただの傍観者で・・しかし目の前の現実は菊雄の良心を目覚めさせた。あの子を救う。菊雄は走り出した。良心の聞こえるほうに向かって・・・ 女の子は走り出す少年に気がついた。自分の視界には少年の姿があった。しかし、一度傾きかけた重心は元にもどることなく、時間の流れに巻き込まれ女の子は、落下しはじめていた。

女の子は、どうすることもできなかった。すでに体はたおれていた。・・・菊雄は走っていた。なんとか女の子の落下地点にいけるように・・・あたりは静かに感じた。菊雄は今この場所からにげたかった。こんなところに遭遇するなんて・・・ついてね・・・10秒後の未来をこんなに見たくないと思ったことはなかった。はたして女の子はどうなるんだろか?俺に刑事責任はあるんだろうか?あ~・・めんどくせ~家帰って風呂はいって眠りていよ・・・いつもならそういう素直なセリフが簡単に言えたのに・・・静かだ。川のせせらぎも、小鳥のさえずる音もやけに遠く聞こえる。・・・才能あるよ兄貴は・・・弟の声がおもいだされた。3年間練習すればきっとすごい選手になるよ。いつも弟は俺を応援してくれてた。・・・弟に会いたい・・・もう弟にあうことはできなかった・・・ねぇ~兄貴どうすればうまく打てるようになるの?・・・菊次郎おまえのはグリップのにぎりがあまいんだよ。・・・・・・ねぇ~兄貴、人って死んだらどうなるの?・・・バ~カ死んだことねぇからわかんね~よ。でももし死んでも、また生まれ変われると思うと死なんて怖くないし、また死んでも続きがあると思うと面白いじゃん。・・・ねぇ~兄貴俺ね兄貴の弟でよかった・・・また兄貴の弟になれるかな?・・・ねぇ~兄貴・・・その響きが今では懐かしい。なにげない日常をなにげなく送ってた日々が今では幸せに感じられた。・・・もう疲れたから眠るね・・・最後の言葉だった。3年間の闘病の末、弟は静かに眠りについた。弟に朝はもうこなかった。・・・・死が身近に感じられるとき弟がいつも現れていた。 女の子は宙に浮いていた。 


女の子の体は中に浮いていた。“あれ 私・・・・・・・・・・・・・女の子の意識がはっきりしてきた。深く暗い記憶の底から貴方は私を見てくれるのだろうか・・・ ”私・・・・・・・ここで・・・・・・“ あたりの景色はとても見覚えがある。何かが懐かしい・・・・・この景色の記憶にいつもだれかといたいような気がする・・・・・・そしてその人に会いたくて・・・・・・ 次第に感覚を取り戻していく・・・・・・私は・・・・私は・・・・さ・・・く・・・・ら・・・・・・。



‘私は、花咲桜・・・・‘ 記憶がよみがえる。目頭が燃えるように熱い・・・意味のない涙があふれてくる。いやこの涙は自由への歓喜なのかもしれない。やっとすべての支配が解き放たれ、虚像でしか感じないこの世界に実像への扉が開いた気がした。そこに通じるもの・・・・・・・開放・・・・・・すべての開放がなされるとき桜は、自由への真理がそこにあることをうすうす感じていた。 彼女が求めていたもの・・・それは自由。

 桜は自由を求めていた。自由こそすべてだと思っていた。しかしほんとの自由を追い求めはじめたときから、桜の自由は束縛に変わり始めていた。・・・・好き勝手やることがほんとの自由だと信じていた日々、しかしその自由は長くは続かなかった。その自由は本能の奴隷でしかなかった。そしてそれに気づいてしまった。さらに束縛が彼女に襲いかかる。ではほんとの自由とは・・・・・  

桜の家には厳格な経典があった。父は経典を崇拝していた。経典に背くものすべが裏切り者の異端者として排除されていた。幼い子供にとって生まれ育った環境がすべてだった。桜は真っ当な殉教者だった。あの日までは・・・



やがて桜は18才をむかえた。経典によれば桜は同じ宗派の花の歳、第一貴公子と婚約はすでに決まっていた。生まれながらして運命がそう決まってしまうことに違和感をかんじていた。<私これでいいの?・・・・私・・私は自分の足で歩きたい。・・・・今という時間は誰のため?・・・・>桜の自我は芽吹き始め、桜は経典を嫌うというよりもむしろ他の世界に旅立ちたかった。縁談の日桜は、家を飛び出した。自由な空気を求めて・・・経典に背き・・・ 自分を求めた。 すべてが新鮮だった。まるで巣立ちの瞬間小鳥が感じる自由のように桜はどこまでもつづく水平線を喜びの翼で舞い上がっていた。笑いが止まらない。 ‘父も母もできないことを私はやっちゃたった。‘ 早春の暖かさは、彼女を優しくむかいいれた。鉄格子に囲まれた牢屋暮らしに感じた日々から逃走したのだった。

どれくらい走ったのだろうか?あたりは暗くなっていた。東京にいこう。桜には今年東京で一人暮らしを始める友達のモモカがいた。モモカと桜は幼いときからの親友だった。モモカは桜がいずれ家を飛び出すことも知っていたし、なによりも桜と暮らせることを楽しみにしていた。そして桜は突然やってきた。<桜?どうしたの?> <すっぱかしちゃった・・・・> そして二人暮しがはじまった。昼モモカは学校行った、桜は、ピアノに華道、園芸・果樹・野菜栽培、習字、舞踊、料理、何でも経典の教えによりこなすことができた。とくに華道や園芸・果樹・野菜栽培にかんしていえば、貴族に仕えてた花咲家の技術は高かった。桜はハウス一棟を借り作物の栽培を始めた。野菜は有機農法にきめていた。しかし化学肥料を使わない有機栽培では収穫量では劣る。このやり方でうまくいくには・・・・桜の試行錯誤の日々が今まさにはじまった。 

 桜の野菜つくりは、近所の主婦の間でうわさになり、やがてほしがる人が次第に増えていった。野菜作りの基本は、植物を厳しくそだてることだった。植物はその性質上、水がなくなったり、寒さ急激な寒さを与えることによりストレスを感じると生産活動は、抑えられ替わりに植物自身防御にはいる。そのとき植物の体内で糖の合成が盛んになり、糖度が増して、野菜に甘味が増す。しかし、管理を誤ると植物は、死んでしまのできわめて難しい栽培方法である。植物の気持ちを察するだけの優しさが必要である。桜の野菜は、おいしく、安全で、無償であげていたので、主婦の間では、私も私もという声が盛んになった。その競争は、日々日に激しさを増して、桜はだれにあげたらよいかわからなくなった(><) 「どうしよう?」 もてるものと持たざるもの。食べれる人と食べれない人。すべてが平等をと謳い文句にしているこの国でさえ格差ができてしまう。この格差はやがて差別につながり、恨みの種になることを桜は恐れていた。その帳尻合わせを桜自身どのようにしたらよいか桜は悩んでいた。量に限りがあるのでほしがる人みんなに行きととかない。そうすると我に我先にと桜に言い寄る。そして事件は起きた。ある日桜がいつものように圃場に出かけて大根を・・・・・・・   

 

前回までのあらすじ・・・・・菊雄の前に突然姿を現した少女の名は櫻、がしかし櫻は鉄橋の上から飛び降りた。そのとき櫻は過去を思い出していた。東京暮らしをしていたとき櫻は野菜作りをしていた。そんなある日いつものように大根を収穫にいったとき事件は起きた。


 一人の主婦が大根をぬこうとしていた。「だれ!?」「・・・・・・あら櫻さん」この主婦は町内会の会長婦人だった。櫻にとって生理的に好きになれないタイプである。自己中で有名なその婦人は、とにかく図々しい。我先にと大根をほしがるひとりだった。「もらっていくわね」それをいわれるといやといえないのが櫻の性分である。もし断りでもすれば・・・・・この町内を牛耳っているだけありそれを言うのは怖かった。 櫻は争いごと起こしたくないのでいつもうなずいている。「うん・・・・・・どうぞ」満面の笑みを浮かべたその婦人は特に悪びれることもなくそそくさと大根3本抜き、いってしまった。今日の収穫分の半分である。 「私がガツンといってあげるよ・・・」モモカに相談するといつもいってくれた。その言葉がいつも嬉しい。でも現実的にはそれをするのは、はばかれるのでモモカには“ありがとう”とだけいいそれ以上望みはしなかった。この町内会婦人の発言力は強かった。この町内に浄水場建設の話が持ち上がったとき、断固として反対運動の先頭に立ち町内会の署名入り判子を全部集め反対にこぎつけたつわもの。このことがあってからみな尊敬のまなざしでみていたが、日々態度が大きくなるにつけみな嫌気がさしていた。やがてその態度は権力までもちらつかせ、やがて権力に依存しはじめた。権力におぼれていくその婦人をあわれに思っていたが、櫻は見栄と偏見の吹きだまる世界に無縁でいたかったのである。 

桜が家を飛び出してから3ヶ月がたった。東京の暮らしがやっと板についてきた。春の朗らかさから梅雨のジメジメした日を感じ始めていた。いつもこの時期になると忘れられない母へのおもいでがあった。

 桜が小学校2年の今の時期・・・・・外は雨が降っていた。桜が学校から帰ると部屋は温かくジメジメとしていた。その感じが桜は嫌いだった。母親に文句をいうと母親は「ごめんね」とだけいっていた。そんなある日桜が体調くずして学校からはやく帰宅したときのこと・・・・部屋にはいってみるとストーブが炊いてあった。そうなのです。雨で洗濯物が干せない時、いつも母親は熱い中部屋でストーブをつけ洗濯物を乾かしていたのです。毎日乾いた洋服をきれたのも、母親のおかげだったのである。母親がいつものように「ごめんね」といっていたが、桜は首を横にふり「いいよ。いいよ」といった。自分のわがままさが恥ずかしかった。それ以来つゆのジメジメした日には母への優しさを感じるさくらであった。 


  東京で二人暮しをしている桜の親友モモカは幼なじみである。モモカは、ハキハキしていて桜とは正反対の性格だった。小さいころ泣いていた桜をかばっては、仕返しにいったものである。「ねぇ~桜いやなことははっきりいやっていわないと・・・・」「そんなの気にしてたらだめよ!」 そんなことよくモモカに言われたなぁ~。そんなモモカも最近様子がおかしい。『ねぇ~モモカ。最近帰り遅いよね??』『まぁ~ね~』『はは~・・・さては・・』『さあね~』桜はそんなモモカの表情をみていると嬉しく感じた。やがてモモカは何かを打ち明けると思っていたからそれ以上聞かなかった。  

 『今日もいい天気だ。』初夏の日差しは桜に優しく照りつけている。『これから夏だな~』はじめてむかえる東京の夏を楽しみにしている桜だった。 


 東京での初めての夏。東京の夏は暑かった。太陽の光はサンサンと照り、その熱でアスファルトは熱かった。光は熱の逃げ場を失い、逃げ場を失った熱たちは再びアスファルトから照り返す。道を歩くたびに太陽からの熱とアスファルトからの熱が照りつける。桜は木漏れ日の下で横になりたかった。「暑い・・・・」そよ風が涼しく感じる田舎と違い、都会の風は熱風である。 無為なコンクリート、無味乾燥としたは町並み、すべてにおいてセカセカとしている人。それらを都会と呼ぶのだろう。都市機能はその性質上すべてにおいて効率的な合理化を求めている。しかし求めすぎた合理化は、人にとって住みにくい町にしてしまった。住みやすい町とは、安らげる町のことをいうのだと思う。だとするなら無味乾燥としている東京砂漠に緑とういう生命の軌跡がほしいものである。緑は斬新な姿で我々に溶け込んだとしても無条件に受け入れることができる。そして心の角張った多面体が丸くおさまる感じがする。今都市は、情報化社会の伝来により、一極集中型から多極型へと変化している。この変化により東京のビルが減り、緑の姿が垣間見れる日がきてほしいと思う桜であった。 


 桜が家を飛び出してから4ヶ月の月日がたっていた。そんなある日桜がコンビニへ行く途中4~5人の男たちが桜を取り囲んだ。『だれ?・・・・・だれなの???』 


 「花咲桜さんですね??」「・・・・はい」「桜様お帰りください」「えっ!?じいや!じいや、何しにきたの??」「桜様をつれてくるようにとお父様からの命令です。」「いやっ!私帰らない。格式ばったあの家にはもうもどらない。」「そういわれましても・・・・縁談が中断してしまい大変でしたのぞ。」「・・・でも私もどらない。」「手荒な真似はしたくはないですが仕方がないでしょう」じいやは、がたいのよい男たちに合図を送った。桜は周りを囲まれた。 “まずいわ・・もしここで捕まったらもう二度と外にでることはできない。あの家は檻だわ。檻の中の暮らし、文切り型の生活、ルーティンワークの日常、それが私の幸せ??それが私の求めるもの??いや違う!私は自分を守る。私の自由を守りきる・・・・” 男たちは桜の腕をつかんだ。その瞬間桜は服を脱ぎ捨て走り

始めた。


 桜は、走り出した。走りながら考えていた。どう逃げ切るか。。もう時間がない。モモカを道連れにはできない。違う国へいこう。桜はタクシーに乗り込みモモカの家に向かった。 「あらっ!桜お帰り!! どうしたの??」「モモカ今までありがとう。私もうこれ以上ここにはいれない。わけはあとで話すわ。」 「え!桜いきなりどうしたの??」「ごめん ごめん モモカ またかならずもどるから・・・・・。」なんとなく察しがついたモモカは、黙ってうなずき、桜を温かく見守っていた。桜は荷物を持ち出し、国際空港へ向かった。しかし空港にはすでに男たちが先回りしていた。  


 国際空港についた桜であったが男かちは待ち構えていた。

搭乗口付近で飛行機にのるチャンスをうかがっていたが、男たちの鋭い視線で近づけない。

男たちは、うろうろと動き回ることなく客にまぎれて、一人一人添乗する女性を注意深く

みていた。そんなとき女性乗務員の談笑が聞こえてきた。「今日のフライト暑かった~」

「えっ?どこだったの??」「ワイハよ~」「な~んだ今から私南アフリカのマダガスカル

に飛びま~す。」「え~あそこって国際線あったの~」「うん(笑)」「(笑)」「今日はもうあ

がりよね」「うん」「先輩おつかれさまです」「がんばってねえ」「・・・」「・・・」桜はと

っさに判断し女性乗務員のあとをつけた。


 「山口先輩あの~?」(この子誰かと勘違いしている。。。)「六時からのミーティング六時三十分からになるようです。では、お先です・・・」ほっと一息ついた。(もたもたしてたらまた人に会うわ)桜はロッカールームから制服を取り出しその場を立ち去った。すぐに着替えて再び搭乗口にたどり着いた。やはり黒づくしの男たちの視線は鋭い。しかし、男たちの矛先は常に一般客の女性であり、乗務員の格好をした桜には気づかない。そして桜は、そのまま飛行機に乗り込みまだいったこともない新天地マダガスカルに旅立った。 


@連載小説21話(菊雄と桜)第三部  マダガスカル

桜は空港からおりるとマダガスカルの国旗が目に飛び込んできた。赤・白・緑の三色が見える。その三色は主要民族を表現していて、赤は愛国と主権、白は純白と自由、緑は希望と進歩を象徴している。マダガスカル・・・日本の国土の1.6倍の面積をもち世界第四位の島国。アフリカ東海岸の沖合いにありアフリカのすぐ近くにありながら他のアフリカの地域と大きく異なっている。世界の他の地域では見られない動植物がいることで有名で動植物がアフリカ大陸とあまりにことなるためそのことを根拠に《かつてインド洋にもうひとつ大陸があったという》説があり今でも論議は続いている・・・    つづく



高度を下げ始めた飛行機の窓から見渡されるマダガスカルの大地の眺めは、桜に最初の鮮烈な印象を与えた。とりわけ、乾季の大地は、赤みをおびている。いまや日本の1・6倍の面積をもつマダガスカルの広大な大地に残された森林はわずか8パーセントにも満たない。空港から首都アンタナナリヴに向かう沿道に展開する風景もまた、新たな印象を印した。機内から見た大地の様子そのひとつひとつは世界の何処かで出会うことができるものの、全体はその何処とも違う風景。そのすべてが桜にカルチャ~ショックを与えていた。しかし、それは、桜が初めて感じるものではなく、どこかそう遠くない昔に直に触れていた記憶のようであった。町で見かける光景を楽しんでいた・・・・・・桜がフラフラと歩いてると突然一人の少年が、桜に果物を投げつけてきた。


 えっなは、に!?桜はびっくりした。果物は、桜にあたったことにより歪んでいる。物理的な衝撃を受けたせいか、それとも桜の困惑と動揺のせいか。じっとその果物をみつめていた。果物は路地に転がり、やがて転がり行く果物は歪みを下に向け調度窪みにとまった。それは、柑橘系のようであった。初々しさがその柑橘系の存在を大きくしている。いやそれだけではない。自分がまだ幹の枝とどこかと繋がっていると思いこんでいる。そしてそのことに気づいていない。それとも気づける時間がなかったのか。それならばそのことを新鮮と呼ぶのかな。新鮮・・・いや違う。それは人間がつけた勝手な思いこみだわ。彼らにとったら旅立ち?親株を離れ、無秩序の世界に紛れ込んでゆく。未来への道筋はわからず、自然の摂理に従い、人為的な勘違いで生命は育まれていく。いや彼らはもっと賢い。逆に自分の甘味を売りに人・動物・昆虫を操ってる・・・・道化師だわ。しかし①どちらの勘違いでも双方がうまく生きていけるし、勘違いしてるほうがいいときはたくさんある・・・・「ははは・・・」少年は笑い出した。 

The boy laughed at sakura “ha ! ha! Ha! “ “ What are you doing? “ said sakura. A boy “・・・・・・・・・“ The Boy stand up and say “ follow me “ Sakura don’t understand what he thinks . But Sakura is curious about him. So she decided she walks to him. “Are you foreign visitor ?? “ “・・・yeah I’m from japan “ “ I know ! I know! What country??” “ Japan is island with volcano.” “Volcano?? You can’t live ” “In another word , there are a lot of mountains . so many times arise earthquake.” WoW I’m surprised and amizing things” “and・・・what are you do??” “oh I send luggage etc…my work.” to be continued


「僕の仕事は荷物を運ぶことだよ。」と少年はいった。 少年はどこへ案内しようというのか・・・・市街地を離れほそぼそとした道を歩いた。西陽の光が和らぎはじめたとき、少年の表情が険しくなった。 「しっ 静かに!!」 緊張した空気が張り詰める。草むらの中で何かがうごめいている。少年は持っている剣をにぎりしめている。「えっ! 何?・・・  」桜は驚いた。トラらしき獣が

仕留めた獲物を捕食している。まだ気づいた様子はない。少年は腰を低くし、進んだ。桜もそれにつづく。 パキッ!!桜は小枝を踏んだ。 少年は桜をにらんだ。・・・そして獣も桜をにらんだ。獣は吠え出し、獲物を盗られると思ったのか異様に殺気だつ。少年は威嚇せぬように足早に歩いた。しかし、獣は目つきが変わり我々めがけて走り出した。「私もぉ  終わりだわ・・・・」 心底怖い。(t_t;)


獣が怒涛の遠吠えをあげながら桜たちに向かってきた。 そのとき バーン !! 銃声が響き渡る。獣は慌てて急に退きはじめた。「大丈夫??」少年がそんな感じでいってくれた気がした。腰が抜け桜は動くことができなかった。「あっ!? 兄さん」 銃声の主らしい。「村に帰るか・・・  そのこは??」 少年は桜について話はじめた。桜は歩けない桜を抱えて帰路に着いた。


 桜は旅の疲れとともに意識は朦朧としている。桜は担がれていた。その背中から微かな鼓動が伝わる。その鼓動は一定のリズムを刻み時の存在をつくりあげている。時の世界はどこまでも広がりをみせ、旋律を奏でている。時って膨張するのかな??ふと小学校のときに浮かんだ疑問符たちが桜の周りに現れ始める・・・・・  膨らみ続けた時の中では何事もゆっくり進む気がする。 しかしそれは退屈な時間のときにしか感じられない・・・・・楽しい時はすべてが早く過ぎてしまう。 その瞬間がきたら止まってくれればいいのにぃ~。“神様のいじわる。。。。” ふと目を覚ますと、ベットに寝ているのに気がついた。 どうやら ムラに着いたらしい。長老らしき人がにっこりおはようのあいさつをしてくれた。


 桜が目を覚ますと長老が優しく微笑みかけてくれた。漂流して海にさまよったった桜が孤島についたようでなにかホッとしている。長老は世界地図を広げ出した。なにやら桜がどこからきたのか知りたいらしい。桜は日本を指差した。そのとたん長老の顔がほころびだした。


この村には数年前日本人がいたらしい。その日本人は部落、集落を訪ねるのが好きだった。この近くには川が流れていたが、橋はなく浅瀬まで迂回する必要があった。その不便さを改善したいと考えていた若者は長老に橋をつくる計画を提案し、そして橋を作り上げた。そのおかげでとなりの集落に行きやすくなり生活がだいぶ楽になった。長老は自慢げにしている。その橋を桜はみせてもらった。“・・・・・・・・・何かに似ている・・・・・・”目の当たりにする橋は以前自分の記憶の中でであったようで懐かしい・・・・・。 そしてそこに行くと気持ちが落ち着く。


 桜が村についた夜ささやかな歓迎式が行われた。住民はマツリが好きらしい。太鼓の音色に合わせて踊っている。桜が一人たたずんでいると桜を救ってくれた青年が話し掛けて来た。様態を心配してくれているようである。桜は笑顔で微笑み返した。青年は安堵の表情を浮かべている。この青年の面影は誰かに似ている。そしてこのしぐさも・・・・・・・・・・・・・・そして懐かしい・・・・・・・・。

 幼少のころの経典の中の生活。その中でも楽しいひと時・・・ いつもそばにいてくれた人が目の前にいる気がする

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・“はははぁ~桜おっちょこといだなぁ・・・・・・”“しっ 静かに 桜・・・・・静かに・・・・桜・・・・・ さくら・・・・・”“・・・きくちゃん・・・・・きくちゃんなの??” 忘れかけていた思い出が、記憶の糸を解いていく・・・・・ 自由に過ごせた日々それは菊雄との思い出である。

きくちゃんどうしてるのかな・・・・それを考えても無意味なことはわかっているはずなのだが・・そう考えたい自分がいる。また会えると思っていたのに・・・青年をみてふと思い出した場景はそのまま桜を感傷の渦に巻き込んで行く・・・・太鼓を刻む音が遠のいてゆく・・・・・

 菊雄は教師に好かれない生徒だった。大人たちは、力で支配している。菊雄はそう感じていた。その力に負けないように強く生きたかった。頼れるものそれは自分自身と常にいってきかせた。強い人にしか優しさはもてないし、強い人にしか優しくされないと思っていた。気休めの言葉なんてほしくなっかたし、気休めの言葉なんてかけたくなかった。自分は偽善者でいたくはなかった。ただただ、ほんとの健常者でいたかっただけである。 ごまかしごまかし先生と当たり障りなく生きていける賢い生徒はたくさんいた。だたただ言われたことをうなずけば、平穏な暮らしは送れた。  「でもそれは正しくないと思います。・・」菊雄は矛盾があるとするどく教師に突き返した。教室は一気に静まり返り、二人の行方を見守る。緊迫した空気の中でやれやれと思う生徒の空気が流れ込む。「だから菊雄それは、すべてをいってるわけじゃない・・・」 教師とういものそれは絶対の信念で塗り固められていてくずれることは決してない。弱さを見せ始めたときからその信念が揺らぎ始める。揺らぎ始めた信念は、やがて生徒の信頼を失い威厳はなくなる。生徒優位にたったその日から学級は崩壊する。その恐れを知る教師の信念は強い。 菊雄は教師を追い込む気なんて毛頭ない。ただ自分の考えにないことが起こるとその真意を確かめたかっただけである。 しかし教師の間では扱いにくい生徒ととして悩みの種になっていた。授業を妨害し、ひねくれた生徒そんなレッテルがついてわまった。菊雄は常に一人だった。生徒は、同等のレッテルが貼られるのを恐れていたし、何よりも関わりたくなかった。菊雄をなるべく避けていた。避けていかないとうまくいきてはいけなかったのである。菊雄は別に気にとめてはいなかった。むしろ孤独でいることを好んでいた。 しかし、桜はそんな菊雄の行動をみんなと違う眼差しでみていた。 


しかし、桜はみんなと違う眼差しで菊雄をみていた。なんのために菊雄がそこまで教師と衝突するのか桜には、わからなかった。菊雄はめげることなく挑み続けた。発言さえしなければ、平穏に生きれるのに・・・・ 「あんた早く死んじゃうよ(笑)」 桜は冗談まじりでそういったことがある。「・・・・もぉおれは死んでるから・・・・」笑いのない返事に桜は重みを感じた。その日から、菊雄がなんでそんなにむきになるのか、なにを求めているのか桜は気になっていた。 菊雄は学校が終わるとよく図書館に行っていた。閉館になるまで、一人で本を読んでいた。それを知っていた桜は図書館にいる菊雄の様子を見に行っていた。「きくちゃんいつもなに読んでるの??」「・・・・・・・」桜はちらっとみたがすぐに目を本に移した。「・・・・ねぇ!!!・・・」桜が再び問い返す。「・・・・・・・・・・プラトン・・・・・」愛想のない返事が返ってきた。 桜は首をかしげる。       つづく






                  



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