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〜プロローグ〜
真っ直ぐに、爽やかな気分で迎えた中学の入学式。
ほとんどが小学生からの友達で和気藹々。
ところが、蓋を開けてみれば、いつしかクラスは体たらく。
そんな雰囲気にすっかり染まってしまった私、中村暮葉。
幼馴染の萱森拓海とは、その只ならぬ関係を冷やかされて、互いに避けるようになった。
それからというもの、私の世界はモノトーンで味気なく。
体育祭、文化祭、球技大会。
何をやっても最下位、最低評価、一回戦敗退。
私の楽しみといえば、仲良しで学級委員の長部由香里との遊びだけになっていた。
とうとう受験生になり、季節は駆け抜け、十月の合唱祭を迎えた。
高校に入れば、きっと清新な学校生活が送れると信じて、私は最後の学校行事を、適当にやり過ごすと決めていた。
ところが、待っていたのは担任の樺沢先生の情熱と、教頭先生の懐柔。
緊張感というより高揚感に包まれて、私はステージに佇むグランドピアノと向き合った。




