Decide-8
初投稿となります。
そして、単発です。
これから書こうと考えている小説の、
伏線を担っていたりします。
訳が分からないと思いますので、
読んでくださった皆様のご想像で、
世界を広げていってください。
その部屋は、いつになく騒がしかった。
薄暗い部屋の中央には巨大な培養ポッドが置かれており、その中を満たす液体が、あたりをぼうっ…と照らしている。ポッドを囲むように配置された様々な機器は、来るべき任務に備え、沈黙を貫く。
そして。
ポッドの中には、コードに繋がれた少年が、ただ、静かに、浮かんでいる。
コードネーム"Decide-8"。
これが、少年の名前だ。
それらを囲む研究員たちの面持ちは、高揚と緊張が半々と言ったところだ。
「個体、脳機能良好」
「心電図にも異常見られず」
「個体の各器官、正常に機能中」
「機器、システムも異常なし」
報告を聞いて、監督の研究員は安堵のため息を漏らす。見たところ、20代前半の女性だ。
同時に、この開発チームの紅一点でもある。
__全機能正常、オールグリーン__
……よかった。
女性研究員は、心中でそうつぶやく。
ここまでがあまりに順調だったため、逆に不安が募っていたのだ。
とりあえず、うまく行きそうだ。
__いや。
ここで気を緩めてはいけない。
ここからが勝負なのだ。
女性研究員は、
その一語一句を噛みしめるように宣言した。
「必要情報の刷り込みを開始せよ」
「了解。刷り込みを開始」
ポッドを囲む機器が、沈黙を破った。
それに続いて、
多数のモニターが結果を報告する。
____全作業、終了。異常、無し。
その場にいた研究員全員が、歓声をあげた。
喜びから涙する者、拍手をする者もいた。
そんな中、女性研究員は思う。
……悪いけど、あなた方が思うようにはいかない。この子にも、幸せになる権利はあるのだから。
同時刻。
個体ー少年"Dicide-8"は、
その双眸を、ゆっくりと見開いた。
感想も批評も、どんどん下さい‼
ちなみに、SFバリバリな感じですが、
このあとファンタジー路線に進みます。
裏切るようですみません。