第一話 始まり
闇の国 ダークレッド国 「闇の一族こそ世界を統べるにふさわしい!」
「光の一族には死を!」
「闇にこそ力を」
そして光の国 ライニング国
その国に住む少年闇真 光〈ヤミマヒカリ〉は自分の通う中学校の窓からぼんやりと外を眺めていた。
「平和だな。」
ぽつりと呟き校庭を見ると他のクラスが体育をしていた。
ダガガガガガガガガッ
マシンガンの打つ音が響き体育をしていた生徒が次々に倒れていく。
「なっ!?」
光が驚きに声を上げるとスピーカーから
『我々は闇の一族だ!光の一族!貴様らに死を!』 と男の声が響いた。
これが戦いの始まりだった。
千年に及ぶ互いの沈黙。
それを二つの一族は破り去った。
歴史から何も学んでいなかったのだ。
こうして平和は消え、戦争へとなっていった。
光の未来は・・・・。
二つの一族の未来は・・・・。
一体何処へ向かおうとしているのだろか。
そしてなぜ闇の一族は千年の沈黙を破ったのか。
まだ光は何も知ることはなかった。
希望も絶望も。
自分の力も。
戦いの意味も。
自分のするべきことも何一つ知ることはなかった。
千年前の戦いが繰り返されることを誰が知っていただろう。
誰も夢にさえ思わなかっただろう。この世で最悪の戦いのことなど。この世で一番の地獄の戦いなど。
この先地獄が待っていることなど誰も知らない。
今はただ怯えているだけしかできない。