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もと神さま、新世界で気ままに2ndライフを無双する。  作者: 可燃物


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神さま、決意を語る。

ご覧頂きありがとうございます。


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有難う御座います。

神にケンカを売る。


言葉にしたら、暴動が起こりそうなセリフである。



この世界は、神とその眷属である精霊を崇める形態をとっている宗教がひとつ、あるのみだ。



唯一神をボコるなんて公衆の面前で言ったら、間違いなく俺が袋叩きに遭う方となる。



さすがに精霊教会諸族の全人類にタコ殴りにされたら、俺でもなかなか辛いと思う。






神と精霊を信仰している精霊教会は、大きめの街なら必ずある。

建物の外観も内装も含め、街ごとに崇める精霊の属性が違う事も、ソレによって祀り方が変わるという事も無い。



どの宗教画も石像も、神が頂点に座している。

人々が認知している、四つ柱の地水火風の精霊が、そのなんとも偉そうに描かれている神を支えている。


そんな構図だ。



もしくは四属性の精霊の後方に、神を表す後光が描かれているものも近年増えてきている。






そんな立派な石像を用意出来ない小さな集落では、何も祀られてない。

精霊教の信徒がいないためだ。


なにせ精霊術を使える人が、精霊教徒以外には、全国的に少ない。

地方となると、精霊自体の認知度が低いのだ。



豊穣をお願いする地の精霊や、水不足を解消される祈りを捧げるために水の精霊に見立てた石を祠におさめている村なら、辛うじてチラホラある。


ソレ等の石像は、集落の中に置かれる。



道祖神のように、疫病や悪霊を防ぐために路傍に置かれるような事は無い。


人個人では太刀打ち出来ない、魔物がアチコチにいるせいだ。



集団で相手取れば倒す事も可能だが、何mもの体躯にt(トン)単位の重量を持つ魔物が、ザラにいる。


子供が近所の公園や道路の片隅で遊び回るような、ほのぼのとした風景はこの世界では見られない。



集落を守るだけで手一杯で、他の集落と交流を持つ事は非常に難しい。


なので村と村を繋ぐ道自体が無い場合もある。


道はあっても、その先に誰も居ないって事も、時にはある。






霊力を込めて精霊に祈れば、精霊達の力を借りて解決するような問題は多い。



精霊の力は、自然を操る力だ。


人力で掘ったら手間も時間も労力もかかるような堀も、精霊術を使えば、ものの数秒で造れる。



精霊術を使える人口が増えれば、分かりやすく人類はもっと発展するのは、想像に易い。



そしてその強力な精霊は、人々の信仰心によって力が増す性質を持っている。


なのでそのお礼と、次もヨロシク!と期待を込めて、恩恵として祈りを捧げた人に礼を尽くす。



精霊様のお陰で助かった!!と口コミが拡がれば、祈る人が増えて精霊の力は益々増える。


お互いがwin-winの、対等な立場だ。



人々は畏れ多いとか余計な事を考えずに、もっと軽率に祈れば良いと思うよ。

まぁ、霊力を込めないと、精霊に祈りは届かないけれど。



精霊が使う不思議エネルギー:霊力は、魔物を弱体化させる働きがある。


祈れば祈る程、精霊自身が強化され、一度に使える霊力もソレに応じて増える。

ドンドン人間にとって暮らしやすい世の中になっていく。


そのサイクルが生まれるキッカケさえあれば、上手くいくはずなのだ。






なのに‘’祈る‘’文化が途絶えてしまったせいで、酷く難しいものにさせている。



精霊教会が定期的に、全国を巡礼して回ってはいるけれど、ソレって比較的安全な道を使って、大きな教会がある、大きな街から街へと渡り歩いているだけなんだよね。


だからその恩恵にあずかるのなんて、ほんの一部の、元々都会で暮らせるだけの生活基盤が出来ている人に限られる。



出生地ガチャとでも、言えば良いのだろうか。


貧富の差もそうだが、村や町によって、その生活の有り様が全然違う。



都会と地方で差があっても、安定して生活を送れているなら良いのだけれどね。

そうじゃないから、問題なのだ。



魔物が豊かなそんな暮らしをしている人間の集団を見付けたら、真っ先にその集落を襲ってしまう。

なので地方が発展するのは、なかなか難しいようだ。



少しでも安定した生活を送れるようになってくると、襲われてしまうのだもの。

心理として、分からなくもない。



だが魔物側の理屈も理解は出来る。

スカスカの食いでがない肉よりも、丸々と太った若くて美味しい肉が食いたいだろう。


俺だって、筋張った硬い肉じゃなく、脂が乗ってる柔らかい肉の方が好きだもの。



子供がよく食べ、スクスクと成長出来る住環境がある、ソコソコ止まりのセキュリティしか用意出来ない町は、そんな理由で魔物に襲われる。

なのでなかなか存続が難しいのだ。



風の噂のような、真偽不確かな情報だとしても、発展してきた町が次々と襲われる、なんて話を幾度と聞けば、発展させないように留めておこうと考える人達だって出て来るのは当然の事だ。


こじんまりとした、一〇〇人未満の村が多いのは、こういう理由がある。



それでも凝りもせず、滅びては発展を繰り返す。





そんな世界だからこそ、俺は真正面から神に戦いを挑めると、そしてその上で勝てると本気で思っている。



つまりは、信仰心が力になるんだろう?


そして人々は、今の生活をより良くしたい。

だがソレが叶わないと、助けを求めてるいるワケだ。



そうじゃなければ、カノンがこんなに忙しくしている理由が無いからね。


需要が無ければ、彼は自分の家に閉じこもって、好きな薬作りに連日徹夜をして精を出してるさ。






精霊の後ろに神がいる。


その単純な図式が頭にあるせいで、皆精霊教会で精霊に祈っても、その更に背後にいる神の存在を忘れられない。



なんなら、精霊を通り越して、神そのものに祈りを捧げている教徒もいるだろう。



その当たり前になっている構図を、先ずは壊す。



三英雄の子供で、‘’賢者‘’の二つ名を持ち、世界中で災害を食い止め、魔物の被害を最小限に留める活動をしているカノン。


彼の名声を利用する。



あとは精霊が遣わしたとされる、世間では賢者の弟子やお稚児だと言われる俺も、顔をバンバン出して救助活動やら慈善活動やらをしまくる。


俺の顔面は人目を惹くからね。

それはそれは、助けた人達の印象に根深く残ってくれるだろう。


俺は自分の顔は好きでは無い。

だが一般的にウケる事は知っている。


利用出来るモンは、何でも利用するよ。



そんな事を繰り返していれば、カノンと精霊の注目度が自然と高まる。



そのまま神の存在など思い出せぬ程に、カノンと精霊に信仰心が集まれば、コッチのもんだ。


神がふんぞり返っている玉座を、奪ってやる。






俺達は霊力が桁外れに多い。

そのためケガや病気に気を付ければ、長生きする事は確定事項だ。



長期戦になる可能性はあるが、人々が神を忘れ、精霊のみを崇めるようになれば、神は弱体化する。


信仰心という力の供給源が無くなるのだ。

せいぜい、飢えて苦しむと良い。



あとは俺の‘’魔王‘’の二つ名も利用したい。


語り継がれている‘’魔王‘’ソックリの外見的特徴を持つヤツが暴れている所に、‘’賢者様‘’が颯爽と現れて退治したとか言ったら、どうよ?


ありがちな英雄譚ではあるが、世代も世界も超えて、人はこういうのが好きだろう??


精霊の皆とカノン達をモデルにして、戦隊モノの劇とかやったら、ウケないかな???

周知しやくすなるなら、そのうちしたい。






残念ながら、それだけやっても、神は死にはしないだろう。



精霊と神は、魂的な目に見えない領域で繋がっている。


精霊へと流れるエネルギーを横から吸い取って、寄生虫の如くちゅーちゅーして生きながらえるに違いない。



まぁ、弱くはなるのは確実なのだ。


ソコをブッ叩いて、この世界の権利をマルっと強奪すれば良い。



俺は別に世界の支配権なんて要らないから、精霊に転生した皆に丸投げしても良いけれど……



彼等には人間だった前世の記憶がある。


生前、無い無いだらけの施設では出来なかった、また今世でも精霊の身では出来ない事をしたいだろう。


一〇〇〇年単位で精霊をやっているんだもの。

そろそろ飽きる頃合いでしょ。


どうせなら、人として再び生まれ変われるようにまでさせられたらなと思っている。



かつて地球がそうであったように、誰の所有物という話ではなく、この世界に生きる、ヒトを含めた生物が、自分達の手で存続・発展させられるような世界にしていけば良いんじゃないかな。


地球は失敗したから、そうならないようにだけ注意して、ね。



だって人間の不始末を、精霊がするのはおかしいでしょ。


神が動かないからと、精霊が尻拭いをするのも変な話でしょ。



せっかく人の気持ちが力になる、ステキな世界なんだもの。


他力本願で、犠牲者の上に成り立つ世界から、進化しなきゃ。

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