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新キャラ登場!


 リュウドウが見ていた改変【アウラ】から出て、使われていない駅に置かれたドラム缶ロボットのカメラを見た。真っ暗になっていて、あれ? っと思っていると突然、まん丸の目玉が見えた。


『ぎゃあああ!』

「うわ! うるさいな、もう」


 パッと目玉は引いて行き、ヘッドフォンをつけたオオツが映し出された。どうやら、カメラをのぞき込んでいたようだ。

 オオツは迷惑そうな顔をして、「終わったなら言ってよ」と愚痴った。いや、画面に目玉が写ったら驚いても仕方が無いだろう。

 理不尽に怒られたって思っていると、現場では大きな変化があった。人が増えているのだ。


「お、ユウゴ。帰ってきたか」

「お疲れ様です」


 まず胡坐で座っているハンゾウと三角座りをしているコナ。俺に気が付いて、声をかけてくれた。

 次に居心地悪そうな顔で立っている金髪の少年。見ない顔だなって一瞬思ったが、マレ飯でバイトをしていた奴と気が付いた。そしてサングラスを付けたきりっとした顔立ちの女性。この人は初めて見る。

 サングラスを付けた女性が「ああ、初めまして」と言い、話し出した。


「あたし、リョウ。いつもハヤカ肉屋とマレ飯に来てくれてありがとう」

『あ、マレ飯のおっちゃんの娘か』

「そう。箱入り娘さ」


 リョウが自嘲気味に言っているとハンゾウが「だったら、派遣警官やるか?」と聞いてくる。だがリョウは黙って肩をすくめるだけだった。

 ハンゾウはリョウの答えを期待していないようで、もう一人の金髪の武装機体兵に「ほら、挨拶しろ」と促された。ずっと黙っていたが口を開く。


「えーっと、オリバです」

『あー、マレ飯で食い逃げした奴か』

「はい……」


 非常に弱弱しく返事をするオリバ。あんな低価格な飯屋で食い逃げした罰は非常に重そうである。

 起きているメンバーの自己紹介は済んだ。後は床に仰向けで寝ている子が一人いる。


『キュウリ落としがいる』

「キュウリ落とし? ああ、この子はトランクに入っていた子ね。もし私じゃなくてロッカーを蹴っていた不審者が持って行ったら、機体持ちの機体部分に移植されていた予定です」


 衝撃的発言をするオオツはオリバの方を向いて、「実を言うと彼に発信器を付けていました」と言った。この発言でオリバは「え? え、え?」と戸惑っていた。


「オリバ君でしたっけ、君は一か月前に軍が時々使っているコンビニで万引きして警察に捕まったでしょう」

「……はい、そうです。……いや、何で僕に発信器を付けたの!」

「コセンスイが【アウラ】を警察が使っている証拠を探しているのと同時に軍も警察が捕まえた武装機体兵が少ないと気づいたんです」


 犯罪や迷惑行為をした武装機体兵は警察や軍に届けられて処分されると言う。その後は、矯正の余地があれば世に放たれるらしいが、ほとんどが解体されると言う。そして武装機体兵の体は障害を負った人に移植されたり、するらしい。


「警察も捕まえた武装機体兵に軍へ引き渡しています。でも最近武装機体兵の事件が極端に少なかったんです。単に犯罪が少なくなったのか、もしくは警察が同情心で捕まった武装機体兵を釈放しているって思ったんですけど」

『はあ? そんな訳ないぞ。毎日、何かしらやらかしているけど』

「そうだな。犯罪率も少なくなっていないし、警察には同情心は無いよ」


 俺の反論にハンゾウも賛同してくれた。確かに武装機体兵の犯罪も迷惑行為も少なくなっていない。

 オオツは「そこで」と言って、オリバに指さした。


「確保した武装機体兵がどうなっているかと思って、ちょうど捜査協力してくれるコンビニで万引きをした武装機体兵数人に発信器を付けて警察に引き渡して、どうなるか調べたんです。すると警察は、なぜか軍に引き渡さないで闇医者や解体作業をする人たちにいきわたりました」


 オオツの言葉にみんな言葉を無くす。オリバなんて真っ青になっていた。

 武装機体兵と言う機体は高価な部品が使われているらしく弱った彼らを捕まえて解体する奴もいる。だがさすがに警察がやっているのは絶句する。


「と言っても警察全体がそうじゃないです。一部の今の政府や軍、武装機体兵に不満を持った者達ですね。彼らは全員、トキオ奪還のメンバーです」

『え? 警察にもいるのかトキオ奪還って』

「もちろん名義を変えて登録しています。でも一部の警察の中には当時、デモをしていた人も事件を起こした人もいます。みんな不起訴になって警察に知らぬ顔して入っていますけど」

「こういうのは特に驚かないな」


 ハンゾウがオオツの話しを被せるように言って、スタンガン銃を出した。……ん? 何、すんの? ハンゾウ?


「この重要人物を起こしますか」


 そう言ってスタンガン銃をキュウリの子に向けて撃った。




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