主要メンバーも捕まっています……
リュウドウに何回も連絡をするも出ないし、スダチにも連絡を入れたが出なかった。
『え? 何で出ないんだ? 二人とも』
「普通に警察に捕まっていますね」
ヘッドフォンをつけた子の声が聞こえて、カメラをそちらに向けると電子端末と折り畳み式のキーボードを地面に置いてパチパチと打っていた。かなり速いタイピングだが、「あー、キーボードは面倒くさいな」と呟いている。
俺が『なんで捕まっているの?』と聞くと、キーボードから手を離さず話す。
「こちらをご覧ください」
そう言って電子端末を見せてきた。そこには警察署内のリュウドウとスダチが写っていた。スダチは大人しくしているけど、リュウドウは暴れている。
なんで捕まってんだろうか?
「どうやらロッカーを蹴って暴れたことに咎められています」
『ちょっと待った。暴れた人間は別にいるんだけど……。あれ?』
「ちなみにこの画面に映っている映像は警察署内のカメラをハッキングしています」
すました顔して犯罪行為をしていた。しかも国家権力 警察署内のカメラのハッキングだ。恐れを知らない勇者だろうか。
「電脳に入ってあなたと直接お話ししたいのですが万が一、ここに人が来たら不味いですね。モヤシ君は教えてくれそうにないし」
『モヤシ君って?』
「ユウゴさんが操作してる円柱型のロボットに座っている子です」
さっきカメラが揺れたなって思ったけど、ゾンビが乗っているのか。降りろって言えるほどの肝は据わっていないのでこのままにしよう。あと頭のないゾンビをモヤシって呼んでいるのか。
俺は『このモヤシって武装機体兵なのか?』と聞く。するとヘッドフォンの子は「はい。そうです」と答えた。
『と言うか、なんで俺の名前を知って……』
「あ、そう言えば。まだ私の名前を名乗っていませんでしたね」
俺の質問を被せるようにそう言って、キーボードから手を離してヘッドフォンを取ってドラム缶ロボットのカメラに目線を合わせた。
「初めまして。私、コセンスイ所属 オオツと申します」
ペコっと頭を下げてお辞儀をするオオツ。一方の俺は情報を整理するのに必死だった。
確かコセンスイはアクアリウム・クオリアから離れて、軍に協力する人たちだったはず。でも円満に離れていったと言っていたけど……。
「恐らく、ピンポンパール、金魚さんから話しは聞いているかと思いますが……」
『存在の話しだけ。そしてイトジマが見ていた【アウラ】の解析の仕事を横取りしたとか』
「横取りではないです。元々【アウラ】及び電脳兵器の使用禁止と保護がアクアリウム・クオリアでは出来ないため、軍に頼んで組織を作ってもらったんです。だからアクアリウム・クオリアに【アウラ】の解析などはしなくてもいいんです」
『あれ? アクアリウム・クオリアから軍に協力をしたいから作られた組織って』
「表向きはそうですね。でもこれを語り出すと日が昇る前に終わりそうにないです。とにかく【アウラ】と警察に捕まった二人を助けないといけません」
キーボードを再びタイピングしながら、オオツが更に言う。
「金魚さんから聞いていませんか? アクアリウム・クオリアとコセンスイは円満に別れたって」
『聞いている。何かあれば協力するって』
「今がその時です」
キリっとした顔でオオツは言い放った。もっと順序だてて協力を要請してほしいんだが……。いや、協力するけどさ。
俺が黙っていると着信音が聞こえてきて、オオツはヘッドフォンの耳あての所を押す。するとインカムが出てきた。そして「お疲れ様です」と言って、電話の相手と話す。時折、「すいません」と言う発言も聞こえて、やがてロボットのカメラを見る。
誠心誠意と言った顔になってオオツは言った。
「……すいません。助けてください」
突然、下手になった!




