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リュウドウもついてきた!③


 見回りをするリュウドウとスダチが言う尾行者は特に何かすることは無かった。ただ一定の距離を開けて歩いているだけだった。

 これだけだから二人とも普通に歩いていた。ただ尾行者は素人だとスダチは評価をした。


「おい! どうなってんだよ!」


 小さめなお店が並ぶ商店街が見えてきたところで、怒鳴る男性の声が聞こえてきた。そしてドカドカと暴力的な音も聞こえてきた。


「おい、スダチ。さっさと行け」

「命令するな!」


 すぐさまスダチは走り出し、俺も一緒に向かう。怒鳴っている男性はロッカーが並んでいる一角にいた。しかもロッカーを蹴っている。


「おいおい、やめろよ。兄ちゃん」


 スダチは人のよさそうな顔で怒れる男性に話しかけた。男性は黒髪だがインナーカラーが明るい紫だった。居住区と言うかトキオは髪を染めている人間は全く居ない。年齢が高い奴が多く若者が少ないけど、そもそも髪を染めてくれる美容室が無いのだ。

 男性を観察してみるとスダチと同じくらいの年齢だ。


「何があったんだよ、兄ちゃん」

「ロッカーに預けていた荷物が無いんだ!」


 男性が指さすロッカーを見るとすでに開かれていた。扉にある電子端末は【開いています】とあった。

 あれ? ここってヘッドフォンをつけた子が荷物を持って行ったよな。じゃあ、あの子が窃盗したって事?

 そのことを言おうとしたら、男性が「なんだと!」と怒鳴り出した。


「何で警察に行かないといけねえんだよ!」

「当たり前だろ。お前の荷物をロッカーから取られた。これは窃盗で、俺が逆立ちしたって解決できない。警察に行って被害届を書きに行こうぜ。もしくはここのロッカーを置いている会社に連絡しよう」

「電話を掛けたら、AIが質問してきて、ちゃんとカギをかけていましたか? って煽って来るんだよ」

「それは腹立つな。でも我慢して質問に答えようぜ」

「全部答えたら、警察に行けって言われたんだよ! 何でAIのくせに上から目線で言いやがって」

「AIでも解決できないんだよ。じゃあ、もう警察一択だ」

「何で警察に行かないといけねえんだよ!」


 ……話がループしている。さすがに穏やかに話しているスダチのこめかみもピクついている。

 何で警察に行きたくないんだろう? 不思議に思って俺は『警察に行くとヤバいの?』と話した。

 すると「馬鹿にしてんのか! このAIロボット!」と男性が怒鳴り出した。スダチは頭を抱える。


『あ、あのすいません。俺、普通に中身があります』

「知らねえよ! なんだよ、俺が悪い奴に見えんのか? そうやって人を疑って不法に逮捕させんのか!」


 逆鱗に触れたため、スダチは「まあ、落ち着けよ」と肩を叩く。男性はそれを振りほどいて「そもそもお前もだよ!」と怒鳴り出した。


「俺を見下しているんだろ! 同年代で警察の真似事みたいなことをしやがって! 仕事をしていない、学校にも通っていない俺を見下して!」

「……見下してはいないよ。仕事だよ」

「それだよ! 仕事しているから、他人に認められたいから、そうやって俺を攻撃してんだろ!」

「攻撃はしないって。なあ、落ち着けって。周りもお前のことを注目しているから」

「うるせえな! 馬鹿にするな! こんな時代じゃなかったら! 俺だって、もっと!」


 そう言って俺の操作しているドラム缶ロボットを蹴り上げるため、足を上げる。もう、この機体は人々の感情を受け止める為に作られたんじゃないんだ! だから乱暴にするのはやめてくれよ!

 俺が身構えていると男性は予想通り、思いっきり蹴り上げた。

 威力がかなり強く、ロボットが飛ぶくらい蹴り上げた。人間業ではない、機体持ちか? と俺が驚いていると、ロボットに搭載しているカメラから衝撃的なものが映り込んだ。


 宙に浮くロボットのカメラは、蹴り上げた男性の足が高く遠く、蹴った缶のように飛んでいったのだ。


 えええええ! 足が取れているんですけど!。




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