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脳しか無い俺はレモンクラッシュな現実を見る 【第二話 アウラな青春 完結】  作者: 恵京玖
【第一話】戦争が終わったのに電脳疎開している少女を現実に戻せ!
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時には悪に手を染めたっていいじゃないか!


 さて、それでは健気なコナツさん救出のために動こうじゃないか。


【本当にやるのかい?】


 進展報告を聞きに来たハルキに作戦を語る。


『まずは電脳疎開で使われる液体用栄養剤のイットが三年前のメンテナンスの時に輸入しているはずだから、その情報を探す。その後、そのイットがどこに行ったのかを探る。コナツさん曰く関係者が【ナスカ】と言う単語を言っていたらしい。ナスカの近くに届けられていたら、近くにコナツさんがいる可能性が高い』

【一応、言っておくけど、うちのベルのセキュリティを舐めないでほしい。あと犯罪行為はしたくない】

『俺達はそこまで命知らずじゃないよ。運送会社の方にハッキングするんだ』

【犯罪!】

『人命救助のためだ。仕方ないと思ってくれ』

【分かった。目をつぶって置く。でも僕はやらないよ。申し訳ないけど】


 黒いウィンドウはそう綴って百合の花弁を閉じた。このまま帰りそうだったので、俺はずっと疑問だったことを聞いた。


『あのさ、コナツさんを現実に戻さない理由は知っている?』

【僕も分からないんだ。だけどコナツが電脳の才能が無いからって言う理由は絶対にありえない。もちろん、コナツ本人にもそれは話したけど】


 こうしてハルキへの進捗状況と疑問も聞いたので、早速作戦に取り掛かろう。


 今の俺のアバターは例のレモンクラッシュだ。やっぱりこのアバターの方がいいじゃんってトウマに言われた。俺達の一張羅だからだそうだ。


『トウマ、この蛍光色の黄色を変えられない? 黒とか』

『ハッカー対策のプログラムに色の識別なんてないさ』


 ジャケットになっているトウマは『さっさと行こう』とばかりに背中を押す。俺は仕方がないと肩を落として向かった。



 電脳空間の大手のベルにハッキングをする奴は命知らずか、身の程を知らなすぎるかのどちらかだろう。

 という事で、俺達は運送会社の方を調べる事にした。大手電脳関係企業よりもセキュリティは甘いはず! 

 電脳空間外はいろんな形があるが、一番多いのは正方形の箱型だ。そしてセキュリティは空間の中にまた空間と入れ子構造方法が多い。


『まずは電脳空間を一部、壊す』


 トウマのよくわかるハッキング方法を教えてもらう。だがあまりにも簡単すぎる。


『具体的な方法は?』

『レモンクラッシュって言ってみて』


 なんか嫌だなと思いながら『レモンクラッシュ』と言うと手のひらにレモンが出てきた。


『そのレモンをポイッとそこに置いて、その場から逃げる』

『レモンの爆弾って事?』

『いいから、早く』


 トウマの言う通りにポイッと空間外の端っこに着けて、離れる。するとポンッと爆発した。


『爆発したところに穴があるはずだから入って。そしてまた入れ子構造だから、また箱があるはずだから同じようにやって行こう』

『穴が開いたら、ハッキングしているのをバレるだろ』


 そう言いつつ、トウマの言う通りレモンの爆弾を出して次の空間を壊す。トウマは『ああ、大丈夫じゃない』と言った。


『多分、この空間には監視アバターがいないから後で空間を直せば大丈夫さ』


 それからトウマは『それに、俺ら以外にも侵入している奴はいるね』と言う。つまりやり方さえ知っていれば閲覧可能って事ね。セキュリティが甘い。


『あと、このレモンクラッシュは爆弾の爆風みたいなものも付けたから。爆風に当たると一時的にアバターが止まるんだ』


 トウマは自慢げに『すごいだろう!』と言った。俺は『はいはい、すごいね』と言ったところで、ついに最後の空間を爆発させて入れた。

 数年分の貿易の情報がため込まれた空間はまだまだ許容があった。未だに戦争の火種がいっぱいだから海外への貿易がそこまでやってこなかったからだろう。イットを作っている会社とベルの関係がある人物と会社を厳選して調べる。が、これが見つからない。


『普通は偽装しているだろうな』

『だとしたら別の会社で注文しているのか?』


 唯一の地名の手がかり【ナスカ】の近くの地名で探してみた。すると別の会社である場所にイットの荷物を届けている事が分かった。


『ふうん。やっぱり偽装していたって事ね』

『集めた場所は……、あれ? 存在しない』


 もう少し調べると驚くべき事実にあった。



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