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ロッカーを蹴っていた奴に会いに行こう②


 ここでナズナはキュウリの子に不躾な質問する。


「それじゃあ、キュウリさんは仕事で失敗したから機体持ちの素材にされたんですか?」

「……キュウリさんってなんだよ」

「だって名前知らないもん」


 キュウリの子の指摘でナズナは頬を膨らませて「そう言えば、お名前は?」と聞く。だがキュウリの子は暗い顔をして口を開く。


「物だから名前なんてないよ」

「……保護者につけてもらえなかったの?」

「警察の備品みたいなものだから」


 キュウリの子の言葉にハンゾウは「警察は愛着を持たないようにするために、あえてつけないんだよ」と解説した。

 だがここで疑問が起こる。


『あれ? コナは名前付いているけど』

「僕はハンゾウさんが所有している武装機体兵なんです」


 コナの言葉にキュウリの子は羨ましそうに見ながら、「もう、キュウリでいいよ」と言った。不服かもしれないけど。

 そんな時、ナズナは「この事件って警察が関わっていますか?」と言うと、ハンゾウは「そうだ」と答えた。


「闇医者は地下鉄立てこもり事件の主犯で警察の身内、そしてトキオ奪還メンバーだろうな」

「いいのか? こんなこと言って」


 リュウドウは呆れながらにそう言うと、ハンゾウは「別にいいさ」と返した。どうせ派遣だし……みたいな感じなんだろう。それにこの男も組織とかにある【しがらみ】のような物を面倒くさいって思っていそうだ。

 ハンゾウは「ナズナの質問に答えるぞ」と言い、話し出した。


「ナズナの言う通り、どうやら警察は捕まえた奴以外にも仕事で失敗した武装機体兵を闇医者に渡して機体持ちの素材にしていたようだな。警察もおとり捜査をしている武装機体兵を軍に返すのは不味いだろうから、闇医者に渡して失踪って事にしているんだろうかと思う」


 補足としてキュウリの子は話し出す。


「私が担当していたのはトキオ奪還の行動の監視です。ここでは事件を未然に防ぐのではなく、個々のトキオの地下鉄で大規模な事件を起こさせるのを見守るって感じですね」


 なかなか衝撃的な事を言って、ナズナとフキノ、アンズ達の武装機体兵は驚く。だがセトとハンゾウ、コナは驚く様子は無い。


「警察にとって無法地帯になっている、ここの地下鉄はキミンチ以上に頭の痛い場所なんです。実を言うと大半の偉い方は、このままでもいいって思う方も多いんです。一応物流の要みたいな場所になっていますし、小さな事件は起きているのですが派遣警察だけでも十分とも思っています。しかし一部はトキオを元通りにしたいと思っている方にとってはどうにしかしたい場所で、武装機体兵を排除したいと考えています。だから大きな事件が起これば……」

「政府や警察に治安を任せる理由になる」

「そうです。だから警察はトキオ奪還を逮捕したいと口では言っていますが、逆にトキオを攻撃するためにわざと見逃しているんです」


 とんでもない計画だな……。





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