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グッドモーニングエイリアン  作者: Sarumi kuuya
1/1

目覚め

西暦2xxx年、我々人間は消滅した。


朝、騒々しいベルの音で眠りから覚め

家から6キロ程の学校まで自転車で登校する

学校から帰りゲームをして寝る

それだけと言えばそれだけの日常をただただ繰り返すだけだった

俺はその日常に飽き飽きしていた

とは、言いながらやっぱりこのままでいいとも思う。

この平穏な日々を死ぬまで続けるそれもまたありだと思う

そう頭の中で思いながら階段をおりリビングに半分寝たまま向かっていた。

「えっっ、」突如リビングから母の声が聞こえた。

俺はただ事では無いと思い、急いで階段をかけ降りようとしたそこからの記憶はない。


「こ、ここはどこだ?」

俺は6畳ほどのコンクリート壁の部屋の真ん中に寝そべっていた

部屋には扉と窓があるだけ、扉も窓も鍵がかけられていた

人の気配はしない

「おぉい、誰かいるのか?返事してくれ!」

俺は怖くなって叫んだ

俺が叫び始めてから1分ほどだっただろうか

部屋の扉がゆっくりと開いた

部屋に入ってきたのは20代後半くらいの短髪の筋骨隆々な男だ

「体調は悪くないか、悪くないのであれば私についてこい」

とだけ言い部屋から出ていこうとした

「ここはどこだ 俺はなぜここにいる 母さんは母さんは無事だろうな!」俺は聞けずにはいられなかった

男は「それも全てこれから話す、いいから私についてこい」

体調がいいも悪いも分からないが一刻も早く自分の状況が知りたかった、俺にはついて行くという選択肢以外なかった

部屋から出ると俺は思わず声を上げてしまった

確かにここは俺が通っていた市立第3高校だった。

そして階段をのぼり会議室に着いた、俺が今までいたのは地下だったことに気づいた。

廊下を歩いている時は人の気配などしなかったが、会議室には筋骨隆々な男以外に40代くらいの無精髭の男と20代くらいのポニーテールの女、俺と同じくらいの短髪の女子と坊主の男子が1人ずついた。

女子と男子は俺と同じように状況を理解していないようだった

会議室の椅子に俺も含め6人が座り

無精髭の男が「私は柴田 龍一郎、SEPの会長だ。」

「私は…」ポニーテールの女が淡々とした口調で名を名乗ろうとした

「お前らの名前なんざどうでもいいんだよっ!!

今の状況を俺が今置かれている状況を早く話せや!」

その瞬間坊主の男子がそう叫んだ。

「そうだったな、すまない

ではまず今の状況を話すとしよう、私たちが住んでいる第1地区には今、私たちしかいない。あなた達は生き残りなんだ。」

柴田がその言葉を発した瞬間短髪の女子はその場で崩れ落ちた、俺も目から涙が溢れた。

「一昨日の午前7時4分27秒にバンシタンカ国のペンタサンニに炎に包まれた隕石と見られるものが落下した、その瞬間この地球上に生きているものは全て死んだ。だが、その時、気絶などをしていて意識がないものはこうして生きているというわけだ。私たち6人は奇跡的にその時意識がなかったのだよ。

私たちのいるヒノモトノ国の残りの第2地区、第3地区、第4地区そして私たちがいる第1地区合わせても23人しか今のところ生存者は見つかっていない」

俺は1番気になっていたことを口にした

「俺たちはこれからどうすれば…」

するとポニーテールの女が先程より和んだ表情でこちらを向いた

「あなたたちが寝ている間私たちはあなた達の体に特殊な細胞を入れました。人類が死んだ理由は隕石のようなものが落ちた瞬間にこの地球上にDEという気体が広がりそれを吸った人全てが死んだのだと推測しているの。」

「ドッキリ番組かなんかなんだろ!いい加減面白くねえからネタばらししろよ!!!意味わかんねえよ、ぶち殺すぞ!!!!」

坊主の男子がそう叫んだ

「やめてっ、裕二くん信じられないのはわかるけど。」

短髪の女子が震えた声でそう言った

俺は「その俺たちに入れた特殊な細胞って一体なんなんですか」と聞かずにはいられなかった。

「安心して、健康とかには今のところ害はないわ

ただ私たちはもう人間ではないの」と深刻そうな顔をしてポニーテールの女が続けた「隕石が落ちて広まったのはDEだけでは無いの、人型をしたエイリアンのような生命体も各地で目撃されているの。そのエイリアンはDEを吸っても大丈夫なの、だから私たちも、君たちにもそのエイリアンの細胞を移植したの。」

俺たちは声が出なかった。出せなかったのだ。

勝手に得体のしれない細胞を移植されてことに対する怒りでもなく、エイリアンや隕石への怒りでもない。ただただこの状況が信じられなかったのだ。

その時だった「グチャッッッ」

筋骨隆々な男が自分の腕を切り落としたのだ。

俺はこの状況が理解出来ず、フリーズした。ショートカットの女子は泣き叫んだ。

「いいから見ていろ」そう筋骨隆々の男は言った

次の瞬間、さっきまでは確かになかったはずの彼の右腕がニュルニュルっとまるで昔観た映画の宇宙人のように生えていたのだ。

「俺だけじゃない、ここにいるやつはみんなこの体になっちまったんだ。」筋骨隆々の男はそう言ったのだ。

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