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耳かきで儲けよう

 私達は目を覚ますと、すっかり元の体に体へと戻っていた。

「おはようリリー」

「おはようお姉ちゃん」

私達は結局あの後抱き合ったまま寝てしまっていた。

元の体に戻る何なりでお姉ちゃんはこんなことを言い出した。

「ねえリリーちょっと」

お姉ちゃんは膝をポンポンと叩いて、横になるよう促してきた。

これはまさかの膝枕!?

私は内心動揺しながらも、嬉しい誤算とばかりにお姉ちゃんの膝を枕にした。

何をされるのだろうとそわそわしながら待っているとお姉ちゃんは、耳かき棒を取り出した。

「え、もしかして耳かき!」

「そうそうあなたと体が入れ替わった時、なんだか耳がこそばゆくてね。 だから耳かきしてあげる」


 しかしそれに、私は驚いて、体を起き上がらさせた。

「もうリリーは昔から人に体を触らられるのが嫌なのね」

「いや……でもまあお姉ちゃんに触られるのなら大丈夫だよ」

そういって私はまたお姉ちゃんの膝に、寝そべった。

お姉ちゃんの膝はとても弾力があり、柔らかい。

そして体が密着することにより、いい匂いが鼻へと入ってくる。

私はその匂いにうっとりとしていた。

お姉ちゃんは耳かき棒を私の耳に入れようとした時だった。

「あれちょっと部屋が薄暗くて見えづらいわ」

「ランプをつければいいんじゃない?」

「つけてもこの暗さなのよ」

確かに部屋を見渡してみると、どことなく薄暗くて耳かきをされるには少し怖い。

「うーん、なにか小さい灯りみたいなのものがあるといいんだけれどね」

「んー、わかった。 じゃあ魔法でなんとかしてみるよ」

「え? そんなことのために魔法を使っちゃうの? 一日に一度までってお医者さんに言われてるのに」

「お姉ちゃんに耳かきされるチャンスを逃したくないからね! だから、いいの」

そういうと私はその辺にあった棒きれに魔法をかけた。

「魔法少女リリーが命じる、今一筋の光明を灯せ『ブライト!』」

そういうと棒きれはちょうどいいサイズの小型のランプとなった。


「よし、これで大丈夫ね」

そういって私の耳に耳かきを近づけた時であった。

「ねえ、お姉ちゃん」

「やっぱりまだ怖い」

「もう」

お姉ちゃんは呆れた様子で、私のことを見た。

「いやだってさ、他人に自分の見えないところを触られるって怖くない?」

「まあ確かに」

そういうとお姉ちゃんは納得してくれた様子であった。

「うーん、あ。 じゃあ、あれを使えばいいじゃない」

そういって取り出したのは、昔演劇泥棒をしようとして失敗した視覚共有眼鏡だ。

「これをかければ解決ね」

そういってお姉ちゃんは私に眼鏡をかけさせて、私に耳の中を見せてくれた。

するとだ。

「え、汚っ! めっちゃ汚れてる」

「もう言わないようにしていたいのに」

お姉ちゃんは呆れた声をあげた。


「もういい加減始めるわよ」

そういってお姉ちゃんは耳かき棒を、私の耳へといれた。

ゾワゾワッとした感触が襲ってくる。

「ッ……!」

心地よさのあまり思わず声が出そうになる。

なんて心地の良い感覚だろうと身悶えした。

棒が入り口付近を出し入れされる度、快感の波にのまれる。

私はあまりの気持ちよさに声を堪えるので必死だった。

しばらくはそんな状態が続いた。


 ポンポンと肩を叩かれると次は、もう片側の耳へという意味だ。

私は反対側へ耳を向けた。

先程は左耳から入ったが、利き耳である右耳へと入った。

当然利き耳の方が、汚れている。

私は力の入る方向性が、先程とは違う快楽を得た。

モゾモゾと耳かき棒が耳を駆け巡る度に、快感が走るがまだ終わってほしくないという気持ちが強い。

しかしそんな気持ちのいい時間も、ポンポンと肩を叩かれ終わりを告げた。


「うわー気持ちよかった」

「えへへ、どういたしまして」

私はうーんとしばらく首を傾げ考えを巡らせる。

「ねえもしかしてこれってビジネスにできない?」

「え?」

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