33話 違う村を見てみたい 2
暫く歩くと、道具や袋の絵が書いて有る看板を見つけた。向かいの建物には、剣と盾の絵が書いてある看板がある。
ここがさっきのお姉さんの教えてくれた店だな。
取り敢えず、道具屋から見て行こうかなぁ?
俺は、道具屋の入り口に向かって歩いていった。
ガチャ!!
道具屋の扉を開けると、店の中央にはテーブルがあり籠が並べられ、中には色んな種類の草が入っていた。
壁側には、棚が並んでいて、瓶に入った薬の様な物や冒険に役立ちそうなランタンや、鞄・ポーチなどが売られている。
商品を眺めていると、店のおじさんが声をかけて来た。
『おぅ坊や、何か探しているのか?探し物があるなら、言ってくれれば、直ぐに出してやるから言うんだぞ。』
『あっ、ありがとうございます。僕は近くの村から来たんですが、自分の村以外の村に来たのが初めてで、よその村にはどんな物が有るのかが気になって、見入ってしまってました。』
『ほぅ〜そうかぁ。そう言う事なら、ゆっくり見て行きなぁ。もし、気になるものがあったら、声を掛けてくれ。』
『はい。あの早速なのですが、ここに有る草たちは、何に使う物なんですか。』
『あぁ〜、そこに有る草は、薬草類だな。右から【キズ草】【ドク草】【ヤケ草】【マヒ草】と言う薬草だ。【キズ草】は、ちょっとした傷などが有れば、この草をすり潰して傷に塗れば、1日有れば治るよ。【ドク草】は、毒を受けてしまった時にこの草をすり潰して絞って出た汁を飲めば、毒が消える薬草だ。但し、全ての毒に有効って言う訳じゃ無いから、そこは覚えておくんだぞ。次に、【ヤケ草】は、まぁ〜火傷を治す薬草だな。使い方は、キズ草と同じだ。これも、あまり酷い火傷だと、完全に治す事は出来ない。最後に【マヒ草】だなぁ、これも、名前の通りだ。使い方は、ドク草と同じだが、マヒを受けて直ぐなら、葉を1枚を直接食べても治るらしいが、まぁ〜酷く苦いみたいだから、おすすめはしないな。
どうしてもって時だけにしとけよ。』
『ありがとうございます。全部説明してくれて助かりました。あそこの棚に並んでいる薬の入った瓶は、何ですか?』
『あぁ、あれは、さっき説明した様に、すり潰して、直ぐに使える様にしてある物だよ。毒を受けたりしてから、のんびりと薬草をすり潰してる暇なんか無いからなぁ。』
『薬草とかは、良く売れるのですか?ポーション類が見当たらないのですが、取り扱って無いんですか?』
『そうだなぁ、この村には、ポーション類の薬は、貴重で滅多に入ってこないんだ。だから、村人達や、田舎の村にいる冒険者達は、薬草でなんとかやって行くしか無いんだ。』
『そうだったんですね。じゃ〜魔物と戦って怪我したら、危ないですね。』
『確かになぁ。森に行ってゴブリンに囲まれ、何とか倒したが傷から血が出ていてポーションが無く、傷を癒せなくて死んでしまうって事もよくある事だ。』
ガチャ!!
急に、扉が開き、怪我をした人を、担いだ人が入って来た。怪我をした人は、頭や腕から血を流し、意識がもうろうとしている様だ。
『おっちゃん、ローグが俺をかばって怪我をしちまった。ハイポーション、いや、ポーションでもいい!!1本だけでも無いか。このままだと、ローグが死んじまう(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)タノムヨー』
『すまないなぁ。今、ポーションは1本も無いんだ。本当にすまない、取り敢えず、店にある薬草を、全身に塗って、様子を見るしかねぇ。まずは、そいつをそこの机に寝かせろ!!俺は、薬草の準備をする。薬草を傷に直ぐに塗れる様に、服を脱がせとけ!!』
道具屋の中は、何だか凄く慌ただしくなって、緊張感の張り詰めた空気になっている。
『あのぉ〜すみません。』
『坊や、悪いが今は一大事なんだ、道具の説明は今度してやるから邪魔になるといけないから、今日は、帰ってくれるか?』
『あっ!!いや、あのぅ〜』
『悪いなぁ、相手はしてやれないんだ!!』
『だから、あの〜、ありますよ。ハイポーション(´・ω・`)』
『そうなんだよ、ハイポーションが有れば治せるんだよ、しかし、この村にそんな貴重な・・・って、・・坊や、今何って言った?』
『だから、ハイポーション有りますよって』
俺は、鞄から出すフリをして、ストレージから、ハイポーションを1本取り出し、おっちゃんに手渡す。
『おい、坊やがどうしてこんな貴重なハイポーションを持っているんだ。・・いやいや!今はそれどころじゃ無い!早く、ローグに飲ましてやらなきゃ!!』
おっちゃんは、ハイポーションの瓶の栓を抜き、ローグさんの口にハイポーションを流し込んでいった。
ローグさんの傷はみるみるふさがっていき、傷は、全部綺麗に無くなった。
『おぉ!!凄い!!あんなに酷いきずだったのに、やっぱりハイポーションは凄いな!!ボウズ、本当にありがとうなぁ!!俺は、フレイって言うんだ。ボウズ、名前は?』
『あっ!!僕は、ユウトって言います。ローグさんが無事で良かったです。』
『あのまま、ローグが死んでしまっていたら、俺は一生悔やんで後悔ばかりして生きていっただろうな( ̄◇ ̄;)
だから、ユウトには、感謝しても仕切れないよ。』
『いやいや!!もう、十分お礼を言って頂いたので、頭をあげて下さい。』
すると、ローグさんに反応があり、意識が戻ってきたようだ。
ローグさんは、体を起こし辺りをキョロキョロと見渡し確認し始めた
『あれ?何で俺は、道具屋で寝ているんだ?
俺は確か、倒し損ねたゴブリンに仲間を呼ばれて、次々とゴブリンが集まってきて、フレイと俺は、あっという間にゴブリンに囲まれてしまった。そんな時、1匹のゴブリンが、フレイの後ろから襲い掛かってきて、慌ててフレイとゴブリンの間に入り、おれの背中にゴブリンは、錆びた短剣で斬りかかってきた。
それからは、斬られて倒れた俺に周りのゴブリンが一斉に攻撃してきて、俺はそのまま、斬られたり、殴られたりで意識が殆ど飛んでいた。』
『あの後すぐに、全部のゴブリンがお前に集中していたから、俺が後ろから次々にゴブリンの首をはねて行き、やっとお前を助けて村までつれて帰ってきたんどよ☆』
『フレイ、ありがとうなぁ。お前が一緒に居なきゃ、俺はあそこで死んでいただろう。』
『まてまて、助けられたのは俺の方だぜ!お前が庇って間に入ってくれて無かったら、俺が同じ目に合っていただろう。それに、逆の立場だったら、ローグも同じ事をしてくれていただろう。』
『当たり前だろう、仲間を見捨てるぐらいなら、死んだ方がましだ(^ー^)
だけど、良くこの村でポーションを手に入れられたな。』
『あぁ、それは本当に奇跡的な出会いがあったからだ。店には、ポーションが無かったんだが、そこに居る子供、名前は、ユウトって言うんだが、ユウトがたまたま、ハイポーションを持っていて、ローグに使って良いと1本分けてくれたんだ。』
『えっ!!この子供、いやいや、ユウト君がハイポーションを持っていたのか!!』
『そうだ、ローグの命を救ってくれた子だ。
ちゃんとお礼を言っておけよ。』
『そうだったんだね。』
ローグさんは起き上がろうとするが、血を流し過ぎてまだ自分の力では、立ち上がれないみたいでよろめいている。フレイさんがローグさんに肩を貸し、俺の前まできた。
『ユウト君、貴重なハイポーションを、見ず知らずの俺に分けてくれて、本当にありがとう。今は、手持ちがこれだけしか無いが、残りは必ず後から払う。取り敢えず、これだけでも受け取ってくれるかい。』
『いえいえ僕は、目の前で困ってる人が居たので、助けたいっと思いハイポーションを渡しただけですので、お金なんかは、要りませんよ
(灬ºωº灬)
困ってる人を助けるのは、当たり前の事でしょう。ですから、このお金は受け取れません。』
『いやしかし、それでは、私の気が収まらないよ。』
『じゃ〜そのお金で、ちゃんと食事をして体をしっかり休めて下さい。ハイポーションで体の傷は回復しましたが、血が流れ過ぎて弱っていますから、しっかり体を治して下さい。それが僕へのお礼になります。』
『私の体の回復が、ユウト君へのお礼になるのだな。では、お言葉に甘えてしっかりと体を治させてもらうよ。今度あった時は、一緒に食事でもしよう。その時は、必ず私に、奢らせてくれよ(*^ω^*)』
『はい、その時は、お願いしますね
(*^◯^*)』
『では、今日はこれで失礼するよ。おじさん、いきなり入って来て、迷惑をかけて申し訳ありませんでした。私の血で、お店を汚してしまって、体を治したら、直ぐに掃除をしに来ますので、許して下さい。』
『馬鹿野郎!!そんな事は、気にする事は無い
。早く帰って、安静にしてろ!!』
『お二人とも、本当にありがとうございます。』
ローグとフレイは、深々と頭を下げてお礼を言い、店を出て行った。




