依頼は終わったよね?いい加減にしないとぶっ飛ばすよ?
ギルドで魔国からの依頼を受け、無事解決しました!
けど、マスターとデニスに引き止められました。なんだこの野郎!ドラゴンじゃなくてヤマタさんがいたでしょ?調査終わりでしょ?俺はマリンと王都観光して、今日はマインの叔父さん叔母さんに逢いに行くのだ!邪魔するな!
「「イヤイヤ!!今の映像はなんなんだ!?」」
「ガキの頃に作った魔法ですけど?火竜の山で実験して、必要な魔導カメラを置きっぱなしにしてたのを思い出して、起動したら使えたので、ついでに調査対象を発見、報告しました!依頼終わり!!」
「魔導カメラって何だ!?」
「いや、今の映像は本当ですか!?ヤマタノオロチって、伝説上の化け物でしょ!?」
「いや〜首が8つあるドラゴンなんてヤマタさん以外いないでしょう?魔導カメラはこれまたガキの頃に作った魔道具で、イビルアイの目玉を使ってるんだけど、イビルアイは上級ダンジョンの奥にいる魔物だし、加工が難しくて、実用性が乏しいから、火竜の山にある一機だけなんだよね〜。」
ぽか〜んとして2人が動きを止めました。早く依頼料下さい。今回はキャッシュ希望!そのままマリンと遊びに出ます!
「・・・色々言いたいことはあるが、これはマズイな・・・」
「はい、これは魔国と王都だけではなく世界の危機です・・・伝説上の化け物が現世に降臨したなんて・・・」
「はあ?ヤマタさんは知性のある超古代竜だよ?無駄に破壊行動はしない筈だし、何かあって人類に伝えたいことでもあるんじゃない?普通にお伺い立てに行けば良いじゃん。」
「「はあ!!?」」
「いやいや、高位のドラゴンなんて良く喋るでしょ?超古代竜のヤマタさんが喋れないわけないじゃん?」
「デニス殿、俺の気のせいか、ステインがヤマタノオロチと知り合いみたいに表現しているように聞こえているのだが・・・」
「オウル殿、私にも同じように聞こえているから間違いない・・・」
「あれ?」
「「ステイン(殿)、ヤマタノオロチを知っていたのか!!?」」
おおう!すごい剣幕で2人に詰め寄られました!マリンが怖がるだろうが!!ぶっ飛ばすぞ!?
「いや!火竜の山に居るのは知らなかったって!!前に会った時は、霊峰 天上山の頂上に居たし!!」
「「霊峰の頂上!?」」
「あれ?」
また余計なこと言いましたか?
「まさか、人類では踏破不可能と言われた霊峰を登りきっていたのか・・・?」
「こ、こんな人間がいるなんて・・・」
「なんだよ〜大げさだな!霊峰なんて10歳の頃に余裕で登れたぞ?知られてないだけで結構登山されてるって!!!」
「「そんなわけあるか!!!!もう黙っててくれ!!!」」
凄く怒られました!解せぬ!!!
「デニス殿、もう黙っていてもしょうがないから言うが、此奴がギルド唯一のランク外だ・・・隠すのも馬鹿らしくなる規格外の人外なんだ・・・」
「オウル殿、魔国にも伝わっている王国の隠れた勇者も彼だろう?ああ、そういえば昔、魔族を迫害していた帝国の英雄を討伐した英雄なんてのもいましたね・・・その人は魔国でも英雄ですが、まさかと思うのですが、彼でしょう・・・」
「懐かしいな!帝国の英雄とか言うやつは、魔族の女ばっかり狙うゴミの様な男だったな〜。たまたま魔国内を散策していたら見かけたんだけど気持ちの悪い奴で、俺に親切にしてくれた魔族の夫婦の奥さん攫おうとしたからぶっ飛ばしてやったんだよ〜!懐かしいな〜。」
「いや、もう黙ってて・・・」
「規格外の人外ですね・・・」
いや、彼奴も12歳くらいの頃にぶっ飛ばせたから大したことないないと思うけど?思うけど、言わない方が良さそうですね。あんまり話しが長いからマリン寝ちゃったよ?もういいかな?
「しかし、これはこのまま報告したとして納得してもらえるかどうか・・・」
「ああ、王都ギルドから証書を出そう。国王にも話を通さないと行けない案件だしな。緊急案件として今から王に謁見させて頂く。明日まで待っていただければデニス殿に国印を押した書籍を渡せよう。」
「助かります!オウル殿。」
「ステイン・・・ヤマタノオロチは危険性はないのだな?」
「ヤマタさんというより、皆んなが伝説上の魔物、と思っている奴らは正確には地上の調停者なんだ!人にも魔にも肩入れしないし、地上の安定、安息の加護を受け持っている。間違っても攻撃を仕掛けたりしない限り何もして来ないよ。」
「・・・今の新事実も国王に報告しておく。」
「オウル殿、出来れば書状に記載していただけると助かります・・・」
「すぴ〜〜〜〜」
「もういいか?依頼料現金一括で貰ったら帰るぞ?」
「「はあ〜〜〜〜・・・」」
2人が物凄く疲れていますが?恨めしそうな目で見ないで頂けます?
「あ!忘れてた!!デニス!あんたにお願いがあるんだ!」
「お願い?何でしょうか?」
「デニスを見た時から気づいてたけど、デニスって魔国四天王の智の将軍だろ?ちょうど良いから前に魔王から頼まれてた魔道具届けてくれない?」
「・・・気づいていたのですか?」
「ん?ああ、前に魔王が自慢気に写真見せながら説明してくれたんだよ!交渉、外交、内政、金融関係は右に出るものは居ない、まさしく智を持つに相応しい!とか、興奮気味に説明された!」
「魔王様・・・」
「ステイン・・・お前は魔国の王とも知り合いか?」
「6歳くらいだったかな?最初はケンカしちゃったけど、それから友達だな!」
「魔王様と喧嘩して6歳の子供だった人が生きてるのですね・・・」
「魔王と友達・・・」
「そういえば、魔王様が仰っていた事がありましたね。昔、魔王よりも魔王にしか見えないものに出会った事があるとか・・・」
「ステインだな。それは・・・」
あれ?今日は余計な事ばっかり言っちゃうみたいです!もう帰ろう。
依頼料を受付で受け取る様にマスターに言われて、待合室を出て行く。デニスとマスターには追加の依頼が入るかも!と念を押されたけど直ぐすぐじゃ無いだろうし、ギルドカードに通信するように言っておいた。ちゃんとギルドカードの通信は入れている。
受付に行くとサラサが今日も担当していた。依頼完了書を提出して、報酬をお願いする。
「この依頼料を現金で頼む。」
「す、ステインさん!ご苦労様です!少々お待ち下さい。確認して準備してきます!」
「わかった。」
素早くカウンターの奥に確認しに行くサラサを見送りつつ、「すぴ〜すぴ〜」と寝息を立てているマリンを眺めて時間を潰すしていると、誰かが大声をだしてやって来た。
「お〜お〜!!いつからギルドは子守もする様になったんだ!?」
ギルドの入り口付近で騒いでるが、あんまり五月蝿いとマリンが起きるだろうが。いや、グッスリ寝てるけど!
「ここは冒険者ギルドだぜ?子守は帰ってママにしてもらいな!!」
五月蝿いのが近付きながら声を張り上げている。受付嬢達が心配そうに見てくるが、基本、冒険者のイザコザに口は挟めない様に決まっている彼女達にはどうする事もできまい。マスターは今デニスと打ち合わせしているだろうから、気づいてないだろうし。
「お前みたいな子連れのヒョロヒョロした奴がギルドに来ると迷惑なんだよ!!」
「目障りだから帰りな!!!ついでに報酬も預かっといてやるよ!」
しかし、何人か冒険者もこちらを伺っているみたいだけど、「絡み屋に捕まりやがった。」とか、「流石に子連れは不味かったな。」とか、「アイツ中級冒険者だろ?死んだな子連れ。」とか言ってるのが聞こえた。
「〜〜〜〜〜〜!!!!〜〜〜〜〜〜!!!!」
何か言ってる大声の男を無視して、マリンの寝顔可愛いな〜!とか、子供って小さいな〜!とか思っていると、肩を掴まれた。
「〜〜〜〜〜って言ってるだろ!!ビビって声も出ない…」
「何だ?何か用か?お前、ポイズンゴリラみたいな大声だな?顔もゴリラだし。」
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
その場の空気が固まったんですが?依頼料はまだかな?
「ステインさん!お待たせしました!!依頼料の金貨10枚です。ご確認お願いします!」
「ああ、ありがとう。・・・うん、確かに。」
「依頼、お疲れ様でした!!」
依頼料を袋に入れて立ち去ろうとしたら、さらにゴリラがやって来た。
「おいおい!!何だよ金貨10枚って!お前が依頼をこなしたって言うのか?そんな筈ないよな!?どうやって誤魔化しやがった!!?」
「普通にさっきマスターからの依頼を片付けただけだが?」
「いや、絶対にお前依頼をごまかし…」
「しかし、最近のゴリラはよく喋るな。野生動物の学習能力も馬鹿にできんな。ん?人間だったか?」
「・・・・・!!!?!!?!????」
目の前のゴリラが顔を真っ赤にして血管浮き出せながらぷるぷる震えてます。
「なんだ?ぷるぷる震えて、ドラミングでもするか?」
「テメーーー!!ぶっ殺してやる!!!」
ギルド内で悲鳴が上がる。目の前のゴリラが剣を抜きやがった。冒険者ギルドで暴れてもゴリラなら討伐していいかな?サラサや受付達は悲鳴あげてるし、周りの冒険者も構えをとって警戒してますよ?いいのかな?
「今更謝ってもゆる………」
「う…うううええええええええええええええええええん!!!!!!」
「マリン!!・・・・・お前のせいでマリンの安眠が妨害されただろうが!!!!ぶっ飛ばすぞゴリラ!!」
「うえ!!うええええええええええん!!!!」
ばたばたと足音がしてマスターとデニスが出て来る。
「何事だ!!?」
「ステイン殿!!?」
「ぶっ飛べ!!!!クソゴリラ!!!!『気功術』『身体強化』!!!からのただのパンチ!!!!!」
ドゴフッ!!!!!!
「ぐえ!!!!!!!!!!??????」
メキメキ!!ガシャーーーーーーーン!!!!
と、ギルドの壁を突き破りながらお空に飛んでったゴリラ!!思ったよりふっ飛びましたな。防御もしてなかったみたいだけど、ぎりぎり生きてるはず!手加減して、ただのパンチで済ませたし!ギルドにいる皆様ぽか〜んとしてるけど大丈夫?ゴリラさんなら野生に帰りましたよ!
「す、ステイン!!!何しとるんだ!?お前は!!」
「知らない。ゴリラが絡んできてマリンが泣いたからぶっ飛ばした。」
「あい!あい!しゅ、ステイン!!ゴ〜ラさん、ぽ〜ん!!!」
キャイキャイ笑うマリン。機嫌は治ったみたいだ!よかったよかった!そういえば、来るときの高速移動も平気だったし、昨日もコールとの立会いを見て楽しんでたみたいだし、体を動かすのが好きなのかもしれないな!!気孔とか教えようかな〜。
「お、お前は・・・」
「ま、マスター!ステインさんは絡まれて、最初は無視していたんですけど、相手がしつこくてマリンちゃん泣いちゃって、それで手を出したんです!!ステインさんは悪くありません!」
おお!サラサが庇ってくれた!!変な子かと思ってたけど、優しい子だな〜!!
「だからと言ってギルドを壊すやつがあるか!!まあ、今ステインにやられた奴から修繕費は取るとしても、ステイン!!事情聴取はさせてもらう。ちょっと個室まで来い!!!」
「え?ヤダよ!」
「ヤダじゃないだろう・・・」
「今日はどれだけギルドにいると思ってるの?やっと帰れそうなのに、まだ引き止めるの?もう帰りたいし、マリンのオヤツもあるし、ふっ飛ばしたゴリラとその辺の奴は見てるだけ見てたからソイツ達に聞いたら?俺は帰るよ。」
「当事者が説明せんでどうする!いいから来なさい!!」
「ステイン殿、もう少しマスターの言う通りにした方が良いと思うが・・・」
マスターに加えて、デニスも引き止めて来るが、いい加減、本当に帰りたいんですが?予定より長くギルドにいたし、依頼の間も帰りたいの我慢してたし、いい加減良くないか?・・・ガマンシナクテモ。
「いい加減にしろ。俺は帰るって言ってるだろう。次、俺の道を塞いだら・・・ココゴト、ブットバスゾ?」
バタバタバタ!!!
いい加減に腹が立ったので、威圧を周囲にばら撒き、宣言する。周りで気絶したり、顔を青くして震えてたりするが、知ったことか。
「ぐ・・・す、すていん!!・・・す、すまな、かった!!わかった、から!やめてくれ!!!」
威圧を解除して、ふ〜と息を吐く。するとマリンはキャイキャイ笑ってる。マリンの笑顔で心が落ち着くのがわかった。うちの子天才だよ!!大人が動けない威圧を感じても笑っていらっしゃる!!マリンがいたのに威圧したのは反省しておこう。
「じゃあ、帰るぞ!またな!」
声だけ掛けて、やっとギルドを後に出来ました!!!
ギルドマスター視点と同時に落とします。見てくださった方々ありがとうございます!




